貴封じへ罰則作る…二所一門が理事選で検討

　来年初場所後に行われる日本相撲協会の理事選へ貴乃花親方（元横綱・貴乃花）ら４人が立候補を表明した二所ノ関一門が、一門の規律を破って出馬した候補者に対し今場所中にも罰則を設けることが１９日、分かった。

　同一門はこれまで、理事選に３人の候補者を擁立。無投票で当選を得ていた。ところが今回は、１８日の一門会で現職の放駒理事（元大関・魁傑）、二所ノ関理事（元関脇・金剛）に加え、新たに貴乃花親方と鳴戸親方（元横綱・隆の里）の４人が立候補の意志を明言。来年初場所中に開く一門会で、定数の「３」に絞り込むことが決まった。

　絞り込みは話し合いで行うが、すでに現職２人の出馬は確定。問題は新人の２人で、調整がついても定数から漏れた候補者が、強行に出馬する可能性もある。同一門ではこうした規律を破る候補者が出ないよう、あらかじめ罰則を設けることの検討に入った。一門のある有力幹部は「一門で決めたことが守れない人が出れば、何らかの規定を作らざるをえない。今後、複数の親方衆と話し合う」と明言。早ければ九州場所中に罰則規定を作成する意向で、最も重い規定に関し「一門から出ていってもらうということもある」と、破門の可能性に言及した。

　貴乃花親方は、１８日の一門会後に「その時が来て、その時の話し合いの状況になります」と決意を披露。一方の鳴戸親方は「これまで一門で育ててもらってきたわけだから、一門で決まったことには納得しなければいけない」と話した。罰則は、規律を破った候補者に追随した親方にも適用するという。選挙への出馬は自由。しかし二所一門は、あくまでも角界の慣例にならって、規律違反に対し断固とした措置に出る。