平野博文官房長官は10日、アフガニスタン復興に向けた新たな支援策を発表した。今年から5年間で50億ドル(約4500億円)規模の支援を行い、うち800億円は早急に実施する。反政府勢力タリバン元兵士の社会復帰に向けた職業訓練や警察官の給与負担などが柱。自衛隊派遣は盛り込まれなかった。13日のオバマ米大統領との首脳会談で鳩山由紀夫首相が伝える。
首相や平野博文官房長官、藤井裕久財務相、岡田克也外相、北沢俊美防衛相、中井洽(ひろし)国家公安委員長が10日午前、国会内で「アフガニスタン・パキスタンに対する支援策に関する閣僚委員会」を初めて開催して決定した。
会見で平野氏は「アフガン、パキスタン両政府が支援を効果的に活用しながらテロ対策、国内経済改革に取り組むことを期待する」と述べた。
反政府勢力との長期的な和解を目指す観点から、元タリバン兵への職業訓練を行い、参加者に給料を支払う。「アフガン自身の治安能力の向上を支援する」として、警察官約8万人の給与の半額負担も続ける。農業支援なども行う。
隣国パキスタンの国境付近がテロの温床になっているため、両国一体支援を重視。パキスタン北部辺境州の安定を図ることや、同国内のアフガン難民支援を行う。【大貫智子】
毎日新聞 2009年11月10日 東京夕刊