釜山火災 粉じん爆発可能性低い 現地警察見方
【釜山=高橋雄介、前田泰広】韓国・釜山市の室内射撃場火災で、釜山中部警察署捜査本部の幹部は本紙の取材に対し、空気中に一定程度充満した火薬の残りかすやほこりに引火する「粉じん爆発」が起きた可能性について、「現段階で可能性は100分の1」とし、粉じん爆発の可能性は極めて低いという見解を明らかにした。
火元の射撃室内は発生時に無人だったことも新たにわかり、原因究明には時間がかかる見通しになった。
捜査本部は火元は射撃室とほぼ断定したが、射撃室は当時無人だったことがわかった。休憩室にいて、一命を取り留めた笠原勝さん(37)も捜査本部に「知人と男性従業員が射撃室から出た直後、火災が起きた。射撃室にはだれも残っていなかった」と説明した。現場検証で射撃室から爆発を起こした物質や可燃性ガスは検出されなかった。
労働安全衛生総合研究所の山隈瑞樹・上席研究員も「視界不良になるほど粉じんが飛散しなければ爆発は考えにくい」と話す。
粉じん爆発以外の可能性について、現場の捜査員は19日午前、何らかの火が出入り口から流れ込む空気で一気に燃え上がる「バックドラフト」の可能性を指摘。「密閉された射撃室で発火し、ドアが開いて酸素が流入し、急激に火勢が強まった可能性もある」と話した。
(2009年11月19日 読売新聞)