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【政治】揺れる官房機密費 公表、金額…対応が二転三転2009年11月20日 朝刊 政府が内閣官房報償費(機密費)の取り扱いで揺れている。野党時代は使途の公開を迫っていたのに、政権を獲得したとたん、公開拒否に転じた。平野博文官房長官が、機密費の存在すら認めていなかった時期に、計一億二千万円を引き出していたことも明らかになった。野党時代の主張との整合性に悩む政権の姿が、ここでも浮かび上がっている。 平野氏は十九日の記者会見と参院内閣委員会で、九月二十四日と十月十四日に、それぞれ六千万円を内閣府会計課から、事務方が自分の名前で引き出したことを明らかにした。就任当初の会見では「そんなのあるんですか?」と機密費の存在自体をごまかそうとしていた。 使途をめぐっては「私が適切に責任を持って判断し対応している」と述べ、実際に使ったかどうかを含めて言及しなかった。今後の公表についても「支出する先方との関係、情報提供が可能でなくなれば、国益に障害が出る」と慎重な姿勢を示した。 民主党は、鳩山由紀夫首相が代表だった二〇〇一年に機密費流用防止法案を国会に提出した。法案は、機密度に応じて十年後または二十五年後に使途を公表すると明記していた。平野氏は、現在の自身の姿勢を「国民に『不透明だ』と言われるかもしれない」と認めざるを得なかった。 今回、通常なら外部に漏れるはずのない機密費の引き出しが表面化したのは、一部報道を平野氏が追認したからだ。機密費をめぐるあいまいな対応に対し、政府内の一部に不満が募っているともされており、平野氏は神経をとがらせている。 (関口克己)
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