(財)日本ユニセフ協会 各位 大変お世話になっております。 私たちNGO連絡網AMIは、主に「マンガ関係者の立場」から、「架空の創作表現規制に反対」する活動を行っています。 また、市民として、広範な「市民的自由の観点」から、「公権力などによる、過度なプライヴァシーの侵害行為」についての反対活動を行っています。 そこで、貴協会が主催されている、児童買春等禁止法改正に関するユニセフ公開セミナーについて、質問があります。 第1回目のセミナーの内容については、私たちのホームページにて報告させていただいております。(下記URL参照) http://picnic.to/~ami/repo/3224.htm そこで、第1回セミナーの後、日本ユニセフ協会の森田様より私宛に、第一回セミナーでの発言内容を議事録としてホームページにまとめるので、文章を確認してほしい旨の連絡をいただきました。 大変、ありがたい申し出に感謝しつつ、いくつか細かな相違がありましたので、下記の通りに修正をお願いいたしました。 ◆◆原文まま◆◆ お世話になっております。 NGO連絡網AMIの八的です。 先日のセミナーでは、私たちの為に多くの時間を費やしてしまい、申し訳ありませんでした。 ご連絡をいただきまして、ありがとうございました。 私共の方で、セミナーに参加させていただいた者数名に議事録の該当箇所について確認を取りました。 そこで、3点ほど、小修正をお願いしたい箇所があります。 以下の通りです。 >(1) 八的暁(連絡網AMI代表) >架空のキャラクター表現に関して二つ質問。「実写同様にリアル」な画像とある >が、「リアル」とは何を基準とするのか。漫画は紙に書かれた線であって、そう >いったものをいかに「リアル」と判断するのか?また子どものキャラクターにつ >いてどのような線引きをしていくのか、教えてください。またコミックによる性 >表現が児童買春、児童ポルノを助長するとありますが、漫画に悪影響があるとい >う前提に基づく議論について異議があります。 「(1) 八的暁(連絡網AMI代表)」の部分を、「(1) 八的暁(NGO連絡網AMI代表)」としてください。 また、私の質問内容に関しては、下記のような記述の方が、より真実に近いものと思います。 八的「架空のキャラクター表現に関して二つ質問。「実写同様にリアル」な画像とあるが、「リアル」とは何を基準とするのか。漫画は紙に書かれた線であって、そういったものをいかに主観的にではなく「リアル」と判断するのか、その根拠を教えてください。また子どものキャラクターについてどのような線引きをしていくのか、教えてください。またコミックによる性表現が児童買春、児童ポルノを助長するとありますが、漫画のみが殊更に「悪影響がある」という前提に基づいて議論されている現状について異議があります。」 >(3) 山口貴士(弁護士、東京弁護士会) >コミックについて。紙に書かれた絵に年齢はあるのか?「助長する」とあるが、 >犯罪であることを架空で楽しむことはメディアの規制の根拠となりうるか? こちらは直接、山口弁護士に訊いてみました。 山口氏によれば、セミナーでの質問は、下記の通りだったということです。 山口「児童ポルノ法は、児童を18歳未満として定義するが、紙に書かれた絵に年齢はあるのか。また、犯罪を助長するという理由から表現を規制することを認めれば、たとえば殺人をテーマとしたサスペンスやスリラーものなども規制されるということになりかねないが、ファンタジーとして犯罪を楽しむことも犯罪としてよいのか。」 >野田先生の答え >コミックに関しては今後の方向性としてあまり多めに含む予定はない。もっと重 >要なことから手をつけていくべきである。コミックの議論は3年前の法成立のと >きからあったことから、問題意識を持っている人の多さは実感している。しか >し、もともとこの法律を成立させた背景には売春では買う人にとって犯罪にはな >らないが、児童の場合買春という言葉で買い手の行為を犯罪とするという児童擁 >護の原則がある。 >また、セルフヌードの写真を撮った児童の場合という質問があったが、これは頒 >布目的であれば処罰の対象ともなり得る。これについて会場から補足説明があれ >ばお願いしたい。 私の記憶によりますと、野田聖子議員の回答は、「コミックに関しては今後の方向性としてあまり多めに含む予定はない。」というものではなく、「コミックに関しては現在議論が続いているが、事務局長預かりの試案には含まれていない」というものだったと記憶しています。 論理的に考えて、コミック規制については「盛り込む」か「盛り込まない」かしかありえないので、「多めに含む」という「量的な表現」はおかしいですし、そのような曖昧な回答があれば私たちも覚えていた筈で、後に話題になっていたものと思います。 いただいた議事録文案の「今後の方向性としてあまり多めに含む予定はない」という記述ですと、野田先生のコメントのニュアンスが変化してしまうと思われますので、修正をお願いいたします。 以上、お忙しいところ、細々と注文をつけてしまい、申し訳ありません。 公開セミナーの報告は、現在、私たちも鋭意作成中にあります。 近日中に、AMI-Webなどで公開いたします。 こういったセミナーの様子を広く公開していくことは、私たちの活動に関心を持つ人々に、児童の人権について思考するための、良い機会になると信じます。 色々と意見の不一致などあるでしょうが、こうした議論を積み重ね、人々に知らせていくことが、架空の創作表現を行う私たちの、社会的な責任ではないかと思っています。 今後とも、どうぞよろしくお願い申しあげます。 NGO連絡網AMI 代表理事 八的暁(拝) ◆◆ここまで◆◆ 上記のようなお願いをさせていただきましたが、私どもの知る限り、貴協会は、第1回目のセミナーの議事録をいまだに公表しておられないご様子です。 前回のセミナーに参加した私どもは第2回セミナーの案内については、手配違いであろうと思いますが、残念ながら頂いておりません。 主催者である貴協会のホームページにおいても、第2回セミナーの案内は、一切しておられなかったと記憶しております。 また、先の第1回セミナーの後、私は森田様より「この議事録は完成次第、当協会のHPにアップすることになっています。(原文まま)」というメールをいただきましたが、第1回セミナー議事録の掲載は、どうなっておりますでしょうか。 ご多忙であることは重々承知致しておりますが、いつ頃までに貴協会のホームページにて公表されるか告知を願えませんでしょうか。 もしこのまま、議事録を公表されなかった場合、貴協会は世の人々から、「自らが主催した児童買春・児童ポルノ禁止法改正に関するセミナーにおいて、また、その前に行ったであろう準備などにおいて、子どもの人権の保護のために多くの人々が支払った努力を、無に帰そうとしているのではないか」…というような、いわれなきそしりを受けぬとも限りません。そのようなことは、有益なセミナーに参加させていただいた私どもといたしましても、到底望ましいこととは思えません。 また、NGO連絡網AMIとは別の組織名にて第2回セミナーに参加させていただいた私どものスタッフの報告、及び、インターネットによる第2回セミナーの報告(下記URL参照)や、前述の議事録の件のようないきさつを鑑みますと、深刻な貧困や虐待に苦しむ子どもたちを救済するための世界的な機関である貴協会が、世の人々から、「極めて不適当な行為を行っている団体である」などと思われかねない危険性があるという指摘が、各所で見られました。 無論、私どもNGO連絡網AMIといたしましては、よもや貴協会にそのような、反社会的とも受け取られかねない不適当な意図は無かろうと信じておりますが、出来ますれば下の質問に速やかにお答えいただくことで、今後、貴協会に対して寄せられかねない「言われ無き疑い」を、この機会にお晴らしいただけるのではないかと愚考します。 参考リンク 「児童買春等禁止法改正に関するユニセフ公開セミナー」(2003年6月9日)の報告と疑問点 2003年6月10日 平野裕二 http://homepage2.nifty.com/childrights/yujihirano/opinions/sexualrights/seminar030609.htm 以下のように質問いたします。 1・第1回セミナーの議事録が発表されないのは、いかなる理由によるものですか。 2・第2回セミナーの案内が日本ユニセフ協会ホームページ上に告知されなかったのは、何故ですか。 3・第2回セミナーの案内の送付先は、どのような基準にもとづいて選ばれたのですか。第1回セミナーに参加した私どもに案内をお送りいただけなかったのはなぜですか。 4・貴協会の「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び保護等に関する法律」の改正に向けた要望書について、私どもは独自に意見書を作成いたしましたが、それについては、どう思われますか。(下記URL) http://picnic.to/~ami/repo/k_ikensyo.htm 以上4点です。 なお、この質問状は、先述のような懸念に対して、広く耳目を集める必要性があると判断し、公開質問状とさせていただきまして、私どものホームページにて既に掲載しております。 ご多忙の折、甚だ不躾とは思いますが、かけがえのない子どもたちの人権を守る活動にとって、非常に重要なことだと思われますので、速やかにご返答をお願いしたく存じます。 重ね重ね、どうぞよろしくお願い申しあげます。 連絡網AMI http://picnic.to/~ami 東京都杉並区阿佐谷北1−9−20−105 山本方 NGO 連絡網 AMI 代表者代表理事 八的暁(マンガ家/映画製作者) 理事 山本夜羽(マンガ家) 要友紀子(港区男女共同参画推進委員/三重大学非常勤講師) 鎌倉圭悟(マンガ家) 山口貴士(弁護士/東京弁護士会) 砂(マンガ家) |