【ニューデリー栗田慎一】アフガニスタンのカルザイ政権が進める反政府勢力タリバンとの「和解」で、05年に事業がスタートして以降、職業訓練などを求めて武装解除に応じたタリバン兵が計8400人に上っていることが分かった。政府とタリバンとの対話をつなぐアフガンの高位宗教指導者らで作る独立機関「和平合同委員会」(本部カブール)が、毎日新聞の取材に明らかにした。
和解事業は、タリバンを政府側に取り込んで戦争の早期終結を図るのが狙い。これまで具体的な成果は明らかになっていなかったが、相当数のタリバン兵が“投降”していることが確認された。
日本政府は、インド洋での海上自衛隊による給油活動に代わるアフガン支援策として、元タリバン兵の職業訓練などを決定。同委によると、今後の和解事業を進めるうえで日本の支援策に期待が集まっているという。
ただ、05年に推定1万人だったタリバン戦闘員は、米軍の空爆による相次ぐ市民の犠牲などを背景に3万人以上に膨らんでいるとされ、和解事業がアフガン安定化につながるかどうか不透明な部分も多い。
毎日新聞 2009年11月19日 22時05分