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韓国・釜山の射撃場火災:地域おこしに取り組んだ仲間、被害家族支援に全力 /長崎

11月19日15時0分配信 毎日新聞

 ◇「彼らには感謝しかない」
 韓国・釜山市の射撃場火災に巻き込まれた長崎県雲仙市吾妻町の9人は、いずれも地域おこし団体「あづま創志会」の現・元メンバーだ。国営諫早湾干拓事業(諫干)で造られた潮受け堤防の上を走る「堤防道路」を活用した「日本一!!海上大綱引き」などユニークな企画で、過疎化が進む地域の活性化に取り組んでいた。遺体の身元確認もされ、共に地域おこしに取り組んだ仲間は、今後は残された家族の支援に力を注ぐ決意だ。【錦織祐一】
 創志会は99年の結成。現会長で写真館を経営する三浦代史忠(よしただ)さん(37)と9人は、ともに市立吾妻中の同窓生グループ「RAT’Z(ラッツ)」のメンバーで、吾妻中の先輩後輩らで創志会を結成した際、そろって会に参加した。初代会長で鉄工所経営、稲田信忠さん(40)は「一番まとまりがあり行動力があった」と頼る。
 取り組んだのは吾妻町と諫早湾対岸の諫早市高来町を結ぶ「堤防道路」の活用。「諫干は『ギロチン』の異名ばかり知られ負のイメージが強いが、上を通ってみると眺めはいい。地域の資源として活用できないか」。07年12月、道路開通にあたり海上大綱引きを企画。三浦さんが実行委員長を務めた。
 最も頼りにしたのが「RAT’Z」。「委員長は大変やっけん、何でも言うてくれろ」と大久保章さん(37)や原田洋平さん(36)らが三浦さんを助け、関係団体やスポンサー回りを手伝った。当日は約2300人が参加した。メンバーは参加者が堤防から海に落ちないよう、潮風が吹き抜ける中、警備のロープを持って立ち続けた。今年3月の第2回大会では、会を退いていた稲田篤信さん(37)も「せめて陰から支えたい」と、指導しているソフトボールクラブの子供たちを引き連れて大綱引きに参加した。
 「彼らには感謝しかない」と話す三浦さん。街づくりについては「あとは後輩を育てたい」と一線を退く考えを語り「今後は残されたあいつらの家族を支えることに力を注ぎたい」と涙を浮かべた。
 ◇不慮の死に哀悼の意表す−−金子知事
 韓国・釜山市の室内射撃場での火災事故で日本人死者の身元が確認されたことについて、金子原二郎知事は18日、不慮の死に哀悼の意を表し、「地域のまちおこしなどに積極的に活動いただいていた方々であり、遺族にとってはもちろん、地域の皆様にとっても大きな悲しみであり、まことに痛惜にたえない」とコメントした。
〔長崎版〕

11月19日朝刊

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最終更新:11月19日15時0分

毎日新聞

 

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2009年11月19日 17時00分発表

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