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2009年11月19日(木) 19:15 |
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装飾の剥落は30年以上前から
先月、紋様が剥がれ落ちるなどの傷みが見つかった千足古墳の続報です。 実は劣化は30年以上前から始まっていたことがわかりました。
千足古墳の石室。 先月、調査のため水を抜いたところ、石室に刻まれた紋様に激しい傷みが見つかりました。 直弧文と呼ばれるこの紋様は、古代吉備と九州とのつながりを示す貴重な手がかりといわれています。 紋様はいつ頃から痛み始めていたのか。 千足古墳の石室のレプリカが吉備路郷土館にあります。 石室の調査を続ける岡山大学の新納教授。 レプリカを前にしてあることに気がつきました。 レプリカが作られたのは今から30年以上前のこと、既にこの頃から一部で劣化が始まっていました。 レプリカが作られるよりさらに50年以上前、大正の時代に石室内を写した貴重な写真が古い資料に残っています。 1923年に京都大学の研究チームが撮影したものです。 そこに写っているのは綺麗な直弧文。 劣化は見当たりません。 80年前の段階では最高の状態だった直弧文。 それが現在は、激しく痛んでしまっています。 剥落の原因は何だったのか、そして今後はどのように保存していくのか、調査が急がれます。
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