市橋容疑者:「違法な取り調べ」主張 弁護団が改善要請

2009年11月19日 20時51分 更新:11月19日 22時17分

送検のため千葉県警行徳署を出る市橋達也容疑者=千葉県市川市で2009年11月12日、梅村直承撮影
送検のため千葉県警行徳署を出る市橋達也容疑者=千葉県市川市で2009年11月12日、梅村直承撮影

 千葉県市川市の英国人女性殺害事件で、死体遺棄容疑で逮捕された市橋達也容疑者(30)の弁護団は19日、違法な取り調べが行われ、処遇にも問題があるとして、千葉地検と県警行徳署に改善を求める通告書を出した。千葉市内で記者会見し、明らかにした。

 菅野泰弁護士らによると、市橋容疑者は18日の接見で取り調べの様子を記したノートを持参。県警の調べについて「『親族のところにマスコミが取材に行った。お前が黙っているからだ』と言われた」という。17日の地検の取り調べでは「このまま黙秘を続ければ社会に出られない。死刑もあり得る」「黙っているなら親が死刑になるべきだ」という発言もあったという。

 市橋容疑者は「こうしたことを言ってもいいのか」と質問。接見弁護士が、違法な取り調べで、捜査当局側への通告も可能なことを伝えると、「お願いします」と話したという。会見で菅野弁護士らは「死体遺棄容疑の取り調べで死刑などという発言が出るのは問題。黙秘権の重大な侵害だ」と指摘した。

 また、市橋容疑者は絶食を続けているため医師に栄養剤のブドウ糖を注射されたことについて、「具合が悪くなった。生命が危険な状態ではない」と話したという。

 市橋容疑者は19日も食事をとらず、栄養剤の注射も拒否。菅野弁護士は「依然、事実関係は話さず、絶食の理由は分からない。黙秘の理由は少しずつ話している」と語った。

 弁護団の通告書に対し、県警捜査1課は「法にのっとり適正な捜査をしている」としている。【中川聡子、神足俊輔】

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