志村裕史被告 東京地裁
元日大生に無期懲役判決 東京・杉並の親子強殺
東京都杉並区で無職、野元富恵さん=当時(86)=と長男の新一郎さん=同(61)=を刺殺し現金を奪うなどしたとして、強盗殺人などの罪に問われた元日大生、志村裕史被告(24)の判決公判が15日、東京地裁で開かれた。植村稔裁判長は無期懲役(求刑・死刑)を言い渡した。
志村被告は初公判で殺意を否認。弁護側は「犯行当時は精神障害に基づく心神喪失か心神耗弱だった」と主張し、責任能力が争点となった。公判では、弁護側が請求した鑑定医が「犯行当時は、自分の精神をコントロールできない状態だった。責任能力は完全に失われていた」と報告。これに対し、検察側請求の鑑定医による再鑑定では「責任能力に問題はない」とし、結論が分かれた。
起訴状によると、志村被告は平成19年1月25日午前3時ごろ、野元さんの自宅で、富恵さんと新一郎さんを殺害、現金約4万7000円やクレジットカードを奪うなどした。
(2009年7月15日 産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090715-00000523-san-soci
志村裕史被告
東京都杉並区で07年、隣家の親子を殺害したとして強盗殺人罪などに問われた元日本大生、志村裕史被告(24)に対し、東京地裁は15日、無期懲役(求刑・死刑)の判決を言い渡した。植村稔裁判長は主な争点とされた当時の責任能力について、検察の主張を認める一方で「計画性が乏しい。前科がなく当時21歳8カ月と若く、改善、更生の余地がないとまでは言えない」と述べた。法定刑が「死刑か無期懲役」と定められた強盗殺人で被害者が複数の場合、死刑を回避した判決は異例。【安高晋】
判決は動機について「母親からもらう小遣いではパチンコ、ゲーム等の遊興費、たばこ代を賄うのに十分でなかったと言うに過ぎず、酌むべき余地はない」と指摘。さらに被害者に何の落ち度もないことや、2人の口をふさいで、ナイフで左胸を突き刺してほぼ即死させている点や2人の遺族が死刑を望んでいることも挙げ、「冷酷非情な犯行態様にりつ然とせざるを得ない。刑事責任は誠に重大」と述べた。
しかし、計画性について、志村被告がスキー用マスクで顔を隠し、全身黒づくめの格好でナイフを持って隣家に侵入した点だけは「準備は周到」と認めたが、「当初はナイフで脅して現金を奪おうと考えており、殺意を抱いたのは実行行為の直前だった」として「当初から強盗殺人を計画していない」と認定した。隣家の包丁を遺体のそばに置いて凶器と見せかけた点についても「偽装工作としては程度が低い」と述べた。
さらに、遺族あてに謝罪の手紙を書いていることや最終意見陳述で「反省している」と述べたことや、被告の家族が遺族に慰謝料を支払っていることも死刑回避の理由とした。
弁護側は「事件当時、被告は心神喪失状態だった」と無罪を主張。公判段階で2回の精神鑑定が行われ、弁護側が請求した鑑定では心神喪失、検察側請求の鑑定では完全責任能力があったと正反対の結果が出た。判決は「責任能力に影響を及ぼす状態にあったとは認められない」と完全責任能力を認めた。
判決によると、志村被告は07年1月、隣家の野元富恵さん(当時86歳)方に侵入、野元さんと長男、新一郎さん(同61歳)を刺殺し約5万円を奪うなどした。
谷川恒太・東京地検次席検事の話
死刑が選択されなかった点は遺憾。判決内容を精査し、適切に対応したい。
(2009年7月15日 毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/today/news/20090715k0000e040053000c.html
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「東京・杉並区親子強盗殺人」
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「東京・杉並区親子強盗殺人」結審
死刑回避理由は、相変わらずのご都合解釈で理解に苦しむ。
こういうこじつけ難解な判決を下すから、いよいよもって裁判員制度に迷いを与える。
法律も結局解釈の問題ですが、
特に死刑回避理由に計画性についてこじつけるのには辟易しますね。
>前科がなく当時21歳8カ月と若く、改善、更生の余地がないとまでは言えない
>反省しているし、被告の家族が遺族に慰謝料を支払っている
だから、死刑回避?
完全責任能力を認めたことは評価するとしても、
残忍で重大な犯罪結果との対比が著しく偏っている。
検察も控訴するでしょうから、高裁に期待しましょう・・・・(▼∇▼)
凶悪犯罪の結果に年齢など関係ない。
逆に若いほどいずれ社会復帰できるわけで、凶悪犯罪者による再犯の可能性が高くなるということにもなる。
そして死刑回避するためには、被告はどんな手段をもとる。
泣いて謝罪し反省を示す。
そんな猿芝居を承知していながら、回避理由にあげるのも失笑。
凶悪殺人事件で、家族が慰謝料を払ったからなどを死刑回避理由にいれるなど言語道断。
計画性については、触れる価値もない。
この公判に限らず、当然極刑が予測される事件での死刑回避理由で、
ふむ、なるほどと納得できる判決があったためしがない。
死刑回避ありきで理由を机上でこね回した都合のいい解釈。
一見、尤もらしく聞こえますが、失笑・・・・。
また、どのように育てたらこんな人間ができあがるのか、聴衆のまえで説明させろ。
志村裕史はともかく、絶対親がわるい。
コメントありがとうございます。
成人による犯罪結果に親の責任を問うつもりはありませんが、
志村裕史被告の凶悪な犯罪性向がどこで芽生え潜行してきたのか、
生育期、生育環境については検証されるべきでしょう。
それは、両親が真摯に向き合っていくべきことでしょうね。
しかし、生育期に問題があったとしても、
犯罪は犯罪結果において裁かれるもので、酌量されることがあってはならない・・・・。
わが国刑事司法は結果無価値論を採用していないのですけどね・・・
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