山本山無気力？審判部長が「警告」…九州場所４日目

猛虎浪（左）に送り出され、自ら土俵を割った山本山

　◆大相撲九州場所４日目　○猛虎浪（送り出し）山本山●（１８日・福岡国際センター）　体重２５８キロで人気の東前頭１５枚目の山本山が放駒審判部長（元大関・魁傑）から異例の警告を受けた。西前頭１３枚目の猛虎浪との土俵際で力を抜いたかのような動きで送り出された。取組後、放駒部長は「勝負をあきらめていた。よくない」と明言。次に同じ内容の相撲を取った場合は無気力相撲で監察委員会に報告することを警告した。

　山本山が警告を受けた一番は、土俵際で問題が起こった。猛虎浪に後ろに回られ送り出される時、力を抜いたかのように自ら土俵を割り、３敗目を喫したのだ。

　山本山は場所前に負傷した右ひじが「痛くて我慢できなかった。あとは分からないです」と弁解したが、猛虎浪は「最後は力を抜いたように思った」と明言。土俵下で見守った放駒部長は「けがは理由にならん。どんな状況でも勝負がつく前にあきらめるのはよくない」と断じた。その上で、今回は無気力相撲を取り締まる監察委員会への報告は否定したが「次に起きたら報告する」と警告した。

　武蔵川理事長（元横綱・三重ノ海）も「お客さんが見ているわけだから、最後まで力を抜かずに取らないといけない」と苦言を呈した。友綱監察委員長（元関脇・魁輝）は「今回の注意はない」と明かしたが、再犯なら師匠の尾上親方（元小結・浜ノ島）を通じて注意が下ることは確実。協会は故意による無気力相撲に最悪で「除名」の懲罰規定を設けている。体重２５８キロで人気の山本山。今回の一番を教訓に全力相撲で巻き返してほしい。