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坂井オーナー来季トラ年V厳命!

 球団納会で挨拶する阪神・坂井オーナー=大阪市内のホテル
 球団納会で挨拶する阪神・坂井オーナー=大阪市内のホテル

 阪神・坂井信也オーナー(61)が19日、大阪市内のホテルで行われた球団納会のあいさつで、来季の覇権奪回を厳命した。「来年はトラの年(寅年)だけにリーグ優勝、日本一の期待も高まる」と選手を鼓舞。さらに今季はタイトル獲得者、ベストナイン選出者がゼロに終わったことにも言及し「来年は“コンベンションジャック”して欲しい」とゲキを飛ばした。

  ◇  ◇

 この悔しさを忘れてはならない。静寂の会場内に、総帥の声が響き渡った。あいさつの冒頭で選手、関係者をねぎらった坂井オーナーが、ひと呼吸置いてからこう切り出した。

 「今年は悔しいシーズンに終わりました」

 と、ここまでは優勝を逃した球団ならどこにでもある言葉。しかしここからのスピーチに、総帥の覇権奪回にかける尋常ならざる思いが込められていた。

 「来季はこのマグマを爆発させるように頑張っていただきたい」

 多忙なスケジュールの中、時間の許す限り球場に足を運び続けた同オーナー。5年ぶりのBクラスという屈辱を味わった選手たちとともに、その悔しさを共有している。例年は選手、関係者の労をねぎらうことを主目的とする球団納会。しかし総帥の言葉を契機に、会は来季の覇権奪回に向けた“決起集会”の様相を呈した。

 スピーチの随所に今季ペナント、秋季キャンプにおける収穫を織り交ぜながらも、オーナーのゲキは続く。

 「来年はトラの年(寅年)だけに、リーグ優勝、日本一という声も高まります」

 来る2010年の干支(えと)を引き合いに、覇権奪回をさらに厳命。62年以来となる“寅年V”に熱い期待を寄せた。

 さらに同オーナーは、前日に東京都内で行われ、自らも来賓として出席したプロ野球コンベンションの話題にも言及。阪神から個人タイトル獲得者、ベストナイン受賞者が1人もいなかったことに触れ「来季は阪神が“コンベンションジャック”して欲しい。『これやったら(表彰を)大阪でやった方がええやないか』と言われるぐらいになって欲しいと思います」と、全選手に奮起を促した。

 今季は巨人の影さえ踏めぬままのV逸。直接対決こそ互角に渡り合ったが、投打に圧倒的な差を見せつけられ、宿敵の軍門に下った。しかし、城島の獲得に加え、自ら視察した秋季キャンプでは若手の成長を目の当たりにし、巻き返しへの手応えを感じ取った。だからこそ、その語り口はどこまでも熱くなった。

 会場に万雷の拍手が響いた。2010年をトラ一色に-。決してむちゃな注文ではない。来季はいける。総帥は、そう確信している。

(2009年11月19日)





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