乳歯が抜けたら
(子供の歯が大人の歯に生えかわるために抜けたとき、どうする?)一人ひとりはその文化の全体の代表ではもちろんない、その文化の一部の代表にすぎない。他にもいろいろな方法がその国にはあるだろう。そう思って読んでいただきたい。
知り合いに外国人がいる人はぜひ聞いてみてください。
同じ国でも違う習慣があったり、まだここでは紹介していない習慣をお聞きになったら、知らせていただけたらありがたいと思います。
「この国はこれだけ」、と見なさないでお楽しみください。
下の歯は屋根の上に投げ、上の歯は縁の下に投げ入れる。
上の歯は下に、下の歯は上にすくすくと伸びていくように願って。
(違う習慣や解釈があったら教えてください)
子供の歯が抜けたとき、下の歯は屋根に、上の歯は床下に投げますが そのときおまじないの言葉を言います。下の歯のときは“おーにのはとかわれ”(鬼の歯と変われ)上の歯のときは“ねずみのはとかわれ”といいながら投げます、歯の抜けたその子にさせます。 |
racersmamさん、Multiculturalpediaの制作にご協力いただき、ありがとうございます。 |
上の歯も下の歯も家の上に投げる。いろいろな国の教え子と表参道のカフェで話した。
日本と同じ。
韓国からこの考えが日本に伝わったのだろうか。中国の人にも聞いてみなければならない。
夜寝るときに子供は抜けた歯(乳歯)を枕の下に入れて寝る。
寝ている間に妖精が来て取っていく。翌朝、子供が見ると枕の下にはお金がある。いくらぐらい?「僕の子供の頃は1ドルぐらいだった。」
寝ているときに子供を起こさないで枕の下の歯をとるのは大変じゃない?
「妖精のすることだから。」
アメリカと同じで夜寝るときに子供は抜けた歯(乳歯)を枕の下に入れて寝る。
寝ている間に妖精が来て取っていく。お金じゃなくてプレゼントを置いていく。「どんな?」
「おもちゃの車とかそういう小さいプレゼント」
アメリカと同じで夜寝るときに子供は抜けた歯(乳歯)を枕の下に入れて寝る。
寝ている間に妖精じゃなくてネズミが来て取っていく。ちゃんとお金も置いていく。「先生、ネズミってなに?」
ミッキーマウスは大きいネズミ。ふつうのねずみはもっと小さいよ。このくらい。妖精もネズミも歯を取っていってどうするんだろう。
イスラエルの人に聞いた。
イスラエルでも枕の下に入れるの?それとも家の上に投げるの?「どちらもしない」
何をするの?
「何もしない。小さい箱に入れて取っておく人もいるけど。」
偶像崇拝に厳しいところだから、妖精とかネズミはいないのかもしれない。
モンゴルの人に歯が生えかわったら抜けた歯(乳歯)を屋根の上や縁の下に投げるかどうか聞いた。「モンゴルでは歯が抜けたら、若い犬にあげます」
あげます?
「ええ、モンゴルでは犬は尊敬され、守り神なんです。
抜けた歯(乳歯)を肉の脂肪の部分に入れて若い犬に食べさせます。
守り神である犬が食べると丈夫な歯が育つ、と言われています」
ああ、だから若い犬なんだね。年老いた犬だと喉に詰まらせてしまうかも知れないからだね。
ソールズベリーに親子でホームステイしていらっしゃた方に教えていただいた。
ちょうど娘さんが歯が生え変わる時期だったそうで、ホームステイ先のご夫婦は娘さんにこういったそうだ。
「その歯(乳歯)は大事に枕の下に入れておきなさい。枕の下に入れて寝ると、コインに変わるから。」貴重な情報をご提供いただいたことに感謝いたします。
オーストリアのウィーン大学の日本語クラスの学生の方々に手伝っていただいた。
ハンガリーの学生によると、「お父さんが水の入ったびんに入れてとっておいたら、2年くらいで溶けてしまった」そうです。(これは、一般的なことではないかもしれない)という先生のコメント付きです。
Multi-Cultural-Pediaに個人の習慣かもしれないこの情報を載せることについては少しも迷いません。ハンガリーのお父さんが愛する子どものことを思ってした微笑ましいエピソードであることには変わりありませんから。ハンガリーの人がとても身近に感じられるエピソードではないでしょうか。
Multi-Cultural-Pedia(異なる文化を楽しみながら学ぶ事典)は世界のいろいろな風習を紹介します。そしてそのさまざまな風習をつくったのは、私たちと同じく、悲しいことには悲しむし、うれしいことには喜ぶ人間だということを伝えたくて生まれた事典です。
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乳歯が抜けたらどうする? スペイン1
オーストリアのウィーン大学の日本語クラスの学生の方々に手伝っていただいた。
スペインでは「枕の下に入れておくと、夜ねずみが来て歯を持っていき、代わりにお金(コイン) を置いていってくれる」そうです。
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乳歯が抜けたらどうする? スロベニア1
オーストリアのウィーン大学の日本語クラスの学生の方々に手伝っていただいた。
スロベニアでは「枕の下に入れておくと、夜ねずみが来て歯を持っていき、代わりにキャンディを置いていってくれる」そうです。
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乳歯が抜けたらどうする? イタリア1
オーストリアのウィーン大学の日本語クラスの学生の方々に手伝っていただいた。
イタリアでは、「記念としてとっておく(臍の緒のように、ただとっておくだけ。ちなみに、日本では臍の緒を取っておくという話しをしたら、皆ゲーッと言っていた)」そうです。
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乳歯が抜けたらどうする? オーストリア1
オーストリアのウィーン大学の日本語クラスの学生の方々に手伝っていただいた。オーストリアでは「ペンダントにする」「キーホルダーにする」「上の歯は家の下に、下の歯は屋根の上に投げる」そうです。
あれっ、「上の歯は家の下に、下の歯は屋根の上に投げる」って日本と同じだ。
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乳歯が抜けたらどうする? ナイジェリア
ナイジェリアの歯(乳歯)についての習慣をO.B.S. Internationalから転載の許可を得てMulti-Cultural-Pediaで使わせていただきます。(この文章の著作権はO.B.S. Internationalにあります。)
あっ、歯が生えた!
ナイジェリアには、歯について面白い習慣があります。
赤ん坊が7,8ヶ月くらいになると歯が生えてきますが、父親でも母親でも単なる知人でも、その赤ん坊の歯を 最初に見つけた人が、赤ん坊にプレゼントをあげなくてはいけないのです。
プレゼントは"Durable thing(長持ちするモノ、永続性のあるモノ)"でなくてはいけません。 駄菓子とかミニ四駆とか、流行っているからたまごっち・・・とかではダメです。 普通ナイジェリアでは雌牛や羊・ヤギ・鶏などが送られます。食べるためではなく、子供を産ませて殖やし、 将来その赤ん坊が大人になった時、売って儲けることが出来るようにと考えてのことです。
また、歯を見つけたとき、その人は「歯が生えてきた」と口に出してはいけません。 ではどうやって他の人に伝えるのかというと、「口の中からナニカが出てきた」と言うのだそうです。 ナニカったって、口の中から出るモノといったらヨダレか歯ぐらいしかないですよね。
もし「歯が生えてきた」と言ってしまった場合、その人はプレゼントを通常の2倍贈らなくてはいけません。 金欠の時にうっかり歯など見つけようモノなら、大変なことになってしまいます。
ところで、うちのムスコは5ヶ月のお誕生日の3日前に歯が生えてきました。
発見者は夫です。夫はナイジェリアの決まりを忘れて「あっ、歯がでてる!」と口走ってしまいました。 これでムスコは2倍のプレゼントを受け取れる事になりました。つまり"Double durable present"と言うわけです。 早口言葉みたいですね。今、夫はムスコに何を贈るべきか、とても悩んでいます。
何を贈ってもらってもいいけれど、家の広さを考えて、出来れば雌牛は避けてもらいたいなぁ・・・と、妻は思っています。
O.B.S. Internationalのご協力に感謝いたします。
抜けた歯とねずみ
皆さんは歯が抜けた時、その歯をどうしますか?
うちの母は子供の歯が抜けると、上の歯は縁の下、下の歯は屋根の上に投げて「ねずみのように強い歯になーれ」とおまじないを唱えました。 上の歯は下に向かって、下の歯は上に向かって生えるからです。 日本全国共通のものなのかどうかは知りませんが、この習慣を知っている人は結構多いようです。
ナイジェリアでは、抜けた歯を屋根裏に隠すそうです。 その時にやはりおまじないを唱えるのですが、その内容が日本とはちょっと違っています。いわく、
「ねずみさん、ねずみさん、どうかこの歯を食べないで下さい。食べられてしまったら、私には新しい歯が生えてこなくなってしまいます。 もしあなたが私の歯を食べたら、私は家中探してあなたの家族を皆殺しにします」
・・・おまじないというよりは、脅迫に近いものがあります(笑)。 でも、食べられてしまったら新しい歯が出てこない・・・という発想がユニークで楽しいと思いませんか?
それにしても、遠く離れた日本とナイジェリアに「抜けた歯とねずみ」を結び付けるよく似た習慣があるなんて、ちょっと驚きですよね。
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乳歯が抜けたらどうする? 中国1 (四川省)
抜けた歯について 抜けた歯をどうするかということですが、中国四川省出身27歳の男の人の話によると、日本と全く同じでした。
下の歯は屋根の上へ、上の歯は縁の下へなげるそうです。
彼いわく、漢字と一緒に日本人に教えたのさ、ハハハとのことです。
こんなに広い地域に、しかも海を隔てて同じ習慣があるなんてなんだかへんな感じです。
1999年 8月10日(火) まなみさん
この習慣は韓国のみならず、中国(少なくとも四川省の彼のまわり)でも広く行われていることなのですね。 韓国、ベトナムの類似の習慣も考え合わせると彼の言ったとおりかもしれません。「抜けた下の歯は屋根の上へ、上の歯は縁の下へ投げる上の歯は下に、下の歯は上にすくすくと伸びていくように願って」
この習慣からは子の健やかな成長を願う大人の気持ちが伝わってきます。枕の下に歯を置く習慣からも同じ気持ちが感じられます。
抜けた歯を持ちながらおじいさん、おばあさん、親、兄、姉などが子供に優しく語りかけている姿が、時代を越えて、国を越えて、まぶたに浮かびます。
とても幸せな気持ちになれました。ありがとうございました。
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乳歯が抜けたらどうする? ベラルーシ1
上の歯、下の歯、関係なく、家の中で抜けた歯を持って立ち、前を見たまま背中越しに後ろへ放り投げます。それをネズミに拾ってもらうそうです。(お金などはくれません。)ありがとうございました。感動しました。多くの文化圏で子供の成長に対して何らかの行為で心を表していることがわかっただけでもその文化圏の人々に親しみを感じるものですね。
昔の場合、家にネズミがいて、本当に拾っていったのかもしれませんが、現代ではネズミが住んでいる家、というのもあまりないので、とりあえず放っておいて、後で箒とちりとりで他のゴミや塵といっしょに集め、そのままごみ箱に捨ててしまうそうです。(^_^;)
ついでに教えてもらったのが、「歯の抜きかた」。
抜けそうな歯に糸を巻き、その先を部屋の内側にあたるドアノブにくくりつけます。そして、そのままドアを閉め、その近くに黙ったまま立って、誰かが入ってくるのを待ちます。で、何も知らない人が部屋に入ってくるとき、ドアが動き、糸に引っ張られて、歯が抜ける・・・という凝ったことをするそうです。
(しかし、何時間待っても誰もドアを開けようとしなかった場合は、どうなるんでしょうねえ。口から糸をだらーんと出したまま、ボーと待ち続けないといけないのでしょうか・・・。)
ちなみに、この方法はウクライナでもやってるそうです。
2000年7月2日(日) 「ベラルーシの部屋」のTさん
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乳歯が抜けたらどうする? アメリカ2
子供の頃に読んだアメリカが舞台の子供向けの本で、母親に歯を抜いてもらった少年が
「ちゃんととっておいてよ。後で枕の下に入れておくんだから。」それを聞いた父親が、
「お前のおじさんの国では上の歯を抜いたら床下に放り投げるんだぞ。」と。
残念ながらそのおじさんの国は失念しましたが、たしかヨーロッパではなかったかと。
2000年10月24日(火) 狐の悠さん 子供の歯(乳歯)が抜けたときの習慣はいろいろ考えさせられるものがありますし、年長者が子どもに寄せるあたたかい気持ちが国を越えて伝わってくるような気がします。これからもいろいろな方々から教えていただきたいと思っています。
どうも有り難うございました。乳歯が抜けたらどうする? 歯の妖精 カナダ1
カナダ在住です、
最近子供の歯が抜け替わりました、
どこから情報を仕入れてきたのか・・枕の下に抜けた歯を置いておくと、歯の妖精がきて、お金かプレゼントをくれるんだよって・・。
多分情報元は夫の両親でしょう。アメリカ、フランスの間なのかな。
「歯の妖精は歯を持っていってどうするの?」と聞いたら、
歯を使ってお城を建てるそうです、煉瓦がわりのようですね。
2003年8月2日(土) るみさん るみさん、Multiculturalpedia(多文化理解事典)の制作に加わっていただき、ありがとうございます。
「世界の 子どもの歯(乳歯)が抜けたとき」は
Multiculturalpediaの中でも最も楽しいトピックの1つです。
るみさんのおかげでもっと楽しくなりました。ありがとうございます。
丈夫な歯が育ちますように。
るみさん、これからもどうぞよろしくお願いします。Multiculturalpedia
多文化理解事典に戻る 乳歯が抜けたらどうする? ドイツ1
記事を書くにあたって、「おもしろ歯の博物誌」(創英社/三省堂書店 斎藤安彦 著)という本を読んだのですがそこには、ドイツでは「ネズミよ、私の歯の代わりにあなたの鉄の歯をくれ」といいながら抜けた歯をストーブの裏から後ろ向きに投げるとそのとおりになると言われているとかかれてありました。
必ずしも乳歯が抜けたとき、ではないようですが。。。2007年5月15日(火) あゆこさん あゆこさん、ありがとうございました。多文化のおもしろさを感じることのできる天性の才能、アンテナを持った人がいると主張するスタッフがいますが、あゆこさんもそんな才能を持った人なんじゃないかと思います。
後ろ向きに投げる、っておもしろいですね。後ろ向きに投げるともう一度戻って来られるというトレヴィの泉の言い伝えや『ローマの休日』の場面を思い出しました。
ミサンガとかいろいろな世界の願い方を集めて『世界の願いの叶(かな)え方』というページをつくってみようかと思い始めました。もし創ることができたらあゆこさんのおかげです。
あゆこさん、ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします。Multiculturalpedia
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「子どもの歯(乳歯)が抜けたときの習慣」に関するご感想など何でも、ひろばに寄せていただければありがたく存じます。