武と織り成す協奏曲


<オープニング>


「皆、武曲の事は知っているな」
 秋月・善治(高校生運命予報士・bn0042)はそう前置きし、言葉を続けていく。
 武曲七星儀で捕虜とした妖狐、武曲。彼女は常識教育を熱心に受講した結果、女王九尾に騙されていた事に気がついた。
「彼女は元々、日本に隠れ住んでいた妖狐の一族で、ひっそりと暮らす一族の事なかれ主義に反発し、大陸妖狐に協力するようになってしまったそうだ。そして、考え無しの行動で迷惑をかけた日本の仲間の妖狐達に、まずは謝りたい。そう、彼女は希望している」
 これはチャンスかもしれないと善治は言った。
 隠れ住む妖狐と接触するのは難しいかもしれないが、上手く接触できれば、七星将や九尾に関する情報などを得る事ができるかもしれないのだから。
「そこで、だ。武曲を案内役として、日本妖狐を探すたびに出て欲しい。そのための人員を募集する! 我こそはという者は、放課後の教室に集まってくれ。ひとまず、話は以上だ」

 人数が揃ったのを確認し、善治は小さく頭を下げていく。
「集まってくれて感謝する。早速だが、大まかな流れを説明するぞ」
 まず、武曲の案内で彼女の故郷に赴くことになる。道中に危険があるかもしれないので、彼女から目を離さないように護衛をして欲しい。
「そして……と。すまないが、後は任せるという形になる。現時点では、彼女の故郷に到着した後の事は全く分かっていないが故に、な」
 だが、と、善治は力強く拳を握った。
「その場の状況に応じて、柔軟な対応を行なう。即ち、出発から到着までの間に起こりうる状況と対応策を話し合っておけば、慌てず対処する事ができるだろう。そして、お前たちがついていれば、何があっても大丈夫だと信じている」
 説明は以上だ。皆、任せたぞ! と、善治は皆を激励するのだった。
 

 大陸妖狐の襲撃なども無く、軽い足取りで穏やかな尾根道を進んでいた。今は視界の開けている場所だからか緊張の糸を少しだけ緩めて、会話のついでに鳳・武曲への質問がなされている。
「武曲の故郷がどんな場所なのか、教えて欲しいんだよう」
「……そうだな。自給自足で暮らす農村のような場所、といった感じだな」
 武曲は懐かしむように瞳を細め、リリム・ネリンセイムが発した問いに答えを返した。
「そこには、どんな人たちが住んでいるの?」
「二十代前半までの妖狐、だな」
「二十代前半まで?」
「ああ。見えざる狂気に犯されて共に暮らせなくなってしまった妖狐たちは、私たちの与り知らぬ場所で集まって暮らしているらしい。そして……そうだな。皆、とても優しい者たちだ」
 若干表情を曇らせてしまったから、質問者たるリゼット・メルリンは彼女の背を軽く叩く。武曲が微笑みを浮かべる中、気を取り直して……と、東・吉乃が問いかけた。
「大陸妖狐の目的などを、教えていただけませんか?」
「そうだな……かつての力を取り戻すのが目的だと思う、七星将の復活もその一環なのだからな」
「っと、別れ道だ。どっちへ行く?」
 先頭を歩いていた霜桐・海の質問に、武曲は木々が林立する方を指し示す。加えて、ここを抜ければ里だとも教えてくれたから、再び緊張の糸を引き締めた。
 皆が紅葉色のアーチを潜っていく最中、トラウィス・カルパンテクトリが武曲の肩を軽く叩く。
「……ちゃんと謝れるといいな。頑張ろうな」
「……ああ。ありがとう」
 ……そんな言葉に代表される和やかなやり取りを行い道程を歩んできた彼らは、特に問題なく武曲の故郷へと辿り着くのだった。

 ばらけて地に落ちた屋根の藁、破られ役目を失った木の壁面。田んぼからは水が失われ、風が枯れた稲を雑草生茂る畑へと運んでいく。遠くには、完全に崩落してしまった家屋も見えた。
 壊滅。二字が駆け巡ると共に、武曲が小さな声音を漏らす。古池・くろ子は歩き出してしまいそうな彼女の肩を掴み、声を潜めて囁きかけた。
「……人の気配がする」
「そこにいるね。出てきてくれないかね?」
「……ふふっ」
 ヒュー・メイスフィールドが視線を向けた家屋から、提燈を持った二十代と思しき女性が出現する。
「……ここで待っていれば現れると思っていましたわ。七星にならず、この私の予定を狂わせた憎らしい、憎らしい裏切り者の武曲……ふふふっ」
「梅娘……!」
 私の部下だった妖狐だ。そう武曲が語る中、梅娘は百鬼夜行と思しきゴーストたちを導き出す。
 その構成を素早く把握したディアナ・レオンハートが、肩を竦めて問いかけた。
「ヤレヤレだな。ひとまず大陸妖狐を捕虜として里に連れて行けないだろう……といった懸念はなくなったが、どうする?」
「……ゴーストたちからはあまり脅威を感じない。それに里を調べれば手がかりがつかめるかもしれないし……梅娘だっけ? 彼女が何か知ってるかもしれないよ」
 ――話は纏まった。出雲・団十郎が言に従うように、彼らは武曲を守るように陣を敷いていく。
「私も戦おう」
「え……でも……」
「安心しろ。、心身ともに正常だ。それに……今は、一人でも戦力が多いほうがいいだろう?」
「……分かった」
 焦りも、迷いも感じられなかったから、如月・愁が道を開き彼女が戦うための場所を生み出した。
 数多の謎を解き明かすための調査の開始へ向かい、ひとまず身にかかる火の粉を振り払え!

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参加者
ヒュー・メイスフィールド(百万回生きたくも・b36152)
如月・愁(煌きオータムハート・b51692)
出雲・団十郎(勇気共鳴ブレイブビート・b51798)
東・吉乃(伊達眼鏡の魔弾術士・b53063)
古池・くろ子(スク水剣士・b55477)
リリム・ネリンセイム(迷い子・b59976)
トラウィス・カルパンテクトリ(明の明星・b64120)
リゼット・メルリン(幽玄実行・b64756)
霜桐・海(鏡眼のミラージェイド・b65258)
ディアナ・レオンハート(見た目に騙されるな・b69566)
NPC:鳳・武曲(中学生妖狐・bn0283)




<プレイング>

プレイングは1週間だけ公開されます。

ヒュー・メイスフィールド(百万回生きたくも・b36152)
前衛担当
前衛で敵を足止めし乍戦う

私の撃破順は
右妖獣
左妖獣
リビ
地縛霊
梅娘


戦闘と共に黒燐奏甲を己へ掛けた後向かって右の妖獣の進行を遮るよう駆け、紅蓮撃奥義を放とうと思うよ
「此処は通す分けには行かないのでね」


基本敵が後列の方へと向かわぬ様気をつけ行動
若し敵が後衛側へ動いた場合は、回込み押し退ける様攻撃を仕掛けたいと思うよ
又2体撃破前に梅娘が逃げ様とした場合は、梅娘攻撃班の子達にその旨声を投げよう


攻撃の基本は紅蓮撃を
攻撃アビが尽たら直接攻撃に
又、私味方共に、防具HP分削れた場合は黒燐奏甲で回復を


・戦闘後
梅娘を逃げられぬ様縛った後尋問を

聞きたい事はそうだねぇ
何時頃からこの状況が続いているのか
村の住民の行方を知っているか
それは君達がしたのか
君達以外ならば誰がこの状況を作ったか知っているか
等かね

その際鋭敏感覚を使い嘘の有無
動揺しておらぬか等梅娘の表情・様子を探ろうと思うのだよ


梅娘の尋問が終わったらリゼット君と共に村の探索へ
でも出雲班・くろ子班以外に探索に出る子が居たら共に行動をするよ
一人では何が有るか解らないからね
後若し武曲君が村を共に見てくれるならば、来てくれる様声を掛けようか
心苦しいが…住んでいた者の方が不審な点も解るだろうからね

調べたい点は
民家の残留物
戦闘の跡の有無
死体の有無
村を離れたか時期・状況を特定出来そうな物


急いで逃げたのか…否か
どの様な状況下かそれらの物で解ればいいのだけれどもね

如月・愁(煌きオータムハート・b51692)
【心情】
まさか里がこんなことになってるなんて…。
梅娘の態度からして、何か知ってるのは間違いなさそう。
何としてでも、戦いに勝って聞き出さなきゃ!


【戦闘】
散開後、ゴーストガントレット、ゴーストアーマーでラディを強化。
位置取りはラディと一緒に後衛で、
まずはライターを構えたリビングデッドを狙う。
ラディはなるべく多くの敵を巻き込める位置まで近づき、
サンダーブラストを連発。

「ラディ、一気に巻き込むよ!」

使用回数が尽きたら、少し下がって射撃に専念。
前衛陣に支障が出た場合、パワーナックルを引っさげて前衛に躍り出て、
全力で戦闘。
愁は常に後衛、敵の射程に注意しつつ穢れの弾丸で攻撃。
穢れの弾丸が尽きたら射撃。
また、ラディの体力が半分程度になったら回復を行う。
ライターのリビングデッドを1体撃破したら、狙いを梅娘へ。
前衛に支障がなければラディと愁で射撃、
少し前衛が物足りなそうな場合はラディが梅娘に近接戦闘を仕掛ける。


【戦闘後】
梅娘さんについては、武曲さんの方がわかってそうだし、
問い詰めに関しては事の成り行きを見守ります。
その後、班で別れて探索に向かいます。
僕は出雲・団十郎さんと同じ班で。
もし途中、力作業が必要だったり、怪我人を発見して運ぶ必要がありそうなら、
ラディの出番。
見落としがないよう、隅々まで調べたいです。
…あと、武曲さんはショックを受けてるだろうし、
結果にもよるけど、何か励ましの言葉をかけたいです。

出雲・団十郎(勇気共鳴ブレイブビート・b51798)
【心情】
これを行ったのが梅娘という妖弧ならば、簡単には許す事は出来ない。
しかし、こんな光景を目の当たりにしても戦おうとは、武曲クンは気丈な人だ。

【戦闘】
戦闘前、前を向いたまま武曲へと声を掛ける。
「武曲クン…その心、敬服に値する。…この身と刃、きっとキミの助けとなろう。」

前衛担当。
初手は相手の遠距離攻撃の射程外ギリギリの所で4〜6m散開、霧影分身術を使用。

次手は相手が出てこない時は合図をして攻め込む。
戦法は出て来た時と同じ。
「来ないのなら此方から行くぞ!」

相手が出てきた場合は前衛は敵の前衛を足止め、後衛と連携して撃破を目指す。
「さあ、お前の相手はボクだ…掛かって来い」
まずは小手調べに爆水掌改を、出来る事なら連携を狙う。
効くようならもう一度、後は術式通常攻撃。
効かないようなら紅蓮撃奥義で攻撃。
リビングデット→残った妖獣→地縛霊の順番で相手にする。
苦戦しているならばそちらを優先。
「助太刀、要らなかった?」
戦法は同じ、封術が解けていなければ通常攻撃術式→気魄で効いた方で攻撃。
回復はHPが半分以下で後衛に頼むか、自分で回復。
全力でゴースト達に梅娘包囲の邪魔をさせない。

【戦闘後の探索】
如月・愁(b51692)と一緒に集落内を捜索、何か痕跡を発見出来ないか探してみる。
その時、彼より前を歩き周囲に気を配っておく。
「危ないかも知れないから…」
気付いた事は手帳へ記入。

梅娘からの情報収集は他の人に任せる。

東・吉乃(伊達眼鏡の魔弾術士・b53063)
【心情】
まさか日本妖狐の住処がすでに壊滅していただなんて…
武曲さんが捕まった時点で切り捨てたのでしょうか

平和に暮らしていた方々に手を出すとは許せません

【戦闘】
位置は中衛です
初手は自己強化と相手遠距離攻撃の射程に入らないようにしつつ
幻楼火対策のため他の方との間を空けるよう散開するようにします

次で相手が近づいてきた場合は迎え撃つ前衛と合わせて前に出ます
近づいてこないなら散開が済んだ時点で合図を出し前に出ます
以降はできるだけ梅娘を射程内に入れるように心がけます

私が狙う順番はライター→狼→地縛霊です(ただし皆さんが梅娘狙いに入ったらゴースト狙いを中断し私も梅娘に攻撃します)
できるだけ味方と攻撃対象を合わせるようにして一体ずつの撃破を目指したいですね
ただし
雷の魔弾でのマヒや魔蝕の霧等で行動不能になったり攻撃能力を失った相手は無視します(梅娘除く)

主に雷の魔弾奥義を使用(対梅娘用に数回は残す)
自身の体力が防具HPを切った場合は一回だけギンギンパワーZを使用し以降は魔弾の射手改で回復を図ります
防具HPを切った味方にもギンギンパワーZを使用します

戦いの中で梅娘が逃げようとしたら雷の魔弾奥義を撃ちこみます
「逃がすと思ってるんですか?」

武曲さんには
戦闘中に梅娘に壊滅の要因を問い質して欲しいですね

【調査】
住居を探索し文献や生活の痕跡と壊滅の時期を調べ
できれば見えざる狂気に犯された妖狐たちの住む場所を探す

古池・くろ子(スク水剣士・b55477)
故郷を無くした事の傷を癒すのは容易ではないだろうが、
梅娘から護ってやるくらいなら私達にも出来るだろう。
直接会って自分の目で見た限りでは、武曲の事は結構好きになれそうだから、
出来る限りの協力はしてやりたいと思う。

【目的】
妖狐及びゴーストの撃破。その後妖狐の手掛かりを探す為村を探索。

【戦闘】
幻楼火対策の為に散開しつつ旋剣の構えを使用。
ただし前に出て敵の攻撃範囲に入ってしまわないよう注意。

その後向かって来る敵の攻撃が後衛に及ばぬよう足止めしつつ
黒影剣で攻撃を加えていく。
狙うのはリビングデッドor狼型妖獣。
余裕があれば他の者が狙っている敵を集中攻撃し
なるべく早く敵の数を減らすようにする。

敵を2体倒した後は標的を梅娘に。
逃走されぬ様他の者と合わせて梅娘を包囲するようにし、
無事を倒す事が出来たら、逃げられぬよう注意しつつ残りのゴーストを撃破する。

なおいつまで経っても敵がこちらに向かって来そうにない場合は
合図をした上で前衛&中衛全員で一斉に打って出る。
その後の流れは先に記した物と同じ。

【探索】
妖狐(日本大陸問わず)の手掛かりを示す物を探し
発見した物は持ち帰るorメモを取って置く。
周囲に人気はないようだし1人でも問題無いだろう。その方が効率が良いし気も楽だ。
壊滅しているといっても元は他人の住処だから、
勝手に踏み込んでしまうのは少々気が引けるが……
せめてこれ以上荒らしてしまう事のないよう注意しようと思う

リリム・ネリンセイム(迷い子・b59976)
……みんな無事かな……無事だよね。
確かめるためにもここは切り抜けないと。

最初は遠距離攻撃の届かない位置で少し散って旋剣の構えで自己強化かな。
次は敵が前に出てこなかったら合図を聞いてから攻め込んで、
前に出てきたらそれぞれ担当のゴーストを相手にする、と。
私はライターを持ったリビングデッド狙っていくよ。
梅娘さんの相手をしなくちゃいけないし、紅蓮撃は少し使うだけにしよう。多くても三回くらいかな。

リビングデッドと妖獣一体が倒せたら狙いを梅娘さんへ。
戦い方は……思いっきり紅蓮撃を使うしかないよね。
「あの、ごめんなさい!」

んー、でも、妖狐さんのアビリティって分かりやすいよね。
何かする時には耳と尻尾が出るんだもん。
早く気付けたら皆に注意しよう。
「な、何か来るよ!?」
梅娘さんを倒した後は残った敵を倒さなきゃ。
紅蓮撃がまだ使えるならここで全部使っちゃおう。

戦闘後は梅娘さんに色々聞かなきゃね

どうして村をこんな風にしたのかもあるけど……
ここにいた人達がどこに行ったのか、無事なのか。
ちゃんと謝りたいって武曲さんは思ってるんだし、叶えさせてあげたいもん。

話を聞いた後はみんな村の探索に行くけど、
私はそのまま梅娘さんの見張りにつくよ。
「あの、ごめんなさい。痛かったよね。大丈夫?」

そう言えば、この後梅娘さんどうするんだろ……

○口調
言葉の前に「あの」「その」「えと」「えっと」が付く
誰に対してもさん付け

トラウィス・カルパンテクトリ(明の明星・b64120)
何がどうなってんのか、想像ばっか先走って訳わかんなくなっちまうけど…
目の前のお姉さんがちょいとぐれーは知ってるか。
手荒くなんねぇ内に喋ってくれよ?お梅ちゃん!

【対梅娘】

俺は基本後衛。
初動は適当な前衛に白燐奏甲をかける。
他の武器エンチャントがかけられてない者にかけるのは当然。
後衛同士で幻楼火に巻き込まれない位置に移動しつつ奏甲がこなせりゃベストだな。
敵が前に出て来るまでは前衛優先で味方にエンチャントをかけ続ける。

吹雪の竜巻が届くとこまで敵が来たら、ひたすらそれで攻撃。
それと、前衛でやべぇとこまで傷を負ったもんが居る時は、幻楼火で狙われてもなるたけ他の者を巻き込まない場所へ誘導し、白燐奏甲をかけて援護。

ったく、わっかんねぇ女だな。予定狂ったんなら建てなおしゃいいだろうに。

【戦闘後】
完っ璧予想外だなー…。
まずはお梅ちゃんからなんか聞きだすとして…。
武曲、外から襲われた時に避難したり隠れ処にする様な所って、心当たり無ぇか?
あ、この辺は一応お梅ちゃんに聞こえない様にこっそりな。

あったらそこ向かうとして、
心当たりが無かったら集落中甕ん中まで片っ端から探すしか無ぇか。

もし、日本妖狐っぽい奴が居たら即保護な。
興奮してる様ならイグニッションを解いて、目線合わせて話聞いてみる。
傷とかあったら白燐奏甲とかも使ってみる。

リゼット・メルリン(幽玄実行・b64756)
状況がなかなか大変なのです。
とにかく梅娘達を倒して状況を進展させるのです。

戦闘では私は後衛になるのです。
最初に虎紋覚醒で攻撃力を上げておくのです。
次に前衛の人が敵の前衛と戦ってる様子をよく見て、
なるべく攻撃が複数の敵に当たるような感じの位置に移動するのです。
あとはひたすら龍撃砲で攻撃して敵を全滅させるのです。

攻撃する敵の順番は、最初にリビングデッド、
次に狼型妖獣の他の人たちが攻撃を集中させてる方、
その次が残りの狼型妖獣、最後に地縛霊といった感じなのです。
地縛霊への攻撃のときは位置によっては攻撃があたる場所へ移動して攻撃するのです。
梅娘はその時点で倒せて無いならそっちの攻撃にも参加するのです。

倒し終わったら確保した梅娘にいろいろと聞いてみるのです。
言っていた「予定」ってのが何か知りたいのです。
自分じゃ実力不足で七星将になれないから武曲さんを利用して自分の地位を高めようとしたのか、
じつは女王九尾直属かなにかで武曲さんを駒として上手く動かすために行動してたのか、
他の理由があるのかということなのです。

あとは村の中をあちこち探索して日記とか書置きとか手がかりが無いか探すのです。
見落としが無いようにヒューさんと組んで探すようにするのです。
植えられてた野菜の種類を見て村の壊滅時期をある程度予測してみるのです。
死体があるならちゃんと埋葬しておくのです。
武曲さんのことも励ましたり慰めたりするのです。

霜桐・海(鏡眼のミラージェイド・b65258)
○心情
里崩壊…ここまで来てこの落ちかよ…。
武曲も心中キツイだろうが、今は目の前の敵を打ち倒す他道はないか。
さて、行くか!

○隊列
中衛。基本20m全周を扱うんで敵全員を20m全周の範囲に入れておける辺りのギリギリの位置取りをします。

○戦闘
戦闘開始後、前進のタイミングは前衛にお任せ。
前衛の壁ありきで前に出て、魔蝕の霧奥義による武器封じで前衛をサポートします。
三体以上の敵に武器封じが掛かっていたら自身も前進して前衛と戦っている敵に攻撃を仕掛けます。

アビの使用条件は効果範囲に三体以上の敵がいること。
八卦迷宮陣改は戦闘後半、梅娘の逃亡などを阻止すべく梅娘を確実に範囲に捕らえて仕掛けて行きます。

アビ発動時の決め台詞は
「ディメンション・アラート!」

戦闘中、もし可能なら梅娘にこの里の崩壊が大陸の妖狐の仕業なのかと問い詰めます。

○探索
戦闘後はゆっくり探索…といきたいとこだ。
梅娘を捕らえているならリリムとディアナに見張りを任せて、俺は探索へ。
梅娘の意識があり、戦闘中に例の質問ができなかったなら改めて問い詰めます。
探索は武曲、くろ子さんとを誘って赴きます。

探索内容は、里に破壊活動が行われた形跡があるか、あればどのようなモノ、アビで行われたのかを調べます。

どうしても狂気に犯された者達の住む隠れ里が気になる。
武曲にそういった者達が里を崩壊に導く可能性はないのかと聞きたい所だ…。

ディアナ・レオンハート(見た目に騙されるな・b69566)
【心境】
「壊滅…か。まさかここまでやるとはな。ヤレヤレだな。」
しかし、この状況だと昨日今日やられたわけではなさそうだが…さて。

【行動】
悪い子には…お仕置きだ。

作戦はゴースト二体ほどを倒し敵戦力を割いたのち、梅娘を集中攻撃し撃破する。殺さず捕縛だ。この集落について、また住民の安否などを聞きださないとな。



まず互いに距離が離れているうちに散開し敵に接近する。
地縛霊の遠距離攻撃が厄介だが、…その程度にひるむオレじゃないさ。

まず狼型妖獣に攻撃を加える、スラッシュロンド改で射程内に敵がいるのならまとめてだな。
このあと梅娘も相手するのでアビは程々に。
ダメージがかさんできたらミストファインダーで回復を行う
「まだだ。まだ終わらんよ。」
狼型妖獣を片付けたら梅娘に攻撃おこなう。

「ヤレヤレだな。」
スラッシュロンド改で攻撃しつつ、逃げられないよう敵の動きには注意する。

梅娘を戦闘不能に追い込んだら残党のゴースト狩りを始める。
「さて、終幕の時間だ。」
【戦闘後】

うまく梅娘を捕獲できたらロープで縛っておくか。
戦闘後集落の調査を行うがその間オレは梅娘の監視を行う。
ここれ逃げられても堪らないシナ。
調査を行ってる間、この集落に住んでいたヒトがどこにいてどうなったのか。
なぜこの集落を襲撃したのかを尋問する。

捕縛に失敗してたらオレも調査を手伝う。
何かメッセージが残ってないか、生き残りがいないかその痕跡を探すさ。

鳳・武曲(中学生妖狐・bn0283)(NPC)
 このキャラクターはNPC(マスターのキャラクター)です。プレイングはありません。




<リプレイ>

●冷め行く炎の鎮魂曲
 熱を帯びていく想いとは裏腹に、戦場はひどく冷えていた。
 乾いた風が吹き荒ぶ、廃墟と呼ぶには形を残し、住処と呼ぶには荒れ果てた妖狐の里。雑草が生茂る畑の片隅で遊んでいた小動物たちも、触れれば崩れてしまいそうな藁に止まっていた虫たちも、異質な空気を感じ取ったのか紅葉に色づく山へと逃げていく。代わりに零れ落ちた紅が、無言のまま対峙する両者の周囲を飛び交った。
 同じ無言でも、意味合いは随分異なる。
 梅娘(メイニャン)のそれは、ニヤニヤ笑いによりもたらされるものなのだから。
 能力者たちのそれは、彼女に対する敵意からもたらされたものなのだから。
 地に倒れていた稲が突風に吹き飛ばされた時、リビングデッドと二匹の狼妖獣が駆け出した。稲が壁にぶつかる時、梅娘と地縛霊が歩きだし、能力者たちは散開を開始する。
「……」
 ただ一人、出雲・団十郎(勇気共鳴ブレイブビート・b51798)だけが足を止めた。
「武曲クン……その心、敬服に値する。……この身と刃、きっとキミの助けとなろう」
 誓いを聞き、鳳・武曲(中学生妖狐・bn0283)も歩みを止めたが、団十郎はすでに行動を再開して自らの位置へと向かっている。故に武曲は開きかけた口を閉ざし、リビングデッドたちを素早く射程に収める事で言葉に応えた。
 散開が完了し、各々自らの、あるいは大切な存在の力を高め終えている。
 梅娘も立ち止まり、前髪の隙間から能力者たちを伺っている様子。地縛霊も彼女の前方で足を止め、リビングデッドたちは駆け続けた。
(「……そう簡単に受けてくれるはずも無い、ですか……」)
 厳しく瞳を細めたトラウィス・カルパンテクトリ(明の明星・b64120)が、周囲の大気を引き込みだす。水の粒子は細かな氷に、集いて雪へと成り上がり、渦巻く風と共に戦場中に広がった。梅娘以外の敵が吹雪を浴び、偽りの炎を減じていく中、東・吉乃(伊達眼鏡の魔弾術士・b53063)の雷がリビングデッドを焼いていく。怯んだ体を武曲が狐尻尾が突っついた。フランケンシュタインB、ラディに待機を命じながら、如月・愁(煌きオータムハート・b51692)は新たな装甲を追加する。集中力を高めるリゼット・メルリン(幽玄実行・b64756)は、静かに機会を伺った。
 妖獣たちは若干速度を減じたリビングデッドを引き連れて、霜桐・海(鏡眼のミラージェイド・b65258)の生み出した霧を潜り抜ける。
「皆、行くっ!? しま……」
 残る前衛陣が団十郎の掛け声と共に前進を再開しようとした矢先、二匹の狼妖獣が跳ぶ。ヒュー・メイスフィールド(百万回生きたくも・b36152)が、紅蓮に染まる銀の赤手で右側の個体を叩き落したけれど、もう片方はディアナ・レオンハート(見た目に騙されるな・b69566)の肩に勢い良く噛み付いた。追い縋って来たリビングデッドもライターの小さな火で巫女服の袖を焼き、その後方から飛来した火弾も彼女を撃つ。
「ふふふ……そんなに広がってたら、一人を狙ってくれって言っているようなものじゃないか……?」
「……ヤレヤレだな。海に礼を言うべきか……まあ、助けは不要だ」
 仲間を手で制し、ディアナは各々が狙うべき敵を狙えと指し示す。
 よく見れば、火弾を浴びた袴の裾が焦げ落ちて全身が炎に包まれているものの、肩は布地が破けている様子も無く、袖も焦げてはいるものの崩れる様子などは微塵も無い。
「……さっきの霧、か。忌々しいねぇ……」
「な、何か来るよ!?」
 何とかリビングデッドに紅蓮の一撃を叩き込んだリリム・ネリンセイム(迷い子・b59976)が、錆びた大剣に振り回されながらも守りの構えを取っていく。その真横、リビングデッドへと攻撃を加えた古池・くろ子(スク水剣士・b55477)、団十郎らを中心に、おぼろげな炎が浮かび上がった。
 幻の炎は熱量を持たず、リリムだけを呪縛する。
 団十郎が庇い出て、くろ子はリビングデッドの背後に回りこみ影を纏いし日本刀で斬り付けた。横合いからリゼットの放った衝撃波が、ラディの電撃が、狼妖獣もろ共リビングデッドを打ち据えていく。
 氷が溶け、炎が勢いを減ずると共に、リビングデッドも崩れ落ちた。先ほどヒューに叩き落された狼妖獣も、ディアナが描く輪舞の中に消滅する。
 動けぬながらも、リリムがいち早く梅娘へと意識を向けた。
「それじゃ、次は梅娘さんへ……」
「ふふふ……なるほど、なるほど。ここは下がるべき、だね……」
「逃がすと思ってるんですか?」
「ディメンション・アラート!」
 少しだけの前進を終えていた吉乃が瞬く間に雷の弾を解き放つ。同様に前に出てきていた海が不可視の迷宮を作り出した。
 狼妖獣が足を止める。地縛霊も足踏みした。
 梅娘は踵を返す。
「……ふふふ……この痺れるような痛み、忘れないよ……?」
「っ……武曲さん!」
 風に逆らい、梅娘は逃げていく。
 風に逆らい、武曲は吉乃の要請に応える形で、海と共に声を張り上げた。
「梅娘! 里が壊滅した要因はなんだ!?」
「この里の崩壊は、お前たち大陸妖狐の仕業なのか!?」
 風に乗り、梅娘は立ち止まる。
 振り返り、言葉を風に乗せていく。
「ふふふ……その通りだよ。私がこの場所を壊滅させたんだよ……武曲、全て、キミのせいだよ。キミが、裏切ったりなんてしなければ……ふふふ……」
 不気味な微笑みを残し、今度こそ戦場から離脱した。
 残された彼らは、先を見つめ――。
「皆、意識を切り替えよう。……さて、終幕の時間だ」
 ――ディアナの言葉に引き戻され、向き直る。
 程なくしてゴーストの殲滅は完了した。彼らは意識を切り替えて、里の探索を開始する。

●見つけるための迷走歌
 落ち着いて調べてみれば、戦闘の跡がそこかしこに見受けられた。
 窪んでいる壁に、焼け焦げたような跡。扉に刻まれた裂傷に、一部が崩れた井戸の囲い……。幸いなのは、大陸妖狐のものと思しき死体が一つも見つかっていない点。積極的な破壊活動が行なわれた痕跡は無いと思える点だろうか。
(「破壊の跡は裏に隙間がありそうな壁や鍵のかかる扉に幾つか、といったところだね。隠れ潜んでいる者がいないか探したのだろう」)
 主を失った民家の中で、ヒューは白手袋越しに壁に触れて、表面を注意深くなぞっていく。付着した埃を振り払い、掌を翻して二度ほど叩いた後、若干肩を落とした様子で視線を逸らした。
 同じ民家をリゼットとリリム、武曲が探索しているが、会話は無い。床が軋む音と、手製のテーブルや椅子などを動かす音、パラパラと発見した書物をめくる音などだけが、虚しく部屋に響いている。
「……ん?」
 書物をめくっていたリゼットが首を捻り、顔を上げた。彼女が皆を呼ぶ前に、何か見つかったのか? と武曲が素早く横に着く。
「どうした?」
「これなんですけど……」
 瞳を細めたヒューが、そしてリリムも、彼女の肩越しに示されたページを覗き込んだ。
 開いたページに記されていたのは記号。あるいは、落書き。
 意味があるようでいて、意味がない。あるいはその逆。いずれにしても気になる絵図。
「他のページはいかがですかな?」
「普通ですね。多分、日記なんだと思います」
「ふむ……」
「武曲さんは、これに見覚えなんかありませんか?」
 顎に手を当てて思索を始めたヒューから視線を外し、リゼットは武曲に水を向けた。武曲もしばし思案した後、分からない、と首を振る。
 そうですか……と、リゼットは書物を元の場所へ戻していく。肩を落とした彼女たちが再び動き始めた時、ヒューが皆を引き止めた。
「丁度いいタイミングだ。まだ仮設の段階だが、可能性の高い物の整理をしておこう」
 注目を集めたヒューは、人差し指を立てていく。
「まず、戦闘の痕跡がある上に、壁を壊す勢いで探索が行なわれたと思われるのに、遺体も、おびただしい量の血が流れた痕跡も見当たらない。この点から、死者は出ていないと考えられる」
 続いてヒューは中指を立て、計らずともブイサインを形作った。
「続いて、田畑や溜まった埃などから考察するに、一年も経っているはずはない。かといって、一月やそこらとも考えがたい。今の段階では仮説にしか過ぎないが……幸か不幸か、襲撃から少なくとも数ヶ月は経っていると考えられる」
 どういうことだ? と武曲が首を傾げている。ヒューに視線を送られたリゼットが、力強く頷いた。
「梅娘が、時期に関しては嘘をついている可能性が高いってことです」
 慰めになるかも分からない、未だ確定しない過去の話。
 けれども何処と無く、武曲が肩の力を抜いてくれたような気がした。

 ――すまない。そういう場所があるような記憶はあるが、案内できるほど確かなものではない。
 ――引退した妖狐は別の村に引っ越すので、それは無い。
 外から襲われた時に避難したりするような場所に心当たりは無いか? そうトラウィスが尋ねた際に、また、狂気に囚われた日本妖狐が里を崩壊に導く可能性は無いか? そう、海が尋ねた際に武曲が話してくれた返答が、僅かばかりの希望となっていた。
 すでにかなりの時が経ち、探索を終えた面積も半分を超えている。未だ具体的な証拠が見つからず焦らないでも無いけれど……と、トラウィスは簡素な棚から茶碗風の土器を拾い上げた。
 幼い子供が使うような、片手にすっぽりと収まってしまう小さな土器。外にあった釜戸で焼いたのだろうと、トラウィスは窓に視線を移す。釜戸の姿は見えないけれど、青い空が、太陽を薄く隠す白い雲が、山々に広がる紅葉が、酷使していた瞳を優しく癒してくれた。
(「……さて、それじゃ……」)
 視線を外し、棚の土器を床に置いていく。空になった棚を持ち上げて、下に何も無い事を確認し、肩を落として元の状態に戻した。
 踵を返し入り口へ向かえば、切り裂かれた扉が視界に映る。
(「……しっかし、わっかんねぇ女だな。予定狂ったんなら建てなおしゃいいだろうに……」)
 頭をかきながら脱出し、次の民家へ足を向けた。
 道中、くろ子、団十郎、愁の三人と遭遇する。
「おう、どうした?」
「ん? ……ああ、トラウィスか」
「偶然探索を終えるタイミングが同じでね、休憩ついでに情報を交換してたんだ」
「トラウィスクンは何か見つけた?」
 いいや、とトラウィスは諸手を挙げる。お前達は? と問い返された愁も、芳しい成果は無いと瞳を逸らした。袋を片手に持つくろ子も、静かに首を振っている。
「その袋は?」
「一応、書類や書物の類を入れてきた。何か分かるかもしれないと思ってな」
 言葉とは裏腹にさして期待していない風なのは、具体的な情報が含まれていないからだろう。皆と共に溜息を吐いたトラウィスは、視線を今ヒューたちが探索しているであろう方へと向けていく。
 リリムが緑髪をなびかせながら、彼らの元に駆けて来た。
「どうした?」
「えっと、半分ほど終わったから、一回集まって休憩しながら情報を交換しないかって、吉乃さんとヒューさんが……どうかな?」
 どうやら、仲間と遭遇した際に考える事は一緒らしい。
 気力はあるが精神的に疲労している可能性を考えて、四人とも提案を受け入れた。

●集めるための追走曲
 集った場所は、里に中心に位置する小さな広場。藁が散らばっていたり、板が突き刺さっていたりと見る影も無いけれど、雪の日などには子供たちがはしゃぎまわる遊び場だったのだと武曲は語った。
 彼らは各々のスタイルで休息を取りながら、集めた情報を交換した。死者はいないだろう事、時期は数ヶ月前であろう事など明るい仮説はあるものの、未だ肝心要の日本妖狐の具体的な行き先に関する情報は発見されていない。
 会話は弾まず、空気は重い。気休めにしかならない事が分かりきっていたから、落ち着かない様子で未調査の家を眺める武曲にかける言葉も見つからない。
 風だけが、意味ある音として響いていた。運ばれていく紅葉だけが、意味ある色として駆け抜けた。
「……すみません、少し宜しいでしょうか?」
「私からも、少々話したい事がある」
 髪の先端を左手でいじくりながらくろ子の集めた書物を眺めていた吉乃が顔を上げ、ほぼ同時に発言したヒューに視線を向けていく。ヒューは考える素振りを見せた後、促すようにお辞儀した。
「レディーファーストと行きましょう。それに、恐らく……」
「結論は一緒、ですね。分かりました、ありがとうございます」
 吉乃も軽く頭を下げた後、静かに語り始めていく。
「これは、探索を進めていく内に思ったことなのですが……もし、具体的な情報が残されていたとしたら、大陸妖狐が入手してしまっているのでは無いでしょうか?」
 風が止まる。紅葉が地に落ちた音が響くほどの沈黙の中、吉乃は更なる言葉を続けていく。
「しかし、もし大陸妖狐が入手していないのなら、二つの可能性が浮上します」
「そんなものは存在しないか」
「あるいは隠された形で残されているか、か」
 溜息を吐くようなくろ子と海の呟きに、吉乃もヒューも頷いた。愁はみるみる瞳を輝かせ、考え込んでいる武曲に笑顔を贈る。
「武曲さん、良かったねっ」
「……すまない、話が」
「色々持ち帰って、パズルみたいに組み合わせれば、分かる可能性が高いってことだよ!」
「っ! ……それじゃ……っ!」
 今まで、他愛の無い落書きと見逃してきた物質が輝き出す、希望の言葉。
 金色の瞳が見開かれ、ぼんやり揺らぎだす。端に溜まった水滴が輝いた時、彼女は席を外すと呟き踵を返した。
「待って下さい!」
 駆け出そうとした彼女の体を、リゼットが優しく強く抱き締める。
「いいんですよ、泣いても。辛い時、悲しい時、嬉しい時……泣いてしまうのは、ちっともおかしいことじゃありませんから」
「……そうだな。探索の他に今はこのくらいの協力しかできないが……仲間の涙を受け止めるくらいの事は、してやりたい」
 微笑むくろ子が見守る中、武曲は肩を震わせ立ち止まった。振り向くことは無かったけれど、ありがとうの言葉と共に空を仰いだ瞳からは、小さな煌きが零れ落ちて――。

 武曲が落ち着いたのを見計らって、ディアナが再開を促した。
 トラウィスが、くろ子が探索した場所以外はもう一回行かなきゃならないなと冗談交じりに肩を落とした折には、全員でやれば早いと団十郎が武曲の肩を叩いて行く。彼女が力強く頷いた折には、重い物はラディに任せてと、愁が改めてアピールした。
 明るく、軽快に探索は進んだけれど、予想通り具体的な情報は見つからない。
 だけど希望の欠片は、過剰なほど袋に収めてある。
 そろそろ陽も陰り、暗くなっていく時分。早々に下山しようと、ディアナが音頭を取って歩きだす。
 向かう先は銀誓館。
 一抹の不安押しのけて、希望だけを胸に抱き妖狐の里を後にした。
 山間から注ぎ込む優しい陽射しを浴びながら。
 明るい未来へと導かれていくかのように。


マスター:飛翔優 紹介ページ
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知 的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2009/11/20
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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