▲2列目中心の女性が山田さん、その右が佛原さん
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【廿日市市佐伯】「へえっ、玖島に生まれて映画監督になった人がいるんだ」―。廿日市市立玖島小学校で12月19日、学習発表会があった。6年生児童十二人が四班に分かれて玖島地区のことを調べ、見学に来た同校3年生児童に説明。日本映画初期の先覚者といわれる玖島出身の映画監督枝正義郎や、地元の豪商八田家について、昔あったという楢原城、そして玖島小の歴史など調べた成果を話した。特別ゲストとして、枝正監督の孫なども来校。一緒に聞いてもらった。
枝正監督(一八八八―一九四四)は、「西遊記」の連続活劇を撮影するなど活躍。特撮の神様と呼ばれる円谷英二を映画界に引き入れ、映画づくりの基礎を教えるなど大きな役割を果たしているといわれている。
児童たちが調べたきっかけは、地元の歴史に詳しい住民から情報が寄せられたため。ウルトラマンやゴジラなど身近なものに関係があると知って、「ぜひ調べたい!」。聞き込みなどしてまとめた感想は、「いろんな有名人とつながっていて驚いた」、「小さな玖島でもこんな人がいるとは思わなかった」と、胸をときめかせていた。
特別ゲストは、枝正監督の孫の佛原和義さん(60)と、枝正監督の兄弟の娘となる山田純子さん(72)。アメリカから帰国した佛原さんは、小学6年生の時に玖島小に遊びに来てかくれんぼをしたそうだ。「思い出のある良い田舎」と回想。「私の知らないおじいさんのことをよく調べたなぁと感心した。ありがとう」と感謝した。山田さんは、一九五〇(昭和二十五)年に同小学校を卒業した。「敗戦後で食べるものもなかった」と当時を振り返る。「きょうは良い勉強をさせてもらった」と破顔した。
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