北朝鮮関連船舶の貨物検査を可能にする法案など、政府が今国会に提出した法案が20日午前、衆院の各委員会で相次いで審議入りした。与党は同日中に日本郵政などの株式売却凍結法案を含め計11法案を委員会で採決したうえ、24日の本会議で衆院を通過、会期末の30日までの成立をめざす。しかし、わずかな審議時間での採決強行が続くことになり、野党側の反発は強まりそうだ。
20日未明の衆院本会議では、中小企業や住宅ローン利用者を対象に、金融機関に借金の返済猶予を促す「中小企業等金融円滑化法案」(返済猶予法案)が、自民、公明両党が欠席する中、与党と共産党の賛成多数で可決、参院に送られた。同日午前の委員会も野党が欠席する中、法案審議が始まり、衆院法務委員会では裁判官報酬法改正案など3法案が、衆院厚生労働委員会ではインフルエンザ対策特別措置法案が与党などの賛成多数で可決された。
与党が衆院財務金融委員会で返済猶予法案の採決を強行したことを受け、自民党が提出した松本剛明議院運営委員長の解任決議案は20日未明、与党の反対で否決された。
また、同日午前に予定されていた参院本会議は中止となり、返済猶予法案は同日の財政金融委員会で趣旨説明が行われた。与党はその他の政府提出法案も含め、26日に参院の各委員会で採決し、27日の参院本会議で成立させたい考え。自民、公明両党は審議に応じない構えで、終盤を迎える国会が紛糾する可能性がある。