Re:メールにお返事
皆さんから頂いたメールの紹介や質問内容に関してのお返事をご紹介します。ご紹介に際しては、本人からの要望がない限り、必ず氏名、E-mailAdress等は非公開と致します。また、
メールを送っていただいても、必ず掲載するわけではありません。またEメールで添付された資料は、発信人が特定できたもの以外は開きません。ウイルス対策のためです。御了承ください。
FAX受信専用番号 03−5624−0030
(新聞などの記事をコピーした際に使ってください。その際、コピーした新聞の名前、掲載日、送信者の氏名や連絡方法を必ず記入してください)
2009年11月19日
日航ジャンボ機墜落で、自衛隊の特殊部隊が出動を遅らせた?
届いたメール
大変ご無沙汰しております。
すでにご存知かと思いますが、1985年の日航ジャンボ機墜落事故を取 り扱った、米田憲司「御巣鷹の謎を追う -日航123便事故20年-」 (宝島社)とい う本が今年になって出版されています。
この本では、巻末の参考文献一覧の中に神浦さんが当時「週刊プレイボーイ」に 書かれた記事を挙げています。
神浦さんもこの本の著者と同じく、公表されている以外に秘密の部隊が出動した、 自衛隊は故意に救出活動を遅らせたとお考えなのでしょうか?
ご意見などお願いいたします。 それでは
コメント
私は米田憲司氏なる人を知りません。また取材を受けたこともありません。そのような本が今年出版されたことも知りません。当然ながらその本を読んでいません。またかという気持ちです。
いわゆる日航123便の墜落事故では、インチキな本が山ほど出ています。そのほとんどが私が書いた週刊プレイボーイ誌の連載記事を引用しています。
問題はその引用の仕方です。いかにもホントらしく、「神浦氏も指摘するように1+1は2であるように、2+2は7である」というような誤魔化し方です。
何度か、そのような本を出版している編集部に電話して、抗議しました。するとW出版社では、「我々としては集英社(週刊プレイボーイの版元)と協議して、あなた(神浦)を名誉毀損で訴える」といわれたことがあります。「どうぞ」というと、それから何の動きもないので、その編集部に電話すると、「担当者は辞めました」といわれたことがあります。編集者は逃げたのです。その本は書店から回収されませんでした。
今回は自衛隊の特殊部隊ですか。彼らが救出を遅らせたそうですか。馬鹿馬鹿しくて話になりません。子供でもわかるウソです。
軍事を知らないと、このような幼稚なウソに容易に騙されます。もう馬鹿馬鹿しくてお話になりません。
その米田憲司という人は実在の人なのですか。それとも偽名の詐欺師なのですか。あとは宝島編集部に問い合わせください。私がこのように話していると伝えてください。迷惑というより、「バカ野郎!」の世界です。
2009年11月18日
嘉手納統合では基地の固定化を招く
届いたメール
神浦さん、いつも日本軍事情報センターのホームページを拝見しております。
私は、政治や軍事に関係する経歴はなく素人ですが、一時期沖縄に住んでいたこともあり、沖縄の米軍基地問題に関心を寄せる一市民です。
早速ですが、神浦さんの提唱される嘉手納統合案に、いくつかの疑問がございます。
1、神浦さんは嘉手納弾薬庫基地に滑走路を建設する案を提唱されていますが、ヘリ部隊を移駐するのに、なぜ滑走路が必要なのでしょうか?
ヘリの発着のみならヘリパットと付随施設のみの新設で充分なのではないでしょうか?
現在も普天間基地に固定翼機の離発着はありますが、嘉手納基地のF15戦闘機が減るのであれば、その分は既存の嘉手納基地の滑走路を供用すれば済むことのように思われます。
既存の基地内とはいえ、比較的緑に覆われた静かな弾薬庫と、飛行場とでは雲泥の差があります。
2、1とも関係しますが、沖縄の人々は以前からの県内紙の新聞報道などで、普天間基地ないしは新設される辺野古の基地に、安全性の面からも騒音の面からも問題の大きいオスプレイが配備されるのではないかと懸念しています。
嘉手納弾薬庫跡に新設される滑走路を持つ最新鋭の基地の存在が、辺野古への新基地建設と同じように、返って沖縄への基地機能強化・固定化を招くのではないでしょうか?
3、嘉手納弾薬庫の西側は読谷村の住宅地区になっています。宜野湾ほどの密集地ではないにせよ、多数の住宅があり、学校もあります。
ここでも、騒音や墜落などの危険、米兵とのトラブルなどの増加は避けられないと思います。
また、米軍内の安全基準を満たせるのでしょうか?
ちなみに普天間基地が米軍内の安全基準を満たしていないことについて宜野湾市が指摘しています。
「普天間飛行場の安全不適格宣言(市長コメント) 宜野湾市基地渉外課」
http://www.city.ginowan.okinawa.jp/2556/2581/2582/27873.html
4、これが最も重要な点ですが、なぜ、沖縄県外への移設が検討対象にならないのでしょうか?
神浦さんのホームページでも取り上げられておられますが、米軍自体が県内よりも県外への移転に最高の評価をしていたとの報道もあります。
例えば、翁長那覇市長や、沖縄出身の与党国会議員で作る「ゆいの会」は、既に自衛隊の飛行場がある硫黄島への移転を提案しています。
その他、本土の既存の自衛隊基地や米軍基地やその他の民間空港への統合、またハワイや米国本土への移転なども、検討すべきではないでしょうか。
日本政府の、県内移設ありきで県外移設については検討すらもされないということに、沖縄の人々は日本人の差別意識を感じ取っているのではないでしょうか。
「普天間飛行場硫黄島に移設を 翁長那覇市長が提案 琉球新報2005年12月27日」
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-9720-storytopic-3.html
「「県内」加速に危機感 うるの会硫黄島提案 琉球新報2009年10月30日」
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-152077-storytopic-53.html
これまでのブログを拝見し、神浦さんが沖縄の現状が少しでも改善されるようにと真摯に考えておられる方だと感じております。
その上で、私が感じていることと、神浦さんがご提唱されていることに、いくらかのギャップを感じましたので質問を送らせて頂きました。
お忙しいところを恐縮ではございますが、ご返事を頂けることを心よりお待ち申し上げます。
コメント
まず軍用ヘリの運用ですが、あなたがご指摘のように、米海兵隊はMV−22 オスプレイを運用できる新基地を求めています。オスプレイでも重量物を搭載したり、多くの兵員を乗せれば、短距離の滑走路を使って離陸します。(1600メートルの滑走路が必要です)。ですから普天間飛行場の代替には1600メートル以上の滑走路を求めてくると思います。
それから嘉手納基地から米空軍が撤退すれば、現在の那覇基地(那覇空港)から自衛隊のF15戦闘機(空自)とP3C哨戒機(海自)の部隊が嘉手納基地に移駐してきます。さらに極東有事の際には、米軍のF22戦闘機やF15戦闘機が一時的に嘉手納に移駐してきます。そのための米軍再編なのです。(米軍の前方展開戦略の変更)。
空自や海自の固定翼機(F15やP3Cなど)とヘリ部隊や海兵隊のMV22を同じ滑走路で運用すれば、運用効率が非常に悪くなります。嘉手納基地の2本の滑走路は離陸用と着陸用にわけて運用するとか、1本が使用不能になったときの予備として使用できます。平時なら滑走路1本で済みますが、有事には2本が欲しいと思いました。
嘉手納弾薬庫の活用ですが、確かに豊かな森であることは知っています。しかし全部を使うという意味ではありませえん。ヘリ部隊用の1600メートルの滑走路が1本あればいいのです。本当は800メートルでもいいのですが、極東有事にMV22の運用を想定している米海兵隊は普天間飛行場の代替基地なら1600メートルは譲らないと思います。
豊かな森を潰すなというご指摘には、沖縄の北部訓練場を日本に返還させることも可能です。あくまで米海兵隊が嘉手納基地に移駐するのは、極東有事の時だけですから、北部訓練場は日本に返還しても問題ないと思います。また、キャンプ・シュワブ沿岸に新基地を作らないなら、キャンプ・シュワブ基地も日本に返還できます。
米軍が撤退した後のキャンプ・ハンセンに陸自部隊が移駐することになりますが、本格的な演習は九州や富士でやればいいのです。その間を陸自部隊は艦船や航空機で機動することになりますが、それこそが今後自衛隊が重視する島嶼防衛の機動訓練になります。
沖縄の自衛隊員は沖縄出身者の割合(50パーセント以上)を増やし、沖縄の反自衛隊(反軍)感情を和らげる方法をとればいいのです。まず自衛隊と旧軍がまったく違うことを理解してもらうだけでもいいのです。
以上のことは公式に自衛隊や防衛省が公表している訳ではありませんが、やがて北朝鮮が消滅し、米軍再編が完了すれば、以上のような事態になることは必至です。
※先ほど、読み直しましたら、県外移設の質問に答えていないことに気がつきました。そこで追加して答えます。
米軍が県外の基地でもよいとしたのは岩国基地だと思います。現在、岩国基地は海を埋め立て、新しい滑走路や軍港を建設中です。その滑走路が完成すれば、厚木基地から空母艦載機が岩国基地に移転してきます。
確かに90年代後半なら、岩国基地移設がベストの評価を受けると思います。しかし岩国基地はあくまで朝鮮半島に向いた基地で、北朝鮮が崩壊して統一国家が誕生すれば、岩国基地に海兵隊ヘリ部隊を配置する必要性は激減します。
今となっては、海兵隊のヘリ部隊が岩国基地へ移設する可能性は非常に低いと思います。普天間基地から岩国基地に移転した海兵隊の空中給油(KC130機)部隊も、ヘリ部隊と連携して作戦を実施します。沖縄に海兵隊のヘリ部隊がいれば後方支援活動しますが、沖縄から海兵隊のヘリ部隊が撤退すれば岩国から空中給油部隊も撤退します。(以上、この部分を追加しました)
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話は違いますが、私の田舎は広島の農村地帯で過疎地ですが、同級生で地元の学校の先生になった者が、地元で役場や農協に勤める人と結婚し、共稼ぎですが、家では両親が農業をやりながら育児を手伝い、地域の保育所も充実し、余裕ある豊かな生活を送っていました。そんな生活環境を沖縄にできないか、そんなことを夢見ています。
2009年11月17日
文字が小さくないですか。
届いたメール
愛媛県宇和島の000です。
軍事情報や意見ではないのですが、文字の大きさですが「WhatNew」に比べて「メールにお返事」の欄の方が小さいのが気になっています。
時々老眼鏡が必要な年になっているのですが、ネットを見るときは特別な場合以外何とか眼鏡なしですんでいますので、何か理由があって文字を小さくされているのでなければ同じ大きさにしていただくと助かります。
もちろん理由があるのでしたら現状で結構です。無理を言ってすみません。
コメント
おひさしぶりです。お元気でしかたか。
実は私も気になっていました。5月に画面のデザインを更新したとき、文字サイズがこのようになっていました。いつも、こんな小さな文字で大丈夫かと考えていました。
でもご指摘を受ければ直します。読みやすい方がいいですね。ここまで大きい必要はないかもしれませんが、いろいろと文字サイズを試してみます。何か、ご意見があれば言ってください。
今、トップページの「メールにお返事」と「所長、ご挨拶」にNewのマークが付けられないか検討しています。
香港に来た中国軍の新ヘルメットは「鋼製」だった。
届いたメール
神浦さんこんにちは。
今月12日のWhat's
Newの中国流の第5世代戦闘機へのコメントにあった
「普通のセダンの車のエンジンをF-1そっくりの車体に搭載させ、」
という表現はこの上無く巧い表現!!と読んでいて感じました。 でもそういった発想は中国人は軍民問わず昔から大好きだし、それが「悪い事」だとも思いません。
今から12年前、香港返還の際第1陣として香港に進駐した陸軍部隊は米軍や独連邦軍と同様の新型のフリッツヘルメットを被っていて「ついに中国もケブラー製ヘルメットを導入か!」
と西側の軍事ジャーナリストたちを驚愕させましたが、このヘルメット、実は初期ロットは従来通りの 「鋼製」でした。後に量産型のQGF-02保護帽はケブラー製になりましたが、この香港進駐の際は量産が間に合わなかったのです。
上に迷彩覆いを被せれば外見は全く同じなので、能や性格を偽装する方法としては及第点でしょう。
兵器というのはただぱっと見ただけでは性能の良し悪しは直ぐに判らないので、最初は形、外見から入りそれで敵を畏怖させ、性能は後から徐々に向上させていく、という気の長い大陸風の発想もありだと私的には考えます。
コメント
イージス艦そっくりの船体なのに、艦内のレーダーはフェーズド・アレー・レーダーではなく、従来の対鑑・対空レーダーを搭載していただけ。それでも外観はステルス性能を向上させた為という説明を聞いたことがあります。
中国海軍はもっと日本から学んで欲しいと思います。せめて共通の価値観で、いろいろな問題を話し合えるようにして欲しいですね。
この際、中国海軍から防大に10人ぐらいの留学生を受け入れてもいいぐらいです。考えが通じないことは、言葉が通じないよりも深刻です。逆に言葉が通じても、考えが通じないともっと悲惨です。
今の普天間飛行場の代替え問題で、岡田外相と沖縄知事や名護市長の会談を見ていると、言葉は通じても双方の考えが通じていないことがわかりました。沖縄県の米軍基地負担の軽減と、新基地建設の公共工事を求める考えの違いです。
もし辺野古沿岸に新基地を建設すれば、北部訓練場やキャンプ・シュワブは日本に絶対返還されません。しかし嘉手納弾薬庫を活用する嘉手納統合案ならキャンプ・シュワブと北部訓練場は返還されると思います。(軍事常識です)
昔からの防衛利権や米軍基地利権か、それとも沖縄県民の米軍基地負担軽減なのか。普天間飛行場移設はその原点を問われていると思います。
2009年11月 12日
在韓米軍の第8軍団司令部が韓国に残ります。
届いたメール
いよいよ米軍飛行隊の撤退も見えてきましたが、
それとは対照的に韓国からハワイに移動すると思われていた、 在韓米8軍司令部が一転韓国に残る事になりました。
日本から航空兵力削減、韓国に司令部維持決定。
神浦さんはこの流れをどうみるでしょうか?
米8軍司令部、韓国に残る
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=122395&servcode=A00§code=A20
在韓米8軍司令部が韓国に駐屯することになった。軍の高位関係者は5日「昨年末、ソウルからハワイに移ることが決まった米8軍司令部の移転計画が変わり、韓国にずっと駐屯する案が最近確定したもようだ」と述べた。現在、行政・支援機能を担当する8軍司令部は、任務が改編されて地上作戦を遂行できる戦闘司令部として強化されると、この関係者は伝えた。
米軍はこれにより、今年初め、8軍司令部を主軸に前方戦闘指揮所(OCP−K)を創設したことが確認されている。1000人の将校と兵士で構成された前方戦闘指揮所は来年初めと2011年初めなどの2度にわたり作戦遂行能力の評価を受けることになる。米陸軍は今後、8軍司令部に将兵200人を増やし、配置する予定だ。軍の関係者は「この措置は韓半島で米軍が地上作戦を効率的に遂行するためのもの」と説明した。
米国はまた、現在の在韓米軍司令部の代わりをする韓国司令部(KORCOM=Korea Command)を来年6月に創設することが確認された。本紙が入手した在韓米軍資料によるとKORCOMは、大将が指揮する米国の7地域戦闘司令部の1つになる。米軍は現在、部隊編成作業を進行中だ。KORCOMの創設は2012年4月、戦時作戦統制権(戦作権)の韓国軍転換と連合司令部解体計画によるもので、有事時、在韓米地上軍の指揮体系はKORCOM−8軍司令部−2師団に変わることになる。
KORCOMは戦作権が韓国に転換されれば韓国の合同軍司令部とともに韓半島防衛作戦を遂行する計画だ。
コメント
北朝鮮が崩壊して朝鮮半島が統一後、新たな国家はアメリカと軍事同盟を結ぶと推測しています。中国もそのことを許すと思います。統一ドイツがNATOに加盟することを許したソ連のゴルバチョフ大統領の様にです。
そのようにしなければ、日本で朝鮮半島を通じた中国脅威論が高まって日中が異常な緊張状態になるし、中国は中国東北部の開発に日本やアメリカから資金や技術が得られません。
また、アメリカは韓国には第8軍団の司令部だけを残す方向に変更したのではありませんか。日本の座間基地の第一軍団司令部では韓国に緊急移駐(半島有事)してくる米軍の指揮は難しいと判断したからだと思います。
あるいは、北朝鮮が消滅するまでの期間限定かもしれません。在韓米軍の陸軍第2師団が、直接、韓国軍の司令部(KORCOM)から命令を受けることに不安を感じた可能性もあります。北朝鮮が存在していなければよいのですが、北朝鮮が存続しているうちは第8軍団司令部を存続させるという考えです。北朝鮮が存在していれば米軍の第2師団を韓国から撤退させることができません。
まあ、これは普天間飛行場の代替え施設のように、北朝鮮がいるかいないかで大きく変わると思います。アメリカは同時多発テロの異常な緊張状態から覚め、アメリカ軍も再編でいろいろ試行錯誤をしているような気がします。
2009年11月 11日
中国が5世代戦闘機を開発中だそうです。
届いたメール
毎日必ず見て参考にしています。
沖縄については、神浦さんの案に賛成です。
ところで、日経(11/11)の8面に、中国が第五世代ステルス戦闘機を国産し、8-10年後に実践配備とありました。本当に造れるの、本当なら脅威やバランスはどのように変わるの、等など判らない事や疑問が次々と湧いてきます。
よろしくお願いします。
コメント
このニュースを日経新聞ではなく、最近、ほかの新聞で読んだ気がします。
しかし、その時の感想は、「中国は何をもって5世代戦闘機というのだろう」という疑問です。
もちろん米空軍のF22と同クラスの戦闘機を作ることは絶対に無理です。中国はロシア製を購入する以外、ミサイルやエンジン、火器管制装置を含めて、中国が自身の技術力だけで高度なステルス性の機体、敵からのアウトレンジ(射程外)攻撃が可能なミサイルと火器管制装置、超音速を維持できるエンジンの開発は無理だと思います。
日本もいろいろ言っていますが、日本も総合的に第5世代戦闘機を開発するには多くの壁があります。
米軍はF22戦闘機をグアムに配置し、有事に限り沖縄など日本の空自基地に展開すれば、中国軍は手も足も出ないというのが私の推測です。F22を日本に常駐させるには抑止力が強すぎます。それでは中国と不必要な軍事緊張を招くことになります。それほどF22には強力な抑止効果があります。
私は日本のFXがマルチ戦闘機(多用途戦闘機)である必要はないと思います。他国が攻撃してきたときの迎撃専門の制空戦闘機で十分です。
とにかくこのニュースは、まだまだ「眉唾(まゆつば)」と思ったほうがいいようです。中国がいくらコピー商品が得意でも、第5世代戦闘機をコピー出来るとは思えません。
2009年11月 7日
いつも拝見しています。
届いたメール
いつも拝見しております。
専門的で貴重なご意見、ありがとうございます。
神浦さんのご考察やご意見、ぜひ岡田さんや政務三役に伝えてさしあげてください。日本のために!
よろしくお願いします。
コメント
なんだか心が温かくなるようなメールです。ありがとうございます。
私のホームページは民主党の関係者の方も読んでいるとメールを頂いたことがあります。それなりのルートを通じて岡田外相にも伝わっていつと期待しています。
それよりも今は嘉手納基地周辺の方に読んで頂きたいと思っています。普天間飛行場の嘉手納統合案は、嘉手納基地周辺の人に重い負担を強いるものではないことを知って欲しいからです。
現在の米空軍部隊が嘉手納基地にいるのに、那覇空港の海自・空自の航空部隊が嘉手納基地に行くことはありません。嘉手納基地から米軍が撤退して、そのあとに那覇空港の空自と海自の航空部隊が移駐します。嘉手納統合案で嘉手納弾薬庫跡地に建設する海兵隊のヘリ基地には、新設される自衛隊のヘリ部隊が移駐すると思います。そして隣接する米軍のキャンプ・ハンセンに陸自で新編成の旅団が移駐して、空自と海自の嘉手納航空基地を守るというのが私の推測です。
自衛隊の那覇基地(海空の航空部隊)、米軍の北部演習場と米軍のキャンプ・シュワブは沖縄県に返還しても問題ありません。
今の段階でこのように言うことは早すぎるかもしれませんが、ごくごく普通の軍事常識に従うなら、これくらい先を読むことは可能です。沖縄の皆さんにもぜひこのような分析を知っておいて欲しいと思います。
2009年11月 6日
グアム移転に関する予算の情報、ありがとうございました。
届いたメール
お忙しいなか、本日(5日)はさっそく、メール(在沖米海兵隊のグアム移転に関する米国の予算措置の出典は?)にお返事をいただきありがとうございました。
インターネットの『産経』では09.10.29の記事にありました(最近はゆえあって超多忙のため、『産経』および『共同通信』などの記事のチェックを怠っていました。すみません)。
米側も在沖米海兵隊のグアム移転計画はカネがかかり過ぎることもあり、その実行を躊躇しているのかな、と感じていましたが、しかし、この記事から察すると、グアム移転は既定方針どおり動き出したと言えるのではないかと思います。
沖縄に詳しい識者から言わせれば、「司令部を中心とした8,000人をグアムへ移転するのであれば、沖縄に残る数千人の実働部隊もいっしょに連れていけば良いではないか」となります。在沖米海兵隊のグアムへの全面移転です。きわめて現実的で、ありうる話です。
問題は、米海兵隊のグアムでの受け入れ態勢が整うのも数年後ですので、軍事的には「無用の長物」となっている米海兵隊を即解体するか、あるいは在沖米海兵隊の派遣元・米カリフォルニア州のキャンプ・ペンドルトン基地に帰えすかするのならば別ですが、当面、米海兵隊は普天間にとどまることになります。
しかし、きわめて危険な普天間基地をとにかく、どうにかしなければなりません。そこで、普天間基地を暫定的に(その軍事的役割が減りつつある)嘉手納基地に統合する案が出てきても不思議ではありません(もちろんその場合は、嘉手納基地の空軍機F-15が大幅に減らされるという前提がなければなりませんが)。岡田外務大臣の「嘉手納統合案」も、こんな事情を勘案して、提起されているのではないか、と思います。
いずれしろ、沖縄県民の基地負担を少しでも減らす方向を徹底して追求していかなければなりません。マスメディアや関係者に対しては、軍事論や米側の実際の動きをホローせずしての、予断や思いこみ、決めつけなどがないようしていただきたいと願うばかりです。
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いつも書いていますが、北朝鮮という国が消えて、朝鮮半島に南北統一国家が誕生すれば、沖縄の米海兵隊は全面撤退をすることは間違いありません。対中国戦略で海兵隊を沖縄に配備する理由がないからです。アメリカで対中国戦略を担当するのは米空軍や米海軍と米陸軍です。海兵隊ではありません。
北朝鮮がいなくなれば、在沖海兵隊は日本が頼まなくとも沖縄から撤退します。そうしなければアメリカが米軍再編をする意味がないのです。米軍の前方展開戦略の全面見直しです。
それが日本の基地利権で歪められたのが今回の混迷の原因です。そのことは守屋元防衛事務次官や沖縄選出の元自民党議員がよく知っていると思います。
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昨日、このグアム移転の新聞の記事が見つからないと書くと、4名の方からメールで「ここにあります」という情報を頂きました。産経新聞以外にも、時事通信でも報じているそうです。
いつも驚きますが、このホームページの反応は凄いと思います。情報を頂いた4人の皆さんにお礼を申し上げます。ありがとうございました。
2009年11月 5日
米政府のグアム移転予算の内容が知りたい。
届いたメール
お尋ねです。
10月30日の What's new の一文に「2日前、海兵隊のグアム移転に必要な支出の予算案が米議会で可決された」とありますが、在沖米海兵隊のグアム移転計画の動きを裏付ける大事な情報ですので、お差し支えがなければ、この情報の出典(出所)と、できるだけ詳しい内容を教えてください。お願いします。
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この記事は、30日の数日前の、朝日、産経、読売、毎日の4紙のどれかです。たぶん朝刊と思いますがはっきりしません。
先ほど、書斎に残っている10月分の23日から30日の分を調べてみましたが、発見できませんでした。あとで(午後)もう一度探してみます。大きな記事ではありませんでしたが、強く印象に残っています。たぶん見つかると思います。
それからこの記事を調べていて気がついたのですが、多くの重要な記事を読まないでいたことに気がつきました。毎日の更新を優先したために、他紙や他面を子細に読むのを怠ったと思い反省しました。それに週刊化したなら、もっと多くのメディア情報を収集できます。
それから毎日更新だと、インド洋の海自・補給艦をソマリアの海賊対策に向かわせることを検討(防衛省)のように、すぐに否定されることも、つい振り回されることに気がつきました。このWhat Newを、通常の週刊版と緊急の速報版の2つにわけて更新することが必要かも。それで記事を深く広く読んだり、コメントの中身を濃くすることができるような気がします。
今、見つけました。
私が書いた日にちが間違っていて、10月30日の「産経新聞 朝刊」の8面です。この記事にはワシントン支局の有元隆志記者の署名があります。2010年会計年度国防権限法(オバマ大統領が署名)で、グアム移転費用の分は約3億7800万ドル(約340億円)ですね。日にちを間違えてすいませんでした。
2009年10月 30日
海保が自衛艦に交信しなかった理由を知りたい
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神浦さんこんにちは。
NHKの報道だと関門海峡衝突事故の海上交通管制で、
「海保の管制官は韓国の貨物船とは無線連絡しても、海自の護衛艦とは無線連絡しなかった」という情報になっていますが、これは果たして正確な見方でしょうか。
「同じ警察でも公安と刑事は水と油」のような例がありますが、現代の日本でそこまで縦割り行政が深刻とは考えられません。これは誤報であってほしいです。
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これは海保や船舶が使用している無線機がそのようになっているからです。
イージス艦「あたご」の衝突事故の時にも書きましたが、他船や海保などと交信する船舶(漁船やヨットも)無線は国際VHF無線と呼ばれています。
チャンネルが01〜99まであります。通常は16チャンネルに合わせておきます。これは呼び出しチャンネルで、例えば私のヨットが海保に連絡したいと時は、16チャンネルで呼びかけます。「こちらヨットGENKIです。海保さん感度ありますか」と言うと、「こちら海保です。ヨットGENKIさん、45チャンネルへどうぞ」と応答してきます。16チャンネルはすべての船が聞いているので、できるだけ呼び出しだけに使います。(緊急事態は別です)。
そこで私は45チャンネルに切り替えて、海保と交信をすることになります。
関門海峡の交通管制センターもそのようにしてコンテナ船と交信していたと思います。その場合、あえて護衛艦くらまに交信チャンネルを教えなければ、くらまがコンテナ船と海保の交信を聞くことができません。
間もなく衝突が予測できるほど緊迫すれば、共有チャンネルを設定するか、即、16チャンネルを使いことが考えられますが、今回は双方にその様な状況の自覚がなかったと思います。
これは船舶会社と船で間で使う無線や、衛星を使った船舶無線(電話)とは違います。あくまで見通しがきく範囲を想定した船舶無線です。ヨットで東京湾を出て大島などに向かう時は、国際VHS無線は必ず聞いています。他船と海保(交通センター)の交信は面白いものがあります。観音崎(神奈川県)の海上交通センターが下田沖の貨物船に問いかけたときは、貨物船が「こちらがそちらのレーダーに映るのですか」と驚いていました。海保のレーダーと海上の本船(大型船)なら、海保のレーダー画面に船名なども自動表示される思います。
関門海峡海上交通センター
2009年10月28日
護衛艦くらまに問題はありません。
届いたメール
神浦さんこんにちは。私は、数年前に一度、レーザー兵器のことで神浦さんに教えていただいたことがあります。
昨夜の「くらま」の衝突事故の件、神浦さんのご説明の通り、「くらま」は右側通行で問題なし、速力も12ノット未満キープでこれも問題ないと思います。報道写真も「くらま」は正船首やや左(決して右舷ではない)の方向から衝突されているように見えます。
一方、韓国船の方は写真を見ることが出来ませんが、同船の右舷に「くらま」の船首が当たったと報道に書いています。このことから、 「くらま」は、自船の左舷灯(赤)、を見せながら、韓国船の右舷灯(緑)の側に突っ込んだことになります。これは、「くらま」の右側通行を証明することになります。
それではなぜ、韓国船が水路の左側にはみ出してまで、海峡の狭部で小型船を追い越そうとしたか? 私の想像では、韓国船は、関門海峡到着前にC重油→A重油の切り替えをしていなかったのではないか。そのために、自由に船速の変更ができなかったのではないかと考えています。
(1)高価なA重油節約。
(2)燃料切替の手間(海峡出入り口で各約30分必要)。
韓国船の燃料切替がどうなっていたか調べてみる必要があります。神戸、76才 男 元外航船船長15年
コメント
幸い、このホームページは海自や海保の方が見ていると聞いています。
この情報は海自や海保の中枢に必ず伝わると思います。
しかし一般読者の方は誤解しないでください。それならイタズラのために関係者を装ってガセ情報をメールして、ここに掲載することが出来ると思わないでください。仮に私を騙すことができても、一般の読者をだますことは出来ません。必ず質の高い反論が届き、掲載します。それだけこのホームページの読者の質が高いと言うことです。
このメールを読んで、ヨットマンとしての血が騒ぎました。このご意見に共鳴したということだと思います。
やはりこのホームページをやっていてよかった。もの凄い皆さんの応援エネルギーを感じることができました。まさに感動です。
これからも一緒になって、良質な軍事情報ページを目指しましょう。ありがとうございます。 ヤホー です。
2009年10月28日
コンテナ船と自衛艦の衝突現場がすぐそばです。
届いたメール
神浦さん、こんにちは。 ご無沙汰しております。福岡の00です。
昨日の護衛艦くらまと韓国コンテナ船の事故、驚きました。 私の実家が下関の彦島で、関門海峡のすぐ近くだから、特に驚きました。
実際は、関門橋の近くだったので、海岸まで行かないと見えなかったとは思いますが、 やはり下関に住んでいる弟の友人が、即、近くまで野次馬に行って状況報告をしてくれ たそうです。
実際、関門海峡はものすごく狭いです。特に関門橋の辺りは橋を渡したくらいだから、 かなり狭いです。 従って、潮流もハンパじゃなく複雑です。 貨物船の船長は、前の船を追い越そうとして対抗の自衛艦にぶつかったと言っています が、あんなところで追い越そうなんて、海峡に慣れていなかったのでしょうか?
最初自衛艦と民間船舶がぶつかったと聞いて、炎上は民間のほうだと思ってましたが、 実際自衛艦のほうが燃えているのを見て、驚きました。 2ちゃんねるの該当スレッドで、「コンテナ船の方が大きいだろ。ダンプと軍用ジープ がぶつかったようなものだ」と言う書き込みを見て、納得しました。
さて、早々に鳩山首相が「国民にご迷惑をかけた」と謝罪したようですが、これは妥当 ですか?
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091028/plc0910280940007-n1.htm
多分、まだ状況のわからない段階で言ったのだと思いますが、事故の原因は韓国船の無 理な追い越し行為ですよね。さらに、航行の優先は、瀬戸内海川から出てきた船、すな わち自衛艦の方にあるはず。自衛艦に非はあるのでしょうか。
なんとなく思ったんですが、自衛艦を破壊したことで、韓国に帰った船長達は英雄扱い されたりして・・・。 穿ちすぎですね。
コメント
昨夜の我が家はすごかったですよ。夜9時をすぎた頃から電話が鳴り出し、マスコミ各社から想像できる事故原因を考えてくれと言われました。
イージス艦「あたご」の時は、「双方の見張り不十分で衝突」で半分ぐらいは想像できましたが、今回はまったく想像しようがありません。
そのうち「追い越し」がどうのと情報が入り始め、瀬戸内海から出る護衛艦と、瀬戸内海に入るコンテナ船が「追い越し?」と混乱したり、護衛艦が爆発したという情報が入ったり、約2時間ぐらい混乱しました。
そのうち、コンテナ船の右舷前方に衝突痕ありとか、コンテナ船が前方の船を追い越すために左に出たときに衝突とか、正確な情報が入り始めると、電話はすぐに鳴らなくなりました。これは護衛艦特有の事故ではなく、狭い海峡で航行を誤ったコンテナ船が原因とわかったためです。
ですから寝たのは12時をすぎてからです。いつも10時過ぎには寝る習慣の私には12時は深夜です。
それから、お昼のニュースを見て、私も思いましたが、鳩山首相は国民に「お詫びする必要はない」と思います。今回はコンテナ船に衝突事故の過失度合いが高いと思います。
それにコンテナ船の社長が、「海保から左に出て追い越せと無線で指示を受けた」と連絡があったことを話していましたが、あれはウソです。あんな狭い海峡で左に出て追い越せなんて指示を海保は出しません。船乗りならだれでも気がつくウソです。
今回の衝突事故で海自を責めることはできません。死者がでなかったことは何よりの幸いでした。
※今日(28日)の午後7時のNHKニュースで、海保の交通センターが「左を追い抜け」と交信していたことを海保が発表しました。
2009年10月25日
在沖海兵隊は朝鮮半島有事が片付いても沖縄に居座る気なのか
届いたメール
神浦さん、 沖縄の琉球新報が守屋さんに、沖縄タイムスが吉元、比嘉元副知事にインタビューしています。
吉元元副知事はご存じの 通りですが、比嘉さんも副知事になる前は米留経験があり、優れた政治学者(琉 球大学)でした。
元副知事二人の方がいまの知事、県庁スタッフよりずっとしっかりしていますね。 タイムスは(たぶん新報も)は普天間問題で東京の陣容を拡大、とりあえず来年 3月までということで、記者を県内から東京にヘルプに出しています。
神浦さんの新報記事、What's New! コメントで、米軍は密かに普天間居座りに 方針を転換したのではないかという見方ですが、 これだと北朝鮮問題解決後に無条件に沖縄撤退ということになるのでしょうか。
コメント
琉球新報がインタビューしているのは元防衛事務次官の守屋氏なのでしょうか。もし守屋氏なら辺野古沿岸案が決まった背景を一人称で語ることができる人物ですね。しかし自分の裁判(収賄罪)を抱えているので、どこまで話すか興味があります。
琉球新報の10月22日紙面で、「日米防衛首脳会談、識者評論 (共同通信配信)」に書いた私の署名記事ですが、ゲーツ長官がすごい剣幕で辺野古沿岸の新基地建設を求めたことで私の考えを書きました。
そうなんです。アメリカは北朝鮮が片付けば沖縄から海兵隊を撤退すると考えていました。アメリカもそのように考えて米軍再編を行ってきたと思います。ところがグアムの海兵隊基地の環境の悪さに気がついたのです。そこでこのまま沖縄に居座るか、ハワイやカリフォルニアに帰るか、そのどちらかで悩んでいるのではないでしょうか。
ゲーツ長官の今回の訪日で、今までの流れは変化したように思います。
中国の海軍力が増強されても、日本や韓国の軍事力を合わせると、沖縄(東シナ海)の安全性はまだまだ高いものがあります。そこで中国との軍事対決に備えるというよりも、使えるうちは沖縄をこれからも使いたいという願望です。
しかしそれでは、沖縄の基地負担を減らすために在沖海兵隊がグアムに撤退するという約束は反故になります。普天間飛行場は危険なので代替え基地に移すという代替えの問題とは別です。それをあえて絡めてきたゲーツ長官の発言も奇妙です。「辺野古沿岸に基地ができないならグアム移転や沖縄の米軍用地の返還もない」という言葉です。
まだ推測の段階ですが、6月4日に米海兵隊のコンウェー総司令官が米上院軍事委員会で行った証言は重要です。「グアム移転は難しいから見直したい」という証言です。数日後に発言を撤回しましたが、撤回で海兵隊の意思が変わったわけではありません。
いくら米軍の戦略がコロコロ変わっても、沖縄の人々が辺野古沿岸の基地建設をどう思うかが大事です。もし辺野古に新基地ができるなら、海兵隊は沖縄に居座り続けることになると思います。無理なら、グアムに小規模な出撃基地だけを作り、在沖の大部分の海兵隊は米本土に撤退するでしょう。
ゲーツ長官やコンウェー海兵隊司令官は、日本政府の対応と沖縄県民の反応を見ています。これからが一番大事な時期になります。どんどん沖縄の民意を発信してください。日本政府や米軍の顔色を見る必要はありません。私は嘉手納統合しか、普天間基地問題の解決はないと思います。もう沖縄で米軍基地問題が「打ち出の小槌」になることはありません。それでも名護市長選が大きな山になります。
悪いことは、最もわるい時と場所で起きるといいます。この緊張した時に普天間飛行場で米軍機の事故が起こらないことを祈るばかりです。
※そちらで場所が確保できれば、私が沖縄に行って話すことは可能です。沖縄の人の意見も聞きたいと思います。友人のかたと相談してください。講演料は泡盛1本で結構です。旅費も自分で出します。(オバマ大統領の訪日後がいいでしょう)。
2009年10月25日
軍事技術の発展で基地は縮小できる。
届いたメール
10月22日普天間移設のオバマ大統領訪日期限について、
神浦さん の見解に全く同意です。
沖縄はある程度は基地経済で成り立っているそうです。一気に解決は不可能でしょうが、理想と現実を踏まえた交渉を望みます。
意見を言う日本であって欲しい。 ある評論家は、米軍は海外に駐在しないと、現在の軍人をアメリカ国内でいる場所はないそうです。
同時に、小沢発言と神浦さんのコメントのように、軍事技術が発展した時代(軍事衛星・航空機の発展・軍事エレクトロニクス)に基地を縮小することは可能と考えます。 自衛隊の予算を別の所にまわすか、削減すべきです。
尚、テレビ出演のコメントは早口言葉の練習という意味で、人の発言中に自分の意見を言う「づうづう」しさが必要です。
コメント
米軍は海外任地に関して、軍事費の削減や、米軍兵士に不人気や、地元との摩擦で、前方展開戦略を見直しています。具体的には在韓米軍、在日米軍、在欧米軍の撤退や縮小です。これが米軍再編なのです。それを可能にしているのが軍事技術の発展です。高速機動能力や通信能力の向上で、前方展開から撤退してもプレゼンスが維持できるからです。しかし米軍が緊急展開するために、韓国や日本にいつでも使用可能な基地や港湾の確保が必要です。それを平時は自衛隊に守って欲しいのが日米軍事同盟だと思います。私はこれが米軍再編の基本だと考えています。
それから、私がテレビやラジオでしゃべる時は、できるだけ私とは違う意見を聞いてほしいと考えることがあります。あまりにも変な主張でないかぎり否定しないように心掛けています。
ある時は、あまりにも簡単に相手の間違いを指摘して、失礼にならないように気をつけています。いわゆる”論破”という方法は使いません。若い時は怖いもの知らずというか、権威主義的な発言を嫌悪して、相手を論破することが大事と考えていました。今はすっかりおとなしくなりました。
それから自分の自慢話を避けるようにしています。自分(私)の評価は皆さんにお任せします。自分から自慢はしません。私自身、間違うことも多いからです。
それから米国の軍事基地は次々と閉鎖されています。再編統合で部隊や基地が整理され、より効率的に運用が行われているためと思います。米軍は米国内に住むところがなくて外国に駐留するようなことはないと思います。
2009年10月25日
届いたメール
愛媛県宇和島の000といいます。
政権交代で内閣が総入れ替えとなり軍事や外交には大きな変化が起こっているように感じる今日この頃ですが、米軍のイラクやアフガニスタンにおける活動は私の目から見ると問題ばかり起こしているように思います。
特にアフガニスタンにおける活動においては、私はずいぶん前からペシャワール会の中村先生の書かれる記事を見ていましたので、軍隊を派遣して戦争をしてみても、人間が死ぬばかりで「テロとの
戦い」を旗印に行っている活動は、私には日の目を見るようには思えないで居ます。
一言でテロリストと言って片づけていますが、自分の親兄弟を軍事作戦で殺された人たちは、どこの軍隊であれ反発して「あいつらをやっつけてしまえ」と思うのは私には当然のように思えます。
今回、政権与党になった民主党の小沢一郎氏はペシャワール会の中村先生とつながりがあるようですので期待しているのですが、特にアフガニスタンにおいては、欧米諸国に対して日本という国はまだまだ好感を持ってもらっているように思います。
私は、他のNGOの方達の活動を知りませんが、現地に根付いた活動をしておられる人達の意見をよく聞いて、現地の住民の希望に添った復興支援を行うことが出来るのは、日本以外には無いのではないかという気がするくらいです。 治安の悪い現地での活動は大変とは思いますが地道に出来るところから少しづつやっていけばいいのではないでしょうか。
また、アメリカのオバマ大統領にしても、米国が起こした戦争の後始末を日本がすることが出来れば、大いに感謝してもらえるのではないかと思いますし、日本に対する対応も大きく変わって来るのではないかと思います。
昔、幼少の頃に「北風と太陽」という本を読んだ記憶がありますが、現地の人達が自活できるようにお手伝いをするような援助の方法が必ず有るのではないかと思いますので、軍隊が出かけていってイメージをぶち壊すことの無いよう日本なりのやり方で暖かい思いをしてもらえるような援助をすることが出来れば良いなと思っています。神浦さんも書いておられましたが、復興支援活動が軌道に乗って来れば、自衛隊の出番もきっと回ってくると思います。
コメント
私の夢は日本を平和大国にすることです。そのためには自衛隊の力は絶対に必要と考えています。
自衛隊の戦闘力は日本を防衛するためのもので、強力な抑止効果を発揮して、だれも日本への軍事侵略ができないような力が必要です。
そして日本に差し迫った軍事脅威がない時は、その装備やマンパワーを使って、大災害などで国際的な復興支援活動を行う組織にすることです。そうしなければ自衛隊そのもに対して不要論が浮上してきます。
中国脅威論ですが、戦争を前提にした対応では中国に飲み込まれます。そのうち中国から日本の温泉やスキー場に大勢の観光客が押し寄せます。今も東京の秋葉原では中国人の買い物ツアーがあふれています。
最近、自衛隊の役割を論じる機会が多くなりました。北朝鮮後の軍事情勢にどのように対応すべきかということに関心が高まっています。これから米ソ冷戦終結でも見られなかったような戦略変化が起きると思います。
まず日本のアフガンの復興支援(非軍事)は、日本が平和大国のなるための試金石だと思っています。
2009年10月23日
普天間飛行場の代替えを石見空港へ
届いたメール
普天間代替施設について。
ゲーツ氏が辺野古沿岸基地建設を急ぐのであれば、それよりもっと早く実働可能な、基地を提供すれば良い。
21日 の、TBSラジオにも、メールしましたが、空港特別会計で、わけ分からない、空港を全国に作り、挙句の果てに、JAL撤退で廃港の危機だとか、地元負担でエアライン維持など馬鹿げている空港があまたある。
特に、島根県西部の石見空港。1日2往復〔東京・大阪〕で、不便でかなわない。しかも、地元負担までしている。
死亡した、T下元総理や、そのご意向のままに動き続けたS田前知事が、公共事業のごり押しで作ったもので、はっきり言って無用の長物。
超少子高齢化地域ですので、用地交渉もしやすいだろうし、滑走路現状2000メートルですので、延長も700メートルもあれば十分。
2本目が必要であれば、周りは畑だらけ。収容もはるかに簡単。〔農家が高齢化で四苦八苦している。〕
しかも、同じ海兵隊の岩国からは、100キロ足らずで、実際に岩国のホーネットが燃料切れと称して緊急着陸の実績もあり、軍事転用すれば、費用も安く、建設も早くしかも日本海側にしては、殆んど雪も降らず、極めて運用しやすい。
周辺人口も少ないから、艦載機の夜間離発着訓練も可能ではないか。
また、仮想敵国の中国からも、沖縄よりはるかに遠く、直接攻撃を受けにくい。
韓国上空〔北朝鮮が崩壊した場合。今年の冬、新型インフルエンザで崩壊すると思われる。世界中で不足しているワクチン、どこも援助する余裕はないし、援助しようとする国があれば、日本が高値で買取り、日本国民に使用すべき。〕を通過せざるおえないので、事実上中国からの航空攻撃は不可能。潜水艦も、狭い対馬海峡を通過する必要があり、巡航ミサイルでの攻撃も難しく、中距離弾道ミサイル以外では攻撃不可能。
ロシアがもはや、仮想敵国にならない以上、日本海側に軍事拠点を構えるのは、合理的であると思う。
また、松本空港・静岡空港など、不要なことが明らかになり、廃港が予定される空港を軍事転用すれば、財政赤字に悩む自治体も、新規設備投資が軽減される自衛隊も利害は一致。
政権交代により、守屋、山拓、久間などの防衛利権族政治家・官僚から、利権を切り離し、長期的視野で国防を0からやり直す、良い機会である。
コメント
石見空港は岩国飛行場のサポート空港として作られたものと思っています。しかし朝鮮半島が統一され、半島の軍事危機が去れば石見空港の役割は半減すると思います。
これから地方の赤字空港は資本の論理で統合されたり閉鎖されると思います。そのとき石見空港がどのようになるか注目します。
しかし艦載機の夜間離発着訓練はすごい轟音を発します。地元の理解と協力が得られるかがカギになると思います。
でも石見空港とは意外でした。岩国基地に厚木の空母艦載機が移ってきます。そのとき、石見空港が活用できないか、関係省庁で検討されると思います。
2009年10月17日
アメリカは中国向けミサイル技術を緩和しました
届いたメール
神浦さんこんばんは。
中国へのミサイル技術移転規制を実質緩和 米大統領が権限を中国系商務長官に委譲
http://sankei.jp.msn.com/world/america/091016/amr0910160909003-n1.htm
ここまで米中の関係は深まっているのかと考えさせられる記事です。
役に立たないMD技術を日本に供与する一方で、中国へはミサイル(当然攻撃用技術に転用可能な)技術移転規制を緩和する、アメリカのこうしたやり方をどう思うでしょうか?
中国のミサイル技術向上は日本にとって脅威ではないですか?
クリントン前大統領も多弾頭型のミサイル技術を流したとされていますが。
コメント
すいません。このメールは17日に着信していました。一回読んだ記憶はあるのですが、忘れていました。
今朝、気がついてアップしました。
このニュースは知りませんでした。さっそく記事を読んでみます。
明日の朝10時までに依頼された原稿があります。お返事を書くのは明日になると思います。もしかした翌々日になる可能性もあります。本日、訪日したゲーツ国防長官関連の原稿です。
ーーーーーーーーーーーーーーー
普天間移設問題で多忙な日が続いています。
この問題について十分に考えることができません。また記事の内容も信頼性を確かめることができません。詳細な情報を得るために、もう少し時間をください。
無責任に思いつくことを書いてもご迷惑ですから。すいません。
2009年10月16日
ガイアツはソウゾウ・ベイアツではないですか
届いたメール
神浦さんこんにちは。
一昨日14日のコメントにあった「官僚のガイアツ頼み」のガイアツ(外圧)についてですが、あくまで私見として、この言い回しはむしろ以前お話になったベイアツ(米圧)と表現した方が言葉的には正解ではないでしょうか。
多国間、トルコもパラオもフィンランドも強く反対しているなら 「ガイアツ」 と表現して良いですが、反対しているのがアメリカ一国だけなら 「ベイアツ」
と表記して嘘ではないです。
しかも、実際には米の民主党も共和党も教会もどこも反対していないのに日本の官僚が「アメリカが反対している」「アメリカとの関係を損なう」「アメリカを怒らせる」と自国の政治家に強く警告を発するのはもはやベイアツですらなく
「ソーゾー・ベイアツ」(想像米圧)と表現し笑い飛ばして良いのではないでしょうか。
私が現職自衛官の頃、一士から士長の時期にかけてOJT教官だった古兵がこう言って笑っていました。
「よく言う『みんなが君を君を非難しているよ』の『みんな』は2人いればそれで充分だ。はっはっはっ」
国と国の関係も、学校や会社での子供っぽい人間関係と大差は無いと本当に感じます
コメント
なるほど。ソウゾウ・ベイアツですか。
今、問題になっている「インド洋の給油問題」も、あれほど米国や関係国が反対するといっても、民主党の長島議員(防衛政務官)が訪米すれば、「基本的には日本が決めること」(ジョーンズ大統領補佐官・国家安全保障担当)ですからね。
落ち着くところにすストンと落ちます。普天間飛行場の代替基地の問題もそうなると思います。これから名護市市長選と、来年の12月の沖縄知事選で、辺野古沿岸反対者が当選すれば、これは選挙による地元の革命です。
もう、基地交付金というアメとムチ、それにソウゾウ・ベイアツが使えなくなると、日本の基地問題は大きく変わります。これも時代の変化なのでしょうね。徳川幕府がいつまでも鎖国を続けることができなかったのと同じ現象と思います。
2009年10月14日
ヘリに自動安定装置を!
届いたメール
こんばんは 元陸上自衛隊員です。 私が若い頃、攻撃ヘリコプターAH-1Sを見て「凄い!」と思った事があるのですが
ホバリングの際 風で機体が揺れていたのを覚えています。 それが今のOH-1などは パイロットが手を離しても空中に固定されたかのようなホバリングをします。技術の進歩とは凄いものですね。
さて、陸上自衛隊が新しく導入したAH-64の量産計画が頓挫して
OH-1をベースとした新しい攻撃ヘリコプターの研究開発が始まったと聞きました。 そこで採用してもらいたいアイデアがあるのです。
よくアクション映画などでヘリコプターに乗っている人が狙撃銃を撃つシーンをみるのですが「ゴルゴ13でなければ当たらんだろう!」と
ツッコミたくなります。
日本の技術があれば ビデオカメラの手ブレ防止機能等を応用して精密射撃可能なガンターレットを造る事が出来るのではないでしょうか。ひとつの目標(人であれ車両であれ)に対し何発も弾を撃つのは2次被害を招く事になりかねません。 いいアイデアだと思いませんか。 それとも既に他国で開発されているでしょうか。
コメント
AHー1Sが20ミリ機銃で射撃をする際、わざと機体を左右に大きく揺らします。地上からの銃弾を避けるためです。しかしAH−1が発射した機銃弾は、散らばることなく目標に向かいます。おそらく射手の照準器に合わせるように自動で照準されているからと思います。
90戦車も行進間射撃と呼ばれるように、凸凹の道を高速でえ機動中でも、一点を狙ったまま連続射撃(砲撃)ができるように砲安定装置がついています。海保の高速巡視船に取り付けてある20ミリ機銃も、荒い海を高速で航行中でも、正確に不審船の一点を狙って射撃できる装置がついています。
これからは弾自身が目標を識別して、相手が移動中でも修正して命中する技術が必要です。敵の装甲車が市街地や林に隠れていても、その付近の上空に迫撃弾を撃てば、あとは弾自身が落下しながら装甲車をみつけて命中するような技術です。すでにアメリカ軍やイギリス軍では実用化されています。
2009年10月10日
平和賞は期待に対するもの
届いたメール
本夕、オバマ大統領のノーベル平和賞受賞のニュースが報じられました。
直接的には、春に欧州で行った核廃絶演説によるものかと思いますが、今回の受賞は「実績」に対してと言うよりは「期待(義務)」に対するものかと思います。
立場や政策の違いを超えて、世界中の「反核」の思いが受賞に至らせたのでしょう。
いずれにせよ、オバマ大統領にとっては「不退転」で進まざるを得なくなりましたし、核保有を検討している国々には「世界の趨勢」をまざまざと見せ付ける物になるでしょうね。
某独裁者は、どのような思いでこの知らせを耳にしているのでしょうか?
コメント
私も最初にテレビでこのニュースで見たとき、「ホントかいな」とつぶやきました。そしてこの賞はオバマ氏に対する期待値と、不退転の決意を迫るものと考えました。あなたと同感です。
ただ街でのインタビューで、「オバマ大統領は発言(演説)だけで、まだ何もしていない」と話している方がいましたが、それは違うと思います。すでに東欧に配備する予定だったミサイル防衛(MD)を中止したし、ロシアとの戦略核削減交渉で大きな成果をあげています。
でも、ノーベル平和賞の受賞はよかったと思います。オバマ大統領の今後の活躍に期待しています。私はいい時代に生きているという気がやとしてきました。少しずつ政治不信が解消し、政治に期待する心が生まれてきました。
中国で北朝鮮のサリン検出の記事
届いたメール
9日朝刊(朝日)を開くと「中朝国境でサリン検出」とあり、オウム事件に関わる1995年の読売のスクープ記事を思い出しました。
それにしても、中国は、目と鼻の先で、 事故にせよ何にせよ、こうした事態に対して、なぜ、これまで公にしないのか理解に苦しみます。中国首相の北朝鮮訪問後に、こうした情報を中国当局が流すのは、どのような意図が考えられるでしょうか。
コメント
今日のWhat New に書きました。そちらを参照してください。
私も95年のお正月(元旦)の読売新聞の1面トップ記事を鮮明に覚えています。
あの記事は時代に残るスクープだったと思います。あの記事を書く記者の手が震えたと思いました。
2009年10月8日
アメリカは北朝鮮の核保有を認めるつもり?
届いたメール
神浦さんこんばんは。
What's newの「温首相訪朝 金総書記 異例の出迎え 中国「援助」で核譲歩迫る」の中で、「北朝鮮が狙ったアメリカとの直接交渉の道が閉ざされたことである、2度目の核実験と実施でアメリカと交渉することは、北朝鮮を核保有国と認めることになるからだ。」と書かれていますが、そうでしょうか?
むしろアメリカは核拡散を最終目的として、北朝鮮の核保有を認め、国交正常化の方向で動きているように見えます。
テロ支援国家指定解除は拉致被害者解放なしに無いと言われていましたが、実際にはあっさり解除されました。
アメリカの多くの専門家も北朝鮮が核を手放す可能性は無いと考え、現実的な路線をとれとアメリカ政府に対して言っているようにも思えるんですが。
北朝鮮の日本だけを排除するという外交方針は、ここ最近をみると見事に成功しています。
アメリカは6カ国協議に復帰すれば実質2国間協議をやると言っています、
私はいずれアメリカは北朝鮮を核保有国として認めてしまう気がするんですが、神浦さんは最近のアメリカの動きを見てどう感じるでしょうか?
コメント
アメリカは唯一核兵器を使用した国として、また世界最大の核兵器保有国として、国民性で核攻撃を恐れているのは日本人の比ではないと思います。
ブッシュ政権はインドの核保有を認める政策を行いましたが、パキスタン、イラン、北朝鮮の核には非常に神経質になっています。密かに米国内に持ち込まれた核兵器で、核テロが起きる恐怖に怯えているからです。
また中国は北朝鮮が核兵器保有国として「核の威嚇」を中国に行うことを警戒しています。中国のケ小平自身が、直接、北朝鮮の金日成主席(金正日の父)に非核を約束させたこともあります。
また、私は世界の核兵器廃絶を支持していますが、朝鮮半島で本格的な核保有国が誕生すれば、日本が直ちに核武装すべきと主張する者の気持ちも理解できます。しかし支持はしません。またアメリカは日本の核武装を潰すため、強引に日本に核兵器を持ち込む可能性もあります。
あらゆる点から、北朝鮮が核保有国になることはできません。そのための6カ国協議ですから、米中関係、日中関係が成り立ちます。もし、北朝鮮の核保有を許せば、東アジアは核戦争の可能性を持った世界で最も危ない地域になります。また、日本や韓国の今の軍事力では、そのような軍事緊張に耐えることはできません。
アメリカは北朝鮮に決定的な大技(おおわざ)を出せないでいます。そこで北朝鮮に揺さぶりをかけるために、いろいろな小技(こわざ)を仕掛けています。今はその段階だと思います。
2009年10月7日
日本がステルス機を盲信するのは危険です
届いたメール
私は元陸上自衛隊高射特科隊員です。
これは憶測ですが 米国は既にステルス機を捕捉する手段を開発したと考えています。
9.11テロによって防空能力を強化しなければならなくった米国がステルス機に対する盾を持たぬままステルス戦闘機であるF-35を海外へ輸出するのは国防上ありえないと思うからです。
軍事において攻撃と防御は表裏一体に考えられるものです。 最初のステルス攻撃機F-117が開発された段階でステルス機に対抗する手段も研究された筈です。
莫大な資金を投じて開発したF-117やB-2やRAH-66やF-22は既に生産中止となったか生産打ち切りが決まっています。 冷戦終結による軍備縮小が主な理由のようですが隠された真実があるのではないでしょうか。
現在完全なステルス機を保有しているのは米国だけです。その米国が対ステルス戦術を見つけてしまったとしたら... 米国は重大なジレンマを抱え込んでしまったのかもしれません。
航空自衛隊は次期主力戦闘機候補にF-22をあきらめF-35に関心をもったようですが ステルスを絶対的なものと妄信しているようで非常に危惧しています。
国内で売られている航空雑誌もほとんど全てステルス機を絶賛しています。しかしステルスこそ第5世代戦闘機の必須条件としたのは米国の情報操作によるものではないでしょうか。果たして私の考えている事は間違っているのでしょうか。
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先日、日本のFX関連で、大手町(東京)でユーロファイターの「タイフーン」の紹介イベントがありました。対象はメディア関係者です。
そこで説明したタイフーンのテストパイロットの意見とまったく同じで驚きました。
彼らはF22が第5世代戦闘機という考えがあやふやで、タイフーンを4,5世代戦闘機といういう呼び方にも反発していました。また、マルチ(多用途)戦闘機という特徴に注目して欲しいし、F22のステレス性能だけを重視するのは誤りと話していました。
さらにステルス戦闘機であっても、複数機が連携してレーダーを照射すれば、レーダー波の乱れからF22を探知できるという戦術を紹介していました。
あなたのメールを読んで、まず、そちらの関係者からではないかと思いました。(笑)
日本の軍事航空関連企業は、FXがらみで深刻な打撃を受けようとしています。日本で戦闘機を作りたくとも発注がないのです。タイフーン側は日本でのライセンス生産を認めるので、日本の戦闘機生産企業の衰退を防止できるとも話していました。
しかし日本の空自のステルス信奉は過熱しています。F22がだめになって、もうステルス(F35)以外は眼中にありません。
2009年10月6日
朝日新聞の中国軍拡の特集を読みましたか。
届いたメール
5日の朝日新聞の折込紙「GLOBE」には驚きました。2面全てに、中国海軍の潜水艦を大写しで載せています。
見出しは、中国、海軍大国への胎動。中身を見ると、現在、空母建造中のドッグ周辺の潜入?レポ。防衛白書から引用した東アジア各国のミリタリーバランスの図示。おまけに、米軍空母が破壊炎上するイラスト入り(さすが小さいが)。
中国脅威論を訴えているのでしょうか。タイ、インドの空母も載せていますが、あれはスペイン、イギリスの中古であったと記憶しています。単に、数字だけで、ミリタリーバランスを論じるのはいかがなものかと思った次第です。神浦さんはご覧なりましたでしょうか。
コメント
はい、私も驚きました。記事の内容やデザインから、どうしてこんな記事ができるのか、朝日新聞の体質(限界)なのかと不思議な思いがしました。
あの記事は30年前ぐらいの表現で、読者も記者も軍事がよくわからなかった時代の化石的な記事です。
軍事という社会科学性が理解できないと、屋台で酒を飲み交わしながら論じた話が、その国の国家戦略の主体を示す話になります。
中国が未熟な空母1隻で西太平洋が支配できるなら、世界の海洋戦略で日本が悩むことはありません。もし中国の空母が完成して、西太平洋に出てくれば、日米は中国の空母防空網を破って上空を対鑑ミサイルを通過させたり、空母の近くに潜水艦が接近すれば、中国の空母戦力は無力化されます。
そのような脅威に対抗するためには、中国は空母の運用に20年以上の時間と経験が必要になります。むろんその間に、日米の海軍力は技術的に数倍の進歩をとげますから、永遠に中国は空母で西太平洋の優位を確保できません。
あの記事を読んで、軍事を知る多くの人が違和感を持ったと思います。スパイと間違われたことを自慢するなど無用のことです。要はいかに重要な情報を得るかにかかっています。
また相手に宣伝(コメント)の機会を与えてやって、それで重要な情報を得たと判断するのは危険です。その考えを否定する質問など行い、その反論などを同時に掲載すべきだと思います。
しかしあの記事は、日本の軍事知識の水準を理解するものとして、ながく語り継がれるものと思います。非常に残念です。
鳩山政権の普天間移転協議が始まりました。
届いたメール
グアム取材はたいへんごくろうさまでした。取材報告を楽しみにしているところです。
沖縄の普天間基地の移転事案について、鳩山政権の官房長官、外務、防衛、沖縄担当の各大臣の協議が2日、開始されました。
この事案をどう扱うかは、軍事的観点での認識の整理(統一)を踏まえて(これがあれば、米側=米国防総省とも本音で話し合うことができるのではないかと思われます)、在沖米海兵隊のグアム移転をどうするのか、という点がカギを握っているのではないかと考えています。
神浦さんの報告と所見が本当に楽しみです。
コメント
下段の「メールにお返事(10月3日)」と、今月の「所長のご挨拶」に、とりあえずグアム取材の一部を書いておきました。
問題はグアムに移転する海兵隊の任務です。そのように考えると、グアム海兵隊では二つの事例しかありません。
ひとつは朝鮮半島に向けた沖縄配備だったように、東南アジアや南アジアの有事に備えた前方展開部隊です。しかし中東方面は陸軍、空軍、海軍が統合運用されますから、グアム部隊はカリフォルニアの第1海兵遠征軍(ペンドルトン)に編入されて運用されると思います。
もうひとつはハワイの太平洋軍司令部のように、西太平洋とインド洋を任務エリアにして海兵作戦をする策源としての任務です。例えば、ソマリアへの上陸作戦や東南アジアのイスラム原理主義過激派への攻撃です。制圧作戦は限定的で短時間で終了するという特徴があると思います。一番目の任務と異なるのは、グアムの基地では演習場がないので、2では作戦部隊の主体にはならないと思います。
しかしこのふたつでも、グアム海兵隊には荷が重いと思います。
結局、緊急展開部隊が交代で待機する前方展開部隊で、海兵隊の家族はハワイに住むような気がします。グアムで家族が一緒に生活すると、生活がかなり制限されて不満が高まると思います。
2009年10月3日
グアムでは噂ばかり先行しています。
届いたメール
グアムの視察旅行ご苦労様でした。
台風の影響で、早々と航空基地の広報は、エアショーの中止を宣言しました。ところが台風の影響は大したことなく、実行しても問題なかったようです。しかし台風が三つも続いていますから、明日来襲するメローが心配です。
それでも上空から、グアムの将来像を推察されたのはさすがです。インフラを考えると、島から観光事業は全て締め出し、軍事一本の要塞化しないと、グアムは狭いでしょうね。そういう意味でも、軍はグアム政府に明快な将来図を示せないのだと思います。そんなわけでもないと思いますが、島では噂ばかりが先行しています。
島の生活の一部を紹介しますと、ローカルが運営するアッパータモンの日産整備工場は、朝の六時にスタッフが来ます。同じ頃、小学生達はスクールバスを停留所で待っています。中学、高校はその30分ほど後になります。日本人学校のバスは8時に迎えに来ます。程度の差はあっても、学ぶ人や働く人はみんな一生懸命です。島民のことを真剣に考えないと、海兵隊の移転は解決しそうで、長引く要素も含んでいます。これからも注意深く見守ってください。
コメント
グアム北部で南太平洋戦没者慰霊公園を探した時、間違って郊外の貧しそうな住宅街に入り込みました。その時、どこかで似たような光景を見たと考えました。そこで気がついたのは、ロサンゼルスで暴動が起きたとき、暴動の中心部のサウスセントラル地区の街並みと似ていました。おそらくグアムでも最も貧しい人が住む場所で、現地の人なら誰も近づかないような雰囲気でした。
日本人旅行者が闊歩する繁華街だけを見ると気がつきませんが、グアムから観光を引けば空軍基地と海軍基地しか残りませんね。もしグアムから観光業と軍関係の雇用を引けば、本当に貧しく寂しい島になりますね。
また国際的な観光地と米軍の巨大基地が共存できるか心配です。ご存じのように、グアムは日本からのツアー料金が安いので、日本の若い女性の観光客(グループ)が驚くほど多くいました。その中には、危なそうで見ておれない人もいました。深夜2時頃、空港に向かう帰りのバスの中から、人通りのない街を一人でホテルに歩いて帰る若い日本の女性です。おそらく本人は危ないことに気がついていないのでしょう。
米海兵隊がグアムに本格移転をすれば、基地周辺に米兵が楽しめる場所がないので、日本人女性観光客と深刻な問題が多発すると思いました。基本的に米軍の海軍や空軍の兵士と、海兵隊の兵士とは異質ですから。海兵隊の首脳がハワイを希望するのは、そのあたりの事情もありそうです。
それからアンダーソン空軍基地以上に、驚いたのはアプラ海軍基地の狭さと浅さです。海軍特殊部隊が使う潜水艦などの基地には適していますが、空母や強襲揚陸艦を使うような作戦の策源にはなりませんね。それに事前集積できる艦船の配備や倉庫群の建設に制約がありそうです。現在のグアムの事前集積量はかなり限定的なものではないかと思いました。
ご指摘のように、グアムから観光事業をすべて締め出し、軍事一本の要塞化しかグアムの軍事拠点化は無理です。例えば、グアムの北部(島全体の半分)を演習場にするくらいの規模です。しかし米海兵隊もそこまで大事をやることは躊躇うと思います。
米軍再編で海兵隊の苦悩は深刻だと思いました。
2009年10月2日
アフガンに自衛隊の派遣を考えてみては。
届いたメール
前略、TV・ラジオ等メディアでの神浦さんの意見を拝聴している者の一人です。
昨今アフガンへの人的貢献等がマスコミを騒がせていますが、神浦さんは陸自の同地への派遣についてどうお考えでしょうか?
私の非常に偏った私見ですが、たとえ犠牲者(戦死者)が出ても一度派遣するのも長い目で見ると貴重な経験になると思うのですが、いかがでしょうか?
但し、お亡くなりになる隊員やご家族にとっては大変御気の毒とは思いますが...。
組織結成以来誰一人実戦を経験したことが無い陸上自衛隊。その経験はいかなる演習にも勝るものだと思います。つらい体験をするとは思いますが、将来の国防を考える上大きな教訓になるのでは?
コメント
「日本はお金を出すだけで人はださい。日本の援助は血を流さないから感謝かれない、だから日本も自衛隊を戦地に派遣した方がいい」という言葉を聞いたとき、自衛隊員の一人は「国のために血を流すか、死んでくれ」と言われたように感じたそうです。
どのような国家でも、本人が求めない死を国が求めることは間違いと思います。もし自衛隊員が祖国を守る戦争なら、喜んで死地の戦場に向かうと思います。日本が軍事侵略を受ければ、その危機で、真っ先に死んでいくのが自衛隊員たちです。その覚悟は出来ていると思います。
しかしブッシュ政権とネオコンが始めたアフガン戦争で、戦争の意義もわからぬまま、アメリカとの関係を維持するために死んでこいと言われたのでは死ねません。しかしオバマ政権ではタリバンとの関係を見直し、同時多発テロの主犯としてアルカイダ殲滅にアフガン戦争の焦点を絞りつつあります。
私はアルカイダは「世界の敵」として攻撃を支持しますが、タリバン全員を殲滅するような戦争には反対です。タリバンにはオマル師のようにアルカイダとの同盟を主張したものもいますが、全員がアルカイダを支持しているわけではありません。かならずアフガン復興で協調できる人たちもいると思います。
今は、アフガンでタリバンをアルカイダから切り離し、アルカイダと切れたタリバンには安定と仕事を確保し、祖国復興に働くことを支援すべきと思います。おそらくオバマ政権のアフガン和平戦略も同じだと考えています。
そこで日本がアフガンで何をするかです。アフガンに自衛隊を派遣することにこ拘るべきではありません。アメリカ政府、日本政府、外務省、防衛省、自衛隊ともに、アフガン派遣を想定していません。また死ぬために自衛隊を派遣するなど論外です。
2009年9月16日
ビルマは治安がよく、賄賂が全然無いーーと聞きました。
届いたメール
神浦さんこんにちは。 先日、6年ほどビルマで上座部仏教の修行を積み、最近帰国した方とお話しする機会があったのですが、その方から聞いた意外な情報で
「ビルマは物凄く治安が良く人も良い人ばかりで腐敗が全然無い」
という「ええっ?」と言いたくなるようなものがありました。
厳格で教条的な上座部仏教の国で、しかも長年の軍事政権で腐敗堕落は頂点に達し、さしずめ「リアル北斗の拳状態」の国だと思っていたのですが、こんな答が返ってきたのは驚きでした。
「ビルマは僧侶として修行するにはもってこいの国で、逆にタイとかスリランカなんかだと、いつも政情不安で互いに疑心暗鬼。僧も権謀術数三国志の才能が欠かせなくて修行どころじゃない」
一瞬このお坊さん実は軍事政権の広報官か?と思いましたが、少し考えると別の点が見えてきます。
タイやスリランカのように民主政治の場合、常にクーデターや内戦が付きまといます。その点ビルマは軍事政権が「国とは、有形無形の暴力装置だ」という思想を徹底させていて、治安が安定しています。
似た例はパクチョンヒからチョンドゥホワン、ノテウまでの韓国の軍事政権も同じで、この時期に韓国に長く滞在した商社員の方が 、「あの時代の韓国は政治も経済も恐ろしく安定していて、暴力団も賄賂も無く、日本と同じくらいか、それ以上に治安が良かった」
とTVで話していました。
こういった例を見ると、「それぞれの国の民主政治」があると感じます。アメリカは地球上どこでも「米流の民主政治、法治社会」を強要したがりますが、「アラブ流民主政治」「アフリカ流民主政治」他の「ご当地民主政治」もあって良いでしょう。
軍隊とは暴力装置であり、軍事政権は国そのものが軍事と一体化するのですが、これら事実は日本にも将来の政治へのヒントを与えてくれています。
コメント
市民と接することなく、政治とは関係なく、社会と関係を絶って修行に集中していれば、そのような意識が生まれることが考えられます。
しかしサイクロンの大洪水に見舞われ、住む家や、田や畑を流された貧しい人々の苦しみを救うことはできないと思います。
軍事政権は反対する者や従わない者は徹底的に取り締まりますが、軍事政権に従順な者には危害を加えません。その点で軍事政権では、反体制派と暴力団は同列に見ていると思います。
逆に、今のミャンマーに伝統的な織物などを勉強しに行くと、政治に関与しなければ”穏やかな生活”が得られるのないでしょうか。しかしそれが出来ないのも人間社会なのだと思います。
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実は、13日(日)からカミさんと2泊3日で、鹿児島県の屋久島に縄文杉を見に行く予定で準備していました。しかし鹿児島港から屋久島まで行く高速船が、流木のために休航してしまいました。(今も休航だそうです)。流木は台湾の台風被害で流れ出したもののようです。そのため屋久島ツアーもキャンセルで、しかたなく千葉県の養老渓谷や南房総を気ままに旅行してきました。(カミさんはウォーキングに興味があります)
途中、勝浦の三日月ホテルで、1億5千間円の黄金風呂(一人用)に入ってきました。大浴場の隅にガラスで囲まれた空間においてありました。早朝、大浴場に行くと私一人でした。そして5時45分に黄金風呂のガラス戸が開かれ、存分に黄金を楽しんできました。
移動にはレンタカーを使わず、電車、バス、タクシーで、景勝地では汗だくで歩きまわりました。そこで、改めて地方の町の荒廃ぶりを実感しました。昔の商店街はシャッター通りに変わっていました。平日でしたが、町に人が歩いている姿はわずかでした。館山からは高速バスで東京駅に向かいましたが、その高速バスには東京に買い物に出るお客さんらしき人が10人ぐらい乗っていました。高速バスは高速道路と東京湾トンネル(アクアライン)を使えば片道が約1時間半です。
大型液晶テレビは東京の家電大型量販店で買うそうです。往復の高速バス代、テレビの配達料を引いても、地元で買うより東京の方が安いそうです。これが地方を荒廃させるストロー現象なのですね。
2009年9月12日
アメリカが北朝鮮と協議を始めると発表しました
届いたメール
こんにちわ。 こんなニュースが飛び込んできました。
「北と2国間協議を行う用意」 米国務次官補
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090912/amr0909120928003-n1.htm
アメリカはずっと否定してきましたが、結局二国間協議をするようで、北のペースに完全にまはってるなぁと印象をうけました。
私はこれは北朝鮮の核保有容認、そのうえで国交正常化にすすむシグナルと考えています。
神浦さんは米朝二国間協議開始についてどう思われるでしょうか?
コメント
米朝が直接交渉を開始しても、国務次官補はあくまで6カ国協議の枠内で行い、北朝鮮を6カ国協復帰させるためと説明しています。
アメリカが単独でこの枠をはずれることはないと思います。
今回の声明を出す前にアメリカ国務省のボスワース北朝鮮特使は、中国、韓国、日本を訪問し、6カ国協議の枠内と説明し、了解を得ています。
今回の声明は、現在、膠着した対北朝鮮関係の打開をはかるアメリカの作戦で、さらなる事態の悪化を避けるだけで、北朝鮮の非核化なしに米朝の国交正常化はないと思います。
ですから北朝鮮が主導権を握っているのではなく、アメリカが主導権を握っていることを北朝鮮に理解させるための交渉だと思います。
2009年9月8日
政治(軍事)のことがよくわかりません。勉強の仕方を教えてください。
届いたメール
こんばんわ。 0000 と申します。 20代の青年です。
私は政治がわかりません。 政治家の考え方がわかりません。 どうやったらわかるようになるのでしょうか?
昔、公民と言う教科を勉強しましたが、 スポーツにたとえるならば、ルールしか載っていなかったように記憶しています。
今回の選挙の前に、全ての政党の選挙公約を読みましたが、どう判断したらよいかわかりませんでした。よろしければ、政治の勉強の仕方をお教え下さい。
コメント
先月、奈良の方(20代後半、男性)から、「軍事の勉強の仕方を教えてください」というメールを頂きました。これには困りました。いろいろ考えていますが、まだ返事が書けないでいます。今度は政治ですか、難しいようで、簡単なようで、どうすればいいのでしょうね。
私が初めて政治(主に軍事)に関心を持ったのはベトナム戦争です。自衛隊(生徒)を辞めてからですが、このままでは自衛隊の同期生がベトナムに送られて戦死するという危機感からです。
それから定時制に編入した同級生に部落出身者がいて、いろいろと部落差別の実態を聞いてから、差別というものに関心を持ちました。ベトナムからリフレッシュ休暇で岩国基地に遊びに来た黒人米兵たちと広島市のデスコで騒いでいましたから、彼らから黒人差別も知ることができました。
軍事に関心を持ったのは28歳の時に、北アフリカのアルジェからサハラ砂漠に入ると、モロッコと緊張が高まっていた国境地域を通過しました。そのとき、本当に戦争が起きているのだと実感し、本気で軍事の勉強する気になりました。
政治も軍事も、ただ眺めていたり、本を読んでいないで、いろいろと関心のあることに行動し、好奇心を膨らませると楽しいと思います。そんなことしか言えませんが、社会的な関心を持ち続け、知識欲が旺盛な方が楽しいと思います。
昔、若い頃に、「10日間で軍事がわかる」というような本を読んだことがありますが、やはり十分な理解は無理ですね。鶴亀算(つるかめ算)を勉強するのと違いますからね。「猿でもわかる軍事の本」「10歳からの軍事学」「軍事学・初級講座」「戦場の歩き方」なって本が出ても、買わない方が無難です。
とりあえず、小説「坂の上の雲」(司馬遼太郎著)でも読んでみたらどうでしょう。かなり軍事の世界を知ることができると思います。
2009年9月5日
本当に自衛隊がアフガンのISAFに派遣される可能性はないか。
届いたメール
神浦さんのホームページを新聞を読むときの参考にしてもらっています。
イギリス在住のものです。
日本では自民党政権から民主党政権にかわるようですね。民主支持ではないのですが、これは非常によいことだと思っています。 が、一つだけ気になることが。
自民党政権下ではインド洋での海上補給を押し進めるかわりに、アフガンへの自衛隊派遣という言葉はあまり聞かれなかったと思います。もしくは、そのようなことが大きく表に出ていないだけで政府として進めていたのかは知りませんが。
民主党はインド洋での海上補給を認めない方針です。小沢氏はISAFとしてアフガンへ自衛隊を送るということをほのめかしていたと記憶しています。小沢氏の影響力が民主党でかなり大きな割合をしめていると思われるのですが、これからの民主党政権下で自衛隊がアフガンへ派遣されることがあるのでしょうか。両院で民主優勢の中、自衛隊派遣決議自体は、もし法案が提出されれば簡単に通りそうなのですが、どうでしょうか。
個人的にはありえないと思いますが、どうでしょうか。
しかし、小沢氏の過去の発言からもそうなる可能性はありえそうです。しかし、神浦さんのホームページではアメリカの現政権は自衛隊派遣を求めないといっている、と書かれていました。ですが、民主党はアメリカの影響をあまり受けたくないようなポーズが見て取れます。
なぜこの様なことを書いたかと言いますと、イギリスでは毎日、とはいわないまでも、ニュースで国旗に包まれて帰還するイギリス兵の姿がよく映されます。イギリス国民ではないのですが、絵としてかなりショックです。戦争というものに慣れているイギリスでも影響は大きいようです。さらに、この前のアフガンでの選挙で護衛に当たっていたイギリス兵が多数殺されました。それにも関わらず、彼らが守っていた地域での投票率はかなり低かったと書いてありました。新聞のタイトルは、「かれらは何のために死んだのか」でした。厭戦気分が日増しに高くなっていくのを感じています。NATOが日本に更なるアフガンでの協力を求める、というのは自国のアフガン駐留部隊を削減して、自衛隊に置き換えようとしているのではないかとも思っています。
日本ではどうでしょうか?それに、自国の兵士がそのような姿で帰還するということを日本人は戦後経験していません。いくら300議席以上とって安定した政権運営ができそうな政権でも、もしこのような絵が日本のテレビで流れたらどうでしょうか。日本人は、そして政権はそれに耐えられるのでしょうか。正直無理だと思います。このようなことは誰でも頭にあることだと思うので、民主党が自衛隊を派遣することはないと思っていますが、先にも書いた通り、小沢氏の発言やNATOそしてイギリスの様子からみても派遣の圧力がかかりそうなのですがどうでしょうか。イラクで自衛隊からの死者がでなかったのは、ただ、運がよかっただけだと思っています。
P.S. このホームページを見だしたのは、小泉政権で日中間が険悪になってるころでした。日本の大使館だったか領事館が襲われて投石の被害にあっていたときです。それと本当にちょうど同じ日に、ロンドンの中華街では在英中国人、華僑の人たちによる大規模な反中国共産党運動が起きていました。 世の中こんなものなのかな、と思いつつ、いろいろと国際関係に興味が出てきました。その折、このページを見つけました。
コメント
小沢氏の国連主義が発展すれば、ISAFに非戦闘部隊の自衛隊を派遣する可能性はあると思います。しかし連立政権を組む社民党が反対しているので、そのような政策を押し進めるは難しいと思います。また、民主党の中にも旧社会党系の人がいます。その人たちの反対を無視すれが、再び小沢さんの豪腕で民主党が分裂することになります。そんな非難は小沢さんも避けると思います。
それに来年7月は参議院選です。すでに泥沼化しているアフガン戦争に自衛隊を派遣すれば、参院戦での悪影響は大きく確実になります。アメリカとの関係がどうのというレベルの話ではありません。
むろん自衛隊員や家族の一般票もアフガン派遣に反対です。自民党は3年前の7月の参院選で、自衛隊員(家族)に不評なサマワ派遣を終了して、選挙前の5月に、日本に陸自部隊を帰国させています。
日本のアフガン復興支援は非軍事で行うことが強まると思います。日本の外務省もすでにその方向で動き始めているという情報が、日本のNGO(アフガン関係)などから入ってきています。(例えば、日本のNGOにアフガンで活動するために軽装甲の車を義務づけるように要請した。その軽装甲車は1日1台3000ドルのレンタル料がかかるそうです)
それからアデン湾の海賊対策ですが、これは日本の場合、海保の巡視船や航空機が行う任務で、海自の護衛艦を長期間にわたって投入することは無理があります。しかし海保の巡視船で海賊のRPG7(携帯式対戦車ロケット弾)に耐えられる船は1隻だけです。確か、ダメージコントロール設計の3隻を建造中と思います。この外用型巡視船3隻が完成すれば、海自の護衛艦と交代させることが可能です。それまで民社党も海自のアデン湾派遣を容認すると思います。
ついでに言えば、沖縄の普天間基地の代替えでキャンプ・シュワブ沿岸(辺野古沿岸)にV字滑走路を持つ海兵隊の基地建設ですが、今回の衆院選挙で沖縄の自民党候補は全滅です。それでなくとも地元の反対で日米政府が合意した新基地建設に必要な環境アセスメントの調査もできない状態です。そのような政治環境から、キャンプ・シュワブ沿岸の普天間基地代替えの新基地建設は、民主党の主張のように@沖縄以外の他県に建設か、A外国に移転になると思います。しかし国内の他県となると、岩国基地ぐらいですが、その他の県では難しいと思います。ですからグアムかハワイに移転する可能性が高いですね。
今日の毎日新聞(5日付け、朝刊)では、新外相に岡田氏が内定したようです。この問題を日米間で話し合うには最適の布陣だと思います。今の課題は、はたしてアメリカが新たな合意で日本に何を求めてくるかですね。今は日米双方のハラの探り合いで、キャンプ・シュワブ沿岸基地建設はすでに諦めていると思います。
軍事というのは、そこまで読むことが可能です。
そうそう、自衛隊員が海外の戦闘で死亡して、日の丸に包まれた棺で帰ってくるような光景に日本人は耐えられないと思います。それは日本人が弱虫になったという訳ではなく、日本人の意識が戦争を罪悪と強く認識しているからだと思います。その分、海外の平和貢献で死亡した日本人には高い敬意を示すでしょうね。
2009年9月4日
インド洋の給油活動が憲法違反の理由は。
届いたメール
神浦さん こんにちは。初めてメールしたします。岡山県に住む37歳の会社員(製造関係)です。大学を卒業後、28歳まで航空自衛隊に勤務していました。00と申します。28歳の時に家業を継ぐために自衛隊を退職して郷里に帰ってきました。
神浦さんのホームページは3年ぐらい前から読み始めました。新聞やテレビにはない視点や、わかりやすい解説が気に入っています。
今日は神浦さんに質問があります。ご面倒でも、お時間がありましたら教えてください。
私がいつも疑問思っていたことですが、民主党の幹事長に決まった小沢一郎さんが、以前、「インド洋で行っている海自の給油活動は憲法違反だ」と話されていましたね。別に海自は戦闘海域で給油したり、戦闘をしているわけではないですようね。それなのになぜ憲法違反といわれるのかわかりません。
また小沢さんは、アフガンのISAFに自衛隊が参加することは可能(憲法違反ではない)とも話もされていたと思います。しかしアフガンでISAFは激しくタリバンと戦っていますよね。私にはISAFに自衛隊を派遣する方が憲法違反のような気がします。
どうして小沢さんがあのように話されたのか疑問です。確か、小沢さんのご子息は防大から海自の幹部に任官されたと思います。それだけに防衛問題にうとい方とは思えません。そのあたりのことを神浦さんが知ってることを教えてください。
以上が私の質問です。よろしくお願いします。
これからも神浦さんの情報発信に期待しています。頑張ってください。 微力ですが応援しています。
コメント
確かに小沢さんはインド洋の給油は憲法違反と話されたことを覚えています。小泉政権時代に海自のインド洋派遣を国会で議論していた時でした。私も海自のインド洋派遣は憲法違反と思っていました。(今も)
その理由は、インド洋に自衛隊を派遣することは、双方で停戦が合意し、双方の依頼で停戦監視や復興支援に自衛隊を派遣する国連PKO活動協力法ではありません。アメリカを中心にした多国籍軍(有志国)がアフガンで戦っている。それも国連決議ではなく、アメリカが同時多発テロの犯行グループとして特定したアルカイダと、アルカイダと同盟関係のタリバンを壊滅させるためです。アメリカは国連の承認はいらないと断ったのです。国連から制約を受けるからです。
ですからアフガンの戦争はアメリカの戦争という位置づけになります。そのアフガンの戦争をインド洋で支援するのはテロ特措法という法律で、インド洋に海自の補給艦を派遣し、アフガン戦争に参戦する国の艦船に給油や補給(水など)などを行ったわけです。しかし補給艦は武装していません。戦場で戦うことを任務にした各国の艦船に、補給するわけですから護衛艦1隻で護衛にあたらせました。これも戦力の行使を禁じた憲法違反に当たると思います。
ですから、その後、大きな政治問題になりましたが、イラン戦争に従事している米軍の艦船に海自が補給していた事実が判明します。アフガン戦争に限定しているテロ特措法では、そのことは許されないです。以上がインド洋の補給が憲法違反にあたる理由です。
それではなぜ小沢さんがISAFへの自衛隊派遣が憲法違反にあたらないと考えたかというと、ISAFは国連の決議を経て派遣された国際部隊で、国連からの制約を受ける国際部隊(主にNATO軍)です。アメリカ政府の自由意志で指揮できる部隊ではありません。またISAFの中でも、戦闘を主目的にしないヘリ輸送部隊や医療部隊なら、憲法違反にはならないと小沢さんが考えた可能性があります。そのあたりは安部前首相と同じ発想だっと思います。安部首相(当時)も麻生外相(当時)と組んで盛んにISAFへの自衛隊派遣に動いていましたから。
このあたりは私と違う考えのところです。私はISAFでも戦闘が激しいアフガン南部などに自衛隊を派遣することは問題が多いと思っています。しかしアメリカはブッシュ政権末期になると、自衛隊のアフガン派遣を求めないと言うようになりました。オバマ新政権になるとさらに堂々と日本に地上軍派遣を求めないと発言しています。
それよりもオバマ政権が日本に求めているのは、アフガンの治安回復や復興支援に日本の資金や民間(NGO)などの協力です。最近は、アフガンのアメリカ軍自身が戦闘だけではアフガンで勝てないと言い始めています。
オバマ政権も発足して8ヶ月でまだ3年ぐらいは次の大統領選挙を意識しないで政治活動に専念できます。日本の民主党も衆院の任期は4年ですから、308議席あれば解散を意識しないで3年間ぐらいは政治に専念できます。今まで、2年間に4人の首相が交代したときとは比べものにならないほど、これからの3年間に日米関係は安定して外交に取り組むことが可能です。
わたしは神が与えてくれたような気分で、これからの3年間の日米外交に期待しています。
2009年9月3日
政権を取った民主党の政策予報をやりませんか。
届いたメール
神浦さんこんにちは。
一昨日の衆院総選挙開票速報はあさま山荘攻防戦か玉音放送並の本当に衝撃的な内容でした。
民主党政権が今月中に成立する運びで、長年国防族や既得権、硬直した運用や行政で縛られてきた自衛隊について警鐘を鳴らしてきた神浦さんにとってもこれから明るい展望があるとお察しします。
そこで!というのも大げさですが民主党政権になってからの軍事外交のどういった方向に進むかの「週間予報」「半月予報」「1ヵ月予報」「3ヵ月予報」を行い、併せて当該日数の過ぎた後にムーディーズやS&P風に◎、○、△、×、××と「格付け」をされたらいかがでしょうか。
例)
TK-X、改ひゅうが級の調達中止、また代替案も禁止は一種強引のようでも「重厚長大脱却」にショック療法として効いた。…○
議員と防衛産業の接触に厳しい制限を党則として課した。…◎
民主党前原派、自衛官の階級名と職種名の日本軍化と艦艇名の漢字化を提案。いくら風通しの良い党でも、はしゃぎ過ぎ。…×
自衛官採用で昭和期の「福祉枠」復活。それ自体は良いが、「民生委員」「少年課警察官」等を正規に協力者にしたのは採用側の威信低下に繋がった。…△
自民党政権末期の「PAC3馬鹿買い」等無駄遣いを「予算執行せず」ときっぱり切り捨てたのは良いが、違約金交渉が少々下手だった。…○
といった具合です。 期待実現か失望か、定期的にリアルタイムで判り人気記事になると考えます。
コメント
さすがに漫画(アニメ)の専門家だけあって、考えることが私とは思考回路が違うと認識しました。
まあ、これからも民主党に期待していますが、民主党の中にも危ない人もいますから、よく見てチェックし、批判や反論も怠りないようにするつもりです。
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ところで8月中のメールにお返事の掲載が少なくなりましたが、これは夏休みで頂くメールが少なかったという理由もありますが、7,8月にパソコンを全面的に転換し、新しいノートパソコンで最新のソフトなどに切り替えたため、私には解決できない不都合なトラブルが発生したため、メールを掲載してお返事をかくことができませんでした。
しかし昨日、ほぼすべての技術的な問題が解決し、今朝は久しぶりにスムーズに更新することができました。これからはメールにお返事を更新できると思います。また新しい企画の展開も可能になりそうです。このホームページもより大きな展開に向け、無事に脱皮できたような気分です。
7,8月の間、せっかく貴重なメールを頂いても掲載できなかった方が数人ほどいます。申し訳ありませんでした。頂いたメールは今後、時期をみて掲載したいと思います。
さあ、9月です。夏休み気分を引き締めてがんばります。よろしく。
2009年8月17日
中国の情報統制を骨抜きに!
届いたメール
ネット上での情報戦において、かなり重要ではないかと思われるニュースを見つけましたので、ご感想をいただければと思いメールいたしました。
中国の情報統制を骨抜きに=米がネット監視回避技術を開発
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&rel=j7&k=2009081500156
中国政府が有害情報へのアクセス遮断などインターネット規制を強める中、米政府系機関、放送管理委員会(BBG)が、政府の監視網を逃れることを目的と
した、新たな情報技術(IT)をテストしていることが15日分かった。新技術は中国のネット情報統制を骨抜きにするものと言え、今後、米中関係の新たな摩
擦要因となる可能性がある。
英字紙チャイナ・デーリーがBBGのIT部門責任者の話として報じたところによると、「FOE」と呼ばれる新技術は、暗号技術を駆使して政府のチェック を受けずにニュースや情報を閲覧してもらう仕組み。既にテスト開始から半年が経過しており、年内にも利用が可能になるという。(2009/08/15- 12:55)
コメント
インターネットやGPSはアメリカの軍事技術によって開発されたものです。その一部が民間に開放されましたが、元来は軍事技術のためにいろいろな隠された仕掛があると思います。
一種の トロイの木馬ですね。私はネットに関しては素人なので具体的なことは言えませんが、中国がネット規制を強化すれば、それを無効に出来る仕掛があっても不思議ではありません。もともとは別の目的のために開発された技術でも、ネット規制に対応できる機能があるのでは。
携帯電話も同じです。女優の酒井典子さんが行方不明になったとき、山梨県で携帯電話の電源が入ったとことがあると報道されていましたが、携帯電話さえ持っていればGPS機能がなくとも所在を探知することは容易です。
他にもデータをデジタル化することで、いろいろな軍事作戦が可能になっています。水中のいろいろな雑音から潜水艦の音だけを聴取することは、音感のすぐれたベテランのソナーマンがいましたが、今はデジタル解析装置を通すだけで、だれでも海中の潜水艦の音を聞き取れるようになりました。
今は民間の技術開発のスピードも速すぎて、最新の兵器に応用しても、陳腐化する年数も短くなってきています。それが軍事技術ならなおさらです。私はアメリカでF22戦闘機が生産中止になったのは、高価というよりも技術進化が早すぎた(高性能すぎた)のが原因と思っています。
2009年8月15日
北朝鮮から武装難民が来る可能性は?
届いたメール
以前に一度メールさせて頂きました、おひさしぶりです。
12日のWhat's Newで、中国の軍事演習は北朝鮮有事に備えたものであり、北朝鮮から逃げてくる避難民を中朝国境で阻止するために武器や弾薬よりも大量の兵力集中が必要となる、とありました。
日本の場合、北朝鮮との国境はありませんが日本海側の広範囲に難民がやってくると思います。その中には武装した元軍人などもいるでしょう。
そこで質問ですが、自衛隊の兵力でそれらを阻止することは可能なのでしょうか。自衛隊は兵力を削減して質を向上させようとしていると思います。即応予備自
衛官などを活用しても、自衛隊の兵力は限られているでしょう。質の向上も大事でしょうが、やはり数も必要ではないでしょうか?
北朝鮮有事の際、日本・自衛隊はどのような対応をするのでしょう?
長くなりましたがよろしくお願いします。
コメント
まだ自衛隊が数を減らして質を向上していないと思います。自衛隊は定員があるので、その人数を維持するために必死に募集を行っています。また大規模災害派遣や国際貢献などで、自衛隊の兵器の質が向上しても自衛隊の兵員数を削減できない理由もあります。
自衛隊の兵器の質を高めることは抑止力(外国が日本に武力行使をしない)を高めることになります。ですからハイテク化やロボット化は避けられないと思います。
それから北朝鮮崩壊で武装難民が日本に押し寄せる可能性ですが、一時期、日本に何十万人の武装難民が押し寄せてくると主張された時があります。しかし、私はそんな事態にはならないと主張した一人です。
北朝鮮から日本に逃げて来ることは「徹底した反日教育」を受けた人々には強い抵抗があるでしょう。それに組織された集団が海を渡るということは想像以上の困難さがあります。
私が考えている例は、北朝鮮国内で今まで人々を苦しめていた保衛部(国内治安組織・人民監視組織)などの武装集団が貨物船を奪って脱出し、日本海で漂流中に日本漁船に救助されたり、日本の海岸などに漂着するような場合です。
そのような武装集団を武装解除し、感染症の診断を行い、逃亡の恐れのない施設に収容し、韓国に送り返すことだが大事と思います。
無論、日本海や東シナ海には、自衛隊や海上保安庁の艦船が警戒し、海岸付近には警察や消防などの監視所が必要と思います。海岸に漂着した北朝鮮軍兵士が5〜10人でも、AK自動小銃やRPG7対戦車ロケットなど持っていると、警察力では武装解除をすることは難しいでしょう。そのような情報が入れば、特殊作戦群などが出動すると思います。また北海道などの陸自部隊も関東や西日本に移動し、武装難民の警戒にあたるでしょう。
一般の難民は、身体検査や健康診断を行い、日本国内の一時収容施設に入れて保護し、時期をみて韓国に送還することになるでしょう。
つい10年前までには、北朝鮮から何十万の武装難民が北九州や山陰の海岸に押し寄せ、自衛隊とし烈な戦闘を行うと主張した人たちがいました。だから今のうちに自衛隊の予算を増やせという意味です。かなりレベルの高い人の発言です。さすがに最近はそのような意見を言う人は皆無になりました。
2009年8月13日
グアムのアンダーソン空軍基地でF22が見られます。
届いたメール
お久しぶり。00です。 メールで情報が更新されていないので、ニュースを一つ。
航空自衛隊が欲しがっていたF-22A ラプターを見ることが出来ます。九月三十日、グアムのアンダーセン空軍基地で、エアショーが開催されます。この日はサンダーバードのデモンストレーションも有るので、戦闘機ファンには興味ある一日になるでしょう。
http://www.andersen.af.mil/news/story.asp?id=123140404
コメント
興味ある情報ですね。行けるかどうか、調整してみます。
実はまだF22の実機を見たことがありません。また飛行中の運動性能とか、問題になっているエンジンの騒音も聞いてみたいと思っていました。
それに米海兵隊がグアム移転はイヤだと言い出しているでしょう。そんなことを考えながら、グアムを見たいと考えていました。
2009年8月11日
墜落した日航機をなぜ発見できなかったか
届いたメール
先日、フジテレビ系で映画「クライマーズ・ハイ」が放送されました。日航ジャンボ機墜落事故から四半世紀も過ぎたのかと改めて気がつかされました。
ところ で、テレビではカットされていたのですが(なぜかは不明)、映画の中で、墜落地点が特定出来ない中、地元の消防団員が、スゲノ沢だと警察に噛みつく場面、 また、「地元の俺たちの話を聞けば、もう2〜30人は助けられたんだ」と言う場面が挿入されていました。
調べて見ると、実際、正確な墜落地点が判明したの が、夜明け後の5時頃、さらに生存者が発見されたのが、11時近く。墜落してから16時間も過ぎてていたことになります。生存者の証言によると、墜落直 後、まだ複数の生存者がおり、ヘリの音が遠のく度に、力尽きていったという。(吉岡忍;墜落の夏、1986年、新潮社)。
当時の夜間の捜索態勢は、通信手段、装備など限界があったかもしれませんが、この映画の場面から、なぜこれほど救援・捜索が遅れてしまったのかという疑問を呼び起こされました。先月20 日も、兵庫県で小型ヘリコプターの墜落事故がありましたが、機体の発見まで、2週間以上もかかっています。山地などへの墜落した場合、位置の特定、現場へ の急行は、現在の技術でどのような方法がとられるのでしょうか。また、85年当時はどうだったのでしょうか
コメント
その辺りの事情はよく知っています。テーマ「なぜ日航機の墜落現場特定が遅れたのか」の1点で3ヶ月ぐらい集中取材しました。日航機が迷走を始めた段階から、墜落現場が特定され、救助隊が現場に到着するまでの動きを、何度も現地に行き、多くの関係者に会って聞きました。
それを当時の週刊プレイボーイ誌に連載(5回)しています。しかし調べすぎて、公にすれば責任をとって自殺者が出かねないと思い、本にまとめることはやめました。もう25年たちましたか。あの映画は私も見ました。
ご質問の件ですが、最初に墜落を確認したのは米軍横田基地のC−130輸送機です。沖縄からの帰路で墜落の炎と煙を視認しています。すぐに現場上空に向かい、旋回して現況を報告しています。次は百里基地のRF4ファントム2機です。千葉の山頂にあるレーダーサイト(SS)が迷走する日航機を発見し、その報告で百里基地から偵察に向かっています。まだ日没前です。さらに百里から空自のV107救難ヘリが現場に向かいましたが、急斜面で救助隊員を降下できませんでした。
RF4偵察機や救難ヘリはタカンを使って位置の特定を試みます。タカンというのは電波方位測定機で2方向以上の電波の角度を測って、現在地を特定するものです。GPSはまだ日本にはありませんでした。やっとNTTが移動式の送受信車を使い、衛星回線電話を導入し始めた頃です。残念ながらタカンでは誤差が出て現地を特定できませんでした。
深夜に何度か、ブドウ峠にいる警察パトカーと空自の救難ヘリが無線で連携し、現場特定と地上救援部隊誘導を試みますが、消防自動車や救急車などの赤灯と区別がつかず失敗します。(互いを直結できる無線機はありません。実は空自の救難機と地上の陸自・偵察部隊間でも通話できる無線機はありませんでした)
結局、現場位置の特定に成功したのは、夜明けをまって立川基地から飛び立ったOH6偵察ヘリです。現場付近の地図を持って現場上空に行き、御巣鷹山と確認します。
それから習志野の空挺団に出動命令が出ます。それまで第一空挺団には待機命令も出ていません。木更津の第1ヘリ団からV107バートルが習志野に向かい、空挺部隊を収容し、御巣鷹山に向かいました。
しかし地上では陸自の第12師団(当時・今の12旅団)が長野県側(北相木村)に師団司令部を立ち上げていました。また松本の普通科連隊も救援部隊を派遣していました。
その結果、空挺部隊の降下(ロープ)が始まったころに、地上部隊も現地に到着しています。しかしそれ以前に地元の猟友会や営林署の職員が明け方に現地に到着していますが、あまりの惨状に呆然としていたようです。また群馬県警の機動隊も遅れて到着。長野県警のヘリも救助隊員(少数)を現場近くに降ろしています。
そうした救助隊が5名の生存者を発見します。その助かった人たちが、墜落直後に何人も生きていたと話しました。それで救助隊の現場到着の遅れが、救える命を救えなかったと非難されます。
これが一連の流れですが、それぞれの関係者や証言者の中に、それぞれのストーリーがあります。あまりにも凄惨な航空機事故のため、取材した内容の10分の1ぐらいしか書けませんでした。スゲノ沢の話しも、確かに事実はそうですが、それを正確に書くと大きな問題が出てきます。まさに人間らしい問題です。
そういえば明日ですね。御巣鷹山墜落は。何度か慰霊登山を行いましたが、当初は道らしい道が無く、私も太っていて現場までの登山が大変でした。
あの映画は地元新聞社(正しくは上毛新聞)の視点で描かれていますが、私は自衛隊の視点であの一夜を見てきました。東部方面総監が現場に放射性物質が散乱(汚染)という連絡を受け、市ヶ谷の総監室で黙って座っていた光景を方面幕僚長(将補)から聞いています。偵察バイクで12師団(当時。相馬が原)から出た隊員は、部隊との連絡手段がなく、上野村の公衆電話に並ぶ記者の列にならび、つながらない電話を待ち続けたそうです。
今でも当時のことが鮮明に思い出されます。そろそろあの夜に起きたことを話す時が来たのかも知れませんね。
追伸
小型ヘリが山中に墜落した場合、火災の煙などで早期の発見が可能ですが、悪天候で偵察ヘリが飛べない場合、樹木の下に隠れたヘリは発見が困難です。住民から「墜落を思わせる異常な音を聞いた」などの証言が重要になりますが、雷の音を誤認することが多々あります。
今回の発見例は、地中にこぼれたヘリの燃料が周囲の樹木を枯らし、その色の変化(茶色)によって発見できたようです。(この部分、8月15日追加記入)
2009年8月4日
日本は潜水艦の建造ができない国になる
届いたメール
先日、BSフジの番組で、森本氏が、海自が潜水艦の調達を止めたので日本の潜水艦建造能力は無くなった(下請けが離れたら 元に戻らないから)と発言していました。
軍事大国になれとは言いませんが、武器輸出禁止原則をもう少し緩和してでも、最低限の武器は経済的に自国調達でき ることが必要であると私は思います。私の最低限の武器(日本にとって)には、空母を除く艦船、ICBMを除くミサイル、制空戦闘機、を含みます。
今、日本 で技術的に一番遅れているのは、航空機用エンジンだと思っていましたが、如何でしょうか。潜水艦も建造できないとなると、半植民地から51州目への道を まっしぐらだと思いますが、如何でしょうか。
私の眼の黒いうちにはそんな事にはなって欲しくないものです。私は12月で古希です。
コメント
日本の潜水艦は毎年1隻受注し、川崎造船と三菱造船が交代で建造しています。建造に2年間をかけますので、毎年1隻が竣工(進水)していました。
しかし日本周辺には、旧ソ連軍のような潜水艦艦隊は存在しませんし、シーレーンを破壊するような脅威もありません。何度もいうように、中国の潜水艦戦力などたいしたことはありません。
そのような中で、毎年、1隻の潜水艦を建造させる必要があるでしょうか。あえて軍事産業を存続させたり、育成するために軍事力(防衛費)があるわけでないのです。
アメリカでF22戦闘機の生産を中止したのは、いくら高性能であってもアメリカ軍がF22を多数機必要とする脅威がないからです。
武器輸出禁止原則の緩和を求める声が高まっていますが、あれは日本製の武器を輸出したいというのではなく、武器の国際開発などに参加して、日本企業が世界の先端技術を得たいという気持ちがあるからです。
日本製の武器など、高価で緻密で信頼性に欠け、購入したいという国はいないと思います。規制を緩和すれば日本製の武器が売れ、単価が安くなるというのは明らかに間違いです。
軍事産業の再編は国際的な動きで、アメリカでもF15戦闘機を開発したボーイング社(旧マクドネル・ダグラス社)が軍用機部門から撤退することも考えられています。
兵器の国際化は日本だけが避けられない問題です。もし国防費にお金をかけるなら、日本に見合った抑止力の向上を考えて使うべきと思います。いつまでも同じ兵器システムを維持する必要はありません。
兵器のロボット化、ロボットと人間の混合型、兵器システムのファミリー化など、新しい波が日本にも押し寄せています。
2009年8月3日
北朝鮮からアメリカに向かう弾道ミサイルを日本が迎撃?
届いたメール
失礼します。HPに関することではなく、一般報道についての疑問です。よろしければお教えください。
自民党の衆院選マニフェストで「北朝鮮などが米国を標的とした弾道ミサイルを発射した場合に自衛隊による迎撃を可能にするため・・・」という内容が報道 されていますが、素人とし
て、地球儀的に見ると、北朝鮮からアメリカにミサイルを飛ばすなら、北極の方に飛ばすと思うのですが、これを日本の自衛隊が迎撃することは技術的に可能なのでしょうか。
コメント
出来ません。北朝鮮、中国、ロシアから、アメリカに向かう弾道ミサイルを日本から迎撃できるシステムはありません。
ハワイやグアムなら可能という人がいますが、その場合は弾道ミサイルの飛翔高度が高すぎてSM3やPAC3のミサイル迎撃システム(MD)では届きません。
要は、集団的自衛権を正当化するための方便で、軍事的な知識が無視された暴論です。そのことに堂々と反論できない野党も困ったものです。
しかし、段々とあなたのような方が増えてきて、集団的自衛権を方便で押し通すやり方に疑問を持つ人が多くなっています。集団的自衛権を正々堂々と議論しないで、国民を方便で誤魔化すという考え方に、私は嫌悪しています。
2009年7月28日
米中戦略・経済対話は「日米安保体制」の終わりなのか
届いたメール
こんばんは。 米中戦略対話、実質的に米中同盟会議のようになってきましたね。 日米同盟終わりのはじまりも見えてきた気がします。
中国の軍拡はOK、アジアを米中で共同統治しようという発言にも聞こえます。
次期防での敵基地攻撃能力云々なんて話もありましたが、 中国側の意向をくみとるアメリカ政権によって阻止されそうですね。
尖閣はどうでしょう? 中国側は事をおこしても、アメリカは介入しないし、日本を支援する事もないという暗黙の了解みたいなものも感じますね。
神浦さんは、このオバマの発言、今後の日米同盟、米中関係をどうみますか?
■記事
オバマ米大統領「米中がどの2国間関係より重要」戦略経済対話で
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090727/amr0907272330011-n1.htm
2009.7.27 23:29
27日、ワシントンで開かれた「米中戦略・経済対話」で演説するオバマ大統領(ロイター)27日、ワシントンで開かれた「米中戦略・経済対話」で演説するオバマ大統領(ロイター)
【ワシントン=山本秀也】米中両政府による初の包括的な戦略経済対話が27日、ワシントンで開幕した。冒頭、オバマ米大統領は「米中関係が世界のどの2
国間関係より重要だ」と述べ、突出した対中重視の姿勢を表明した。今回から議題となる地域安全保障では、「東アジアの核軍拡競争」との表現で、北朝鮮の核
保有が日韓の核武装を促す危険を示唆し、米中が共同で朝鮮半島の非核化を実現する必要を訴えた。
オバマ大統領は、経済分野に政治、安全保障分野を加えた閣僚レベルの米中戦略経済対話について、「積極的で建設的、包括的な米中関係」への重要な一歩だ
と表明。米中双方に根強い相手への警戒感を否定し、国際社会で中国が強大なメンバーとなることを歓迎する考えを明らかにした。
2日間の対話議題として、オバマ大統領は、(1)経済再建(2)エネルギー・環境問題(3)核拡散防止(4)テロなど国際的な脅威の抑止−を指摘。米中両大国が、相違を踏まえながら対話に臨む重要性を訴えた。
核拡散防止について、オバマ大統領は、「テロリストが(核)爆弾を獲得したり、東アジアで核軍拡競争が始まることは、米中いずれの国益ともならない」と
発言。北朝鮮が実質的な核保有国となることを容認した場合、近隣の日韓が核武装に走る懸念を中国側に示し、核保有国としての共通利益を軸に北朝鮮の核開発
阻止を呼びかけた。
地域安保では、このほかイランの核保有阻止でも、米中が結束するよう求めた。また、核関連物質の管理など、核拡散防止に向けてオバマ大統領が来年開催を提唱する「世界原子力首脳会議」の成功に向け、中国の協力を促した。
冒頭演説で、大統領は太平洋地域で進む中国の軍拡に対する懸念は示さず、米中両軍の協力拡大や、テロ関連の情報共有を求めた。
今回の対話会合には、米側からクリントン国務長官、ガイトナー財務長官、中国側から王岐山副首相(金融担当)、戴秉国国務委員(外交担当)が出席。冒頭、王副首相は米中が見解の相違を縮め、相互信頼を高めるよう期待するとした、胡錦濤国家主席のメッセージを代読した。
コメント
今日のWhat Newに書きましたが、これが日米安保の代わりにはならないと思いますし、米中がアジアや世界を支配する新体制にもならないと思います。
要は、アメリカと中国が深刻な対立が生まれることを恐れている点でしょう。
もし中国が米中関係の緊密化を得て、尖閣諸島に軍事進出してくれば、それこそ日本に対して重大な軍事挑発を意味します。逆に、これから米中関係が緊密化するほど、中国は日本や韓国に対する軍事関係に慎重になると思います。
例えば竹島です。日本は韓国が竹島を不法占領していることで軍事力を行使することに慎重です。しかし韓国は竹島周辺で海軍の演習を行っています。日本が海自を使って竹島の支配に対抗すれば、韓国と深刻な軍事対立に発展することを警戒しているからです。日本が弱腰とか実力不足という訳ではありません。
それにしても、日本政府の安全保障政策のデタラメさが露見しました。自民党国防族の日本の敵基地攻撃能力論など幼稚すぎて米中の東アジア戦略に対抗できません。日本が海上発射式の巡航ミサイルを配備すれば、北朝鮮のミサイル基地を先制攻撃できるというような幼稚な発想がどうして出てきたのか疑問です。
8月の総選挙で民主党中心の新政権が生まれても、画期的な安全保障政策が生まれる可能性は皆無のようです。民主党にそれを提示できる政治家がいません。彼らには日本の国家戦略論がないからです。そこで新政権に国家戦略局を作っても、無いものからは何も生まれません。
米中戦略・経済対話が「日米安保の終わりの始まり」を心配するよりも、日本の国家戦略を築き直さなければアメリカや中国に軽視されるだけです。
2009年7月24日
日本開発のステルス機をフランスに評価依頼した理由
届いたメール
いつも楽しく拝見致しております年金生活者です。
FX関連での質問です。
心神のステルス性能の検査は、なぜフランスに依頼したのでしょう。本来、最重要軍事機密のはずですから、国内に最適な施設が無いなら、同盟国であるアメリカに依頼するのが筋だと思います。
何か、フランス、あるいはEUとギブアンドテイクできるような情報があるのでしょうか?
よろしくお願い致します。
コメント
「心神」という名前を懐かしく感じました。今はほとんど「心神」という名前を聞かなくなりました。
日本が独自に開発する第5世代(次世代)戦闘機で、特にステルス性能を重視した性能を追求しているようです。エンジンも国産(IHI)のものを開発し、排気口に3枚の推力偏向機構を付け、運動性能の向上を図る機体のようです。
機体については、すでに公表されているので、航空専門誌やネット情報で見ることができると思います。しかし今のFXには開発が間に合いません。考えられるのは、Fー15J戦闘機の後継となる次の次ぎ(FXX)ですね。
フランスにステルス性能の検査を依頼したことを知りませんでした。特に深い意味はないと思いますが、ステルス性は設計するコンピューターの性能に比例すると聞いたことがあります。ステルス機の構造を入力して、電波反射率をいろいろ演算して最適な形を作り出します。
アメリカとは軍事技術で協力関係にあるので、アメリカとフランスの両方で評価を出し、その両方の数値からより高性能なものを選ぶのではないでしょうか。また、フランスに評価を依頼する場合は、すべて技術情報を公開で出すとは思えません。
またF22を出し渋るアメリカを牽制する意味もあったのではないでしょうか。アメリカがF22を売らないなら、日本は別の方法で第5世代戦闘機を開発するという意味の牽制です。
しかし「心神」はまだまだ初歩的なステルス技術だと思います。また機体に搭載するエンジンやウエポンシステムでもステルス性はドンドン変化してきます。今の段階では特に完成した機密性の高いものとは思えません。
いろいろな資料を読んで、試しに設計してみた程度のものでしょう。日本の開発が最終段階に入れば、アメリカといえども機密情報は公開しません。アメリカも日本にそうしています。
ーーーーーーーー
7月18日のメールのお返事 「北朝鮮のウラン原爆開発」に関して、いろいろな反論のメールが届いています。しかしそれらを公開すると、さらに専門的な反論が拡大し、私では収拾がつかなる恐れがあります。
そのため、今回はメールの掲示を控えます。しかし私はできるだけ核の専門書(初心者用)を調べたり、信頼できる人に教わって、頂いたメールの内容を理解するように頑張っています。
ご不満があると思いますが、このホームページを続けていくために必要なことだと思います。ご了承ください。そしてメールを頂いた方にお礼を申し上げます。やはりこのホームページは凄い人たちが読んでいることを再確認できました。ありがというございます。
2009年7月20日
次の総選挙で民主党の安全保障政策を問いたい
届いたメール
17日のWhat's newの「民主一転『給油継続』」の中の、「民主党はいろいろな考えを持つ人の寄せ集めで、特に安全保障と外交面では考え方の違いが大きすぎるという意見があり、そのため党として新たな安全保障が打ち出せない」という神浦さんのコメントには同感です。
補足させていただくと、民主党は外交・防衛を観念的にしか考えない体質から抜けきれていない(つまり現実的な政党になりえていない)のではないでしょう
か。インド洋上での海自補給艦による給油・給水支援は、その実体がパキスタン海軍への支援にすぎず(パ軍は給油艦を保有しているが、無料の日本の給油を
ちゃっかり利用している)であり、国際的貢献と言える代物でなく、実際は米国へのお付き合いの政治的行為にすぎないと、多くの識者から指摘されてきたとこ
ろです(つまり自衛隊の苦労は政治的に利用されているだけです)。
さらに民主党(の国会議員)はここ数年の国会審議を見ると、アフガニスタンのPRT(多国籍軍の、民間人を伴う軍民一体の地方復興チーム)への自衛隊の
参加を主張していますが、PRTのなんたるかの理解がきわめて希薄なのには驚きます。PRTについて、アフガニスタン現地で活動しているNGOは「地元民
のあいだでは、PRTは米軍・NATO軍の隠れ蓑と見なされ、NGO活動を狭めている」と批判し、メンバーが殺害されるという最悪を体験した「ペシャワール会」は相当以前から「海自のインド洋上の活動がアフガン国民からすれば日本は敵対している国と見なされ、メンバーは危険にさらされている」と日本政府の
姿勢を警告してきたことは知られていることです。
そういう意味では、国際貢献を積極的にやろうとすれば、日本は米国・米軍に「追従」するこれまでのような姿勢をあらためるほかありません。そのための
「政権交代」ではないのでしょうか(権力を握るためだけの政権交代だ、と本音を言われればおしまいですが……)。頭と足がバラバラでは、そのうち体自体が
瓦解するでしょう。民主党には大局と世界の流れを見誤ることなく、現実的な政策を展開してほしいと希望しています。
コメント
明日には衆院の解散で、8月30日の選挙に向かって政治の風が吹き荒れます。
今回の選挙でも重要な争点になりますが、日本の安全保障政策や日米同盟、北朝鮮への対応、自衛隊の国際貢献など、議論を期待したいところですが、まずは選挙の結果がどう出るかですね。
すでに自民党は野党としてのポジションを取りつつあります。民主党も鳩山代表の時代は短期間で、岡田首相の時代が近いような気がします。
それから日本のISAF参加ですが、自衛隊がISAFに出ることは難しくとも、私は日本のNGOがISAFと活動することは反対していません。「ペシャワールの会」などが、「ISAFとの活動(RPT)は軍事活動と混同される」と非難していることは知っています。
しかし非武装のNGOが武装強盗などに殺されることを思えば、一時的にISAFが護衛することは必要と思います。NGOが自衛のために武装することも無理ですし、村人の護衛も限界があると思います。そのため援助活動を中断して引き上げるのでは、アフガンのような国で復興支援は無理です。
カンボジアで武装強盗(ほとんどは警官か兵士)の怖さを身に染みて知っているだけに、護衛をつける必要性を十分に理解できます。いつも住民とISAFが撃ち合っているような環境でNGOの活動は無理ですが、援助活動の主導権をNGOが持てることと、ISAFと住民の対立が激しくない地域では、有効な活動スタイルとして支持しています。
2009年7月18日
北朝鮮のウラン原爆に関して一言
届いたメール
「Re:メールにお返事」2009年6月23日付けの「やはり北朝鮮にウラン原爆は無理です。」について
色々考えるところはありますが、明らかな誤りの部分のみ指摘したいと考えます。
> 尚、濃縮していない天然ウランをそのまま燃料に使える原子炉もあり、カナダや旧ソ連の国で使われています。
重水減速炉や黒鉛減速炉のことを念頭に置かれていると考えますが、旧ソ連の場合、最初期の場合を除き、チェルノブイリで悪名高いRBMK(黒鉛減速沸騰
水冷却圧力管型原子炉)では主に経済性の観点から、微濃縮ウラン(2%濃縮前後)を用いるのが普通であり、例示としては明らかに不適当です。
天然ウラン燃料使用の黒鉛減速炉の例を挙げるのであれば、イギリスの黒鉛減速二酸化炭素冷却炉(マグノックス炉)を挙げるのが適当でしょう。
(北朝鮮の原子炉も原理・構造的にはほぼ同様です。)
なお、天然ウランを何故そのまま当該原子炉の燃料に使えるのか、言及が欲しいところです。逆に言えば、言及できるか否かで、情報を寄せて頂いた方がこの分野を理解されているかどうか、第三者にも明確に判断できることとなります。
<模範解答例:黒鉛や重水では中性子の減速の際に、中性子の無駄な吸収(損失)が少ないため原子炉として成立する。一方、軽水炉ではそれが多いため、実用上ほぼ不可能。>
<十分に信頼でき、参考となるページ>
原子炉型別ウラン燃料 (04-06-01-03) - ATOMICA -
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=04-06-01-03
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/04/04060103/01.gif
> 一方、軍事用の原子炉(艦船の動力炉)では燃料交換のサイクルを長くするため濃縮度の高い燃料を使うことが多く、最新鋭の潜水艦では濃縮度90%以上のウランを使って就役中に燃料交換の必要がないと言われています。
核燃料交換のサイクルを長くするために濃縮度の高いウラン燃料を用いることは定石ですが、それだけでは全く説明が出来ないことは明白です。
例えば、原子力空母のエンタープライズは1961年11月に就役していますが、一回目の核燃料交換を1964年10月にニューポート・ニューズ造船所に
ドック入りして実施しています。この間は僅かに3年。その後、1970年に二度目の燃料交換のためドック入り。つまりその間隔は約6年、その後は1990
年ですので、間隔は約20年となっており、これはニミッツ級とほぼ同じとなっています。
<参照先例>
http://en.wikipedia.org/wiki/USS_Enterprise_(CVN-65)
http://en.wikipedia.org/wiki/Nimitz_class_aircraft_carrier
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BA_(CVN-65)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%84%E7%B4%9A%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%AF%8D%E8%89%A6
単純に核燃料の濃縮度だけで考えれば、3年から20年。つまり6倍以上濃縮度が高くなっていなければなりませんが、初期の軍事用舶用炉では一般に90%程度の高濃縮ウランが用いられていたと言われています。
すると、90%から6倍以上濃縮度が高くなることはあり得ない(100%を超えてしまう)わけであり、「核燃料交換のサイクル延長をウラン濃縮度の違いだけに求める」のは「明らかな誤り」と言えます。
実際に、原子炉の炉心設計を考慮すれば、他にどのような手段があるのか。原子力系の大学院生レベルでも簡単に答えが出ることですが、軍事機密も絡むことからここではこれ以上の言及を避けます。
> 北朝鮮が自国で産出する天然ウランや、せいぜい軽水炉の燃料程度の濃縮度のウランしか保有していないのであれば、
北朝鮮は先述の通り、天然ウラン燃料を使用する黒鉛減速炉しか所有していないため、「軽水炉の燃料程度の濃縮度」のウランを持つ必然性がありません。イ
ランのようにブラフのために保有することは否定しませんし、ウラン濃縮の通過点ではありますが、本文脈では明らかに誤りでしょう。
> 一方、プルトニウムはU238が中性子を吸収して生じるもので、軽水炉があれば抽出は比較的容易です。
使用済核燃料からのプルトニウム抽出と、原子炉の型(炉型)には原理的には相関はありません。使用済核燃料から被覆材等を分離し、プルトニウムを抽出するのは「再処理工程」であることを強調すべきかと考えます。
そして、軽水炉の使用済核燃料を考えた場合、
1.(核兵器原材料として)タイミング良く使用済核燃料を取り出すことの難しさ
2.(1.とかぶりますが)原子炉内の滞在時間(中性子照射量)の多さに伴うプルトニウムの高位同位体の存在や、強い放射線や発熱他による扱いの難しさ
によって、軽水炉の使用済燃料の再処理では難易度は逆に上がります。
つまり「軽水炉があれば抽出は比較的容易」というのは論外であり、上記1.と2.他の事情を理解されていないことを指摘しなくてはなりません。
これは軽水炉の場合、一般に原子炉から核燃料を取り出す際には原子炉を停止させ、原子炉(原子炉圧力容器)の蓋を開けなければなりませんが、それには多大な負担がかかります。
そのため、まともに軽水炉を動かそうとすれば、そのような手間を合理的に可能な限り省こうとするのが普通の考えであり、通常の商業炉であれば1年から2年間の運転期間をおくのが普通です。
そうすれば原子炉の中で核燃料の燃焼が進み、生成されたプルトニウムもかなりの部分燃えてしまうと共に、核兵器の原材料としては不適のプルトニウム(質量数240以上のもの)が大量に出来てしまいますし、発熱(放射線)他の問題を考慮する必要もあります。
一方、プルトニウムの生産を中心に考えて設計された原子炉の場合、プルトニウムの生成がちょうど良い加減の時に、核燃料を取り出すことができるようにしてあり、様々な工夫が為されています。
様々に意見を述べ合い、認識を高めていくのは重要と考えますが、致命的な誤りを散見されるのは、いかがなものかと愚考します。
以上
コメント
今の私には理解できません。申し訳ありません。
しかし科学に関する理論的な情熱は感じることができます。
今から勉強すれば理解できるとは思いませんが、でも、できるだけ勉強してみます。
また、次の機会があれば、いろいろ教えてください。私だけでなく、このホームページを読む方もそのように思っていると考えます。
ありがとうございました。
※私のパソコンをデスクトップからノートに転換するために、いろいろな工事を行っています。そのため頂いたメールの掲載が遅れました。まだ転換工事は続いていますが、毎日の更新がデスクワークからアウトドアで出来るためです。
2009年7月15日
海保の軍隊化は海保法(25条)違反です。
届いたメール
神浦さん、はじめまして。
いつも勉強させていただいています。
神浦さんは、昨今の海上保安庁の重武装化をどう感じていますか?
現状の海保の装備は、明らかに警察組織の武装の域を超えていると思います。
海保の主任務は、領海内での治安活動です。 密漁船、密輸船、不審船を取り締まるのに20mm〜45mm機関砲は必要無いと思います。
巡視船しきしまに至っては、45mm機関砲の他に対戦闘機用の対空レーダー等も搭載しています。 明らかに軍艦です。 そして驚く事に、海賊対処を名目に堂々と巡視船しきしま改なる軍艦2隻(1隻350億円)の建造を財務省に要求している事です。
又、海上保安官は最新の自動小銃である89式小銃を装備しています。 因みに海上自衛隊では、旧式の64式小銃を装備しているので、海上自衛隊よりも最新の装備を取り入れていると言うことです。
軍艦を相手にするのなら理解出来ますが、海保は海保法第25条で明記されてい るように純然たる警察組織であり、軍事機能を営む事が禁止されています。
現状の海保巡視船の武装は、海保法第25条に違反していると思います。
又、現行の海保は、憲法第9条で禁じている「その他の戦力」に該当するのではありませんか?
巡視船に搭載する武装としては、機銃程度が相応しいと思います。
海上保安庁の特殊部隊SSTは、アメリカ海軍の特殊部隊やアメリカ陸軍の特殊部隊から訓練を受けているそうですが、それも又、海保法第25条に違反していると思います。
SSTは解体するべきです。
マスメディアや左翼政党や日教組や連合等の左翼団体は、自衛隊に関しては色々と過剰追及していますが、何故か、海保に関しては何も追及しませんよね?
何故でしょうか?
是非!神浦さんの現状の海保に対する認識をお聞かせください。
コメント
巡視船「しきしま」が搭載している武器は35ミリ連装機関砲だったと思います。また2機のスーパーピューマ・ヘリを搭載していますが、床には防弾板が敷かれ、下からの小銃弾が床を貫通して乗員に被害を与えないようにしています。このヘリには機関銃も搭載可能です。さらに船体構造にダメージコントロールが行われ、砲弾を受けても被害や浸水が最小限で抑える構造になっています。大きさも海自のイージス護衛艦「こんごう」クラスといわれてています。確かに対空レーダーを装備しています。
「しきしま」は93年に、ヨーロッパから日本までプルトニューム輸送の護衛船として建造されました。今なら海自の護衛艦が護衛任務をするかもしれませんが、当時、海自を派遣することは世論の強い反対があったからです。
しかし今では、長い航続力を生かして、東南アジアなどの海賊対策の訓練や演習に参加しています。
さて海保のことですが、海保庁法第25条のことは承知しています。「海上保安庁はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはいけない」という部分です。
私は海保の巡視船が大型化、高速化、強力な武装を搭載することは、海保の軍事化にはあたらないと思います。あくまで海の警察任務であるなら、大型化の傾向は避けられないと思います。
むしろ海保の力が弱く、現状に対応できず、海自に依存する度合いが高くなるほうが危険です。
海の上でも軍と警察では武器使用の基準が違っています。警察は相手の抵抗力を奪い、逮捕して裁判することが任務ですが、軍は相手が強い弱いに関係なく圧倒的な戦力で撃沈させます。
私は日本がソマリア沖の海賊対策に護衛艦を派遣したことに反対で、これは海保の巡視船を派遣すべき事例と考えていました。しかし海保には「しきしま」以外に遠洋航海できる船がいないと説明を受けました。ソマリア沖派遣船の交代を含めると、海自の他にはいなかったことになります。
最近、私の友人が共著で、「海上保安庁進化論」(海洋・東アジア研究会編 シーズ・プランニング社刊)という本を書きました。その本の65ページに「ポリスシーパワー武器論」(警察官職務執行法の限界)という項目があります。その中に、海上保安官の武器使用の訓練について記述がありますが、あきらかに軍隊(海自)とは違う視点で訓練が行われています。
海保法25条については、自衛隊が誕生する前に海保が発足したので、軍隊ではないという説明を強調するために入れたのだと思います。
それから自動小銃ですが、海自の64式(7,62ミリ)のほうが89式(5,56ミリ)より威力があります。海自が89式に変えないのは、それなりの理由があると思います。また、海保のSSTがアメリカ軍から指導を受けたことはありません。海自のSBUも米軍(SEALs)に指導を依頼したら断られたそうです。ただしSAS(英軍)が協力したと聞きました。
2009年7月10日
嘉手納基地にF22が2機飛来して14機になりました。
届いたメール
米空軍のF22戦闘機が12機配備(一時的)されている嘉手納基地に、昨日、グアム基地から2機のF22が飛来して14機体制になりました。グアムから飛来したのはアラスカ州エレメンドルフ空軍基地所属機で、今はグアム基地に一時配備されている機体です。地元に事前に飛来の連絡はなかったそうです。(琉球新報 7月10日付)
これは朝鮮半島の異変に備えた措置なのでしょうか。F22戦闘機は今年1月末に12機が嘉手納に飛来して、前2回は4月下旬か5月上旬には米本土の空軍基地に帰っています。今年はそれを10月まで延期するという異常な事態が続いています。さらに今回、嘉手納に2機を増強したことで朝鮮半島に何か変化が起きているのでしょうか。
ちなみに嘉手納基地の司令官(米空軍第18航空団)も昨日(9日)に交代しました。着任したのはケネス・ウィルズバック大佐でハワイのヒッカム空軍基地で運用・計画・企画副部長という経歴だそうです。
コメント
F22が14機体制というグアム配備(一時)の12機のうちの2機が嘉手納に前進してきたことですね。やはり緊迫する北朝鮮情勢に対応したものだと思います。
あるいはグアムのF22と交代しながら、嘉手納の12機体制を堅持するという意味かも知れません。また嘉手納から韓国までの警戒飛行(模擬攻撃訓練)をして熟練度を上げる目的も考えられます。
そういえば昨日、沖縄の米海兵隊が8月中旬に予定していた北海道・矢臼別演習場での実弾射撃訓練を中止したと防衛省が発表しました。在沖米海兵隊も朝鮮半島情勢の急変に備えていると思いました。いよいよですかね。
それから新任のウィルズバック大佐は間もなく准将に昇任すると思います。
2009年7月9日
北朝鮮が仕掛といわれるDDoS攻撃の説明です。
届いたメール
DDoS攻撃について補足します。
DDoS自体既に新しいものではなくなっていますが、現在も一定の脅威ではあります。尚、メールボムとは根本的に異なるものです。
ごく簡単に説明すると、DoS攻撃は言わばイタズラ電話をかけ続けて特定の番号に繋がりにくくするようなものです。相手が個人や小さな会社程度なら嫌がらせにはなりますが、相手が予備回線をたくさん持っていればサービス不能にまですることは難しいですし、攻撃する方もかなり負担の大きい方法です。
これを拡張し、自分で直接攻撃する代わりに善意の第三者を巻き込んで特定の目標を攻撃するのがDDoS、つまり分散DoS攻撃です。イタズラ電話の例えで
は、「この時間にこの番号に掛けてくれた人にもれなくプレゼント」といったチラシやCMを流し、騙された人が特定の時間に一斉に電話を掛けてくるように仕
向けるというイメージです。
技術的な難易度は比較的低く、それ単独では嫌がらせの効果しかありませんが、24時間のサービスを売りにしているサービス提供者にとっては1時的にでもサービス不能に陥ることは大きなダメージとなるため、頭の痛い問題です。
尚、嫌がらせではなく実利目的のより高度な攻撃においても、最初のきっかけ作りとしてDDoS攻撃が行われることがあります。DDoSでサービスを落とし、管理者が臨時モードで修復するスキを狙ってより奥深くに潜り込んだりします。
今回の件では2次攻撃はなく(あるいは成功せず)、DDoSだけで終わってしまったようです。サービスが一時的に利用できなくなる以外にそれ程被害はな かったと思いますが、根本的な対策はなかなか難しいのが実情です。今後も、嫌がらせ目的の小規模なDDoSはある程度覚悟しなければいけないかも知れませ ん。
コメント
ありがとうございます。DDoS攻撃の概念がわかりました。大量の嫌がらせ電話で業務を一時的にマヒさせたり、その混乱時に相手のコンピューターに侵入して目的を果たというものですね。
そのことで思い出しましたが、昔、講談社発行の雑誌が北朝鮮のことを悪く書いたら、朝鮮総連が全国の関係者に通達し、一斉に会社の代表電話に電話をかけさせたことがあります。その頃は朝鮮総連の力も強く、講談社は電話が繋がらない回線マヒ状態で苦しんだことがあります。そのような電話攻撃が1ヶ月ほど続いたと聞いています。
そして今から10年ほど前、私がラジオの生放送で北朝鮮を批判したら、番組プロデューサーがそのことを思いだして青くなったことがあります。しかし抗議の電話は1本も来ませんでした。1本もですよ。
そのことが気になって、昔、朝鮮総連の幹部だった人がやっている焼き肉店に行って聞くと、聞かされたのは北朝鮮の悪口ばかりでした。何でも何年かぶりに北朝鮮に行くと、寄って集(たか)ってむしり取られたそうです。役人や親戚に身ぐるみ剥がされたと話していました。
今では新聞、テレビでも、公然と北朝鮮を批判できますが、つい20年前はそんなことはタブーでした。
ところでこのDDoS攻撃は大事件ではないと思いましたが、今日の昼のニュースでは日米共に大きな扱いをしていました。それほど脅威度が高かったのか、それとも大きな被害が出なかったことがビッグニュースなのかよく分かりませんでした。
これからもわかりやすい解説をお願いします。ありがとうございました。
2009年7月7日
与那国島への陸自配備は米軍使用の地ならしでは。
届いたメール
沖縄の与那国島への陸自の沿岸監視隊配備の件ですが、米軍(海軍)の同島(港湾施設)使用の地ならしという側面(思惑)もあるのではないでしょうか。背景をもう少し慎重に調べる必要があると思います。
というのは、2007年6月14日の参議院外交防衛委員会で「在日米海軍が海上保安庁に対し、掃海母艦2隻を6月24日から26日まで与那国町の港に寄
港させたいと文書で通知したと報じられているが、米側から外務省に対して何らかの通知があったのか」と、米海軍使用の動きが取りあげられましした。
これに対し、当時の麻生外務大臣は「自分は知らない」と答えていますが、中国の動きを牽制したい米軍の、与那国使用は十分考えられることだと思います。
しかし、現実問題として同島の港はたいへん狭く、それこそ米海軍の使用ともなれば、同港を使う民間船にとっては困った問題を抱えることになりかねませ
ん。米軍の意図とは別に自衛隊とすれば、中国の「脅威」論などにうまく乗って、保身のため活動範囲を広げたいとの思惑もあるのでしょう。
同町とすれば、経済の活性化につながれば、との思いから自衛隊誘致に動くこともやむを得ないところでしょうが、同島をはじめ沖縄の離島としては一次産業や観光業で、つまり自活できる条件を活かす方向を追求していくことが得策ではないでしょうか。自衛隊も一応軍隊ですので、(自衛隊には失礼ながら)与那国 にはあまり似つかわしい存在とは思われないのですが……。
追伸
陸自の与那国配備について投稿しましたが、その中で指摘した米艦船の与那国使用について、記憶違いで後日談を忘れていました。すみません。じつは、この問題が国会で取り上げられたあとの2007年6月24日に、在日米海軍佐世保基地所属の掃海艦「ガーディアン」と同「パトリオット」の2隻が与那国港(祖納港)に寄港しています。つけ加えておきます。
コメント
日本海に近い山頂には空自が管理するいくつもの警戒レーダー(警戒隊)があります。北海道の奥尻島(第29警戒隊)や新潟県の佐渡島(第46警戒隊)などです。
米ソ冷戦期、これら最前線のレーダー基地がどのように防御されているか調べたことがあります。すると対空機関銃(M2)が1丁だけというものが少なくありませんでした。携帯SAM(対空ミサイル)が登場する前のことです。
その理由を空自の高官に伺ったら、それら山頂のレーダー基地は開戦第一撃で空爆され、予め破壊されることを想定していると聞きました。平時から厳重に防御することは難しい(費用対効果)そうです。
そこで別の基地に移動式の警戒レーダーを準備し、第一撃で破壊されたレーダー施設のかわりに設置するそうです。要は、平時の警戒レーダーは敵の第一撃を受けて破壊されるまでの任務を担うのです。戦時になれば専門の対空部隊(陸自を含む)が移動レーダー施設の周囲を固めます。
これは警戒レーダーが爆撃されたことで、内閣総理大臣は直ちに防衛出動を発令して、日本が戦時体制に移行していくことを想定した有事シナリオです。
同じことを警察幹部の戦術研究会でも行われ、60年代の安保闘争では、都市の交番が木造で作られ、暴徒によって燃えやすい様にしていたそうです。交番が暴徒の放火にあえば、警察がその後の治安活動をやりやすくするためです。(その会を「楠木正成・研究会」といったそうです)
ですから与那国島の沿岸監視隊の第一の任務は、与那国島が中国から軍事攻撃を受けた時、その中国軍と戦って犠牲(あるいは捕虜)になることです。冷戦時代には、そのことを避けるために、宮古島以西に自衛隊の部隊を配置しませんでした。日本が中台軍事紛争に巻き込まれることを防ぐためです。
しかし今の台湾の馬英九総統の対中国外交を見ていると、そんなことを考えるのは無理なようです。それよりも中台の経済力に与那国島が飲み込まれないように、日本の離島にも統治権(支配権)を明確にしておきたい狙いがあると思います。軍事力を空白にすることが危険を呼ぶことが多々あります。
2009年7月6日
「与那国島に自衛隊を新配備」に危惧をいだきました。
届いたメール
神浦さん
本日の産経電子版で「与那国島に、自衛隊配置」 という情報を発見しましたが、これは都議選、衆院総選挙といった 「政治の季節」にあってとんでもない「不発弾」になると感じました。
リンクに、陸自対馬警備隊の入り口に、 「ハングル語併記の注意書き」
がある写真が載せられ「危機感を煽る」演出をするもんだなあ〜
外国語併記なら英語、中国語、ポルトガル語、フィリピン語他、な るべく多言語で書いた方が相手を刺激しなくて良いじゃないか、と正直感じたのですが与那国島は大陸の共産党政府だけでなく、台湾の国民党政府にも関わる重要な土地なので、もっと広い合意を 各所から得てやるべきだと思いましたね。
町長他現地は大歓迎!といっても問題は残ります。沖縄の特殊事情として
「本島と離島、「侵略を受ける前から日本人同士で戦場になっちゃったよ」 という事態は避けるべきだと私は考えます。
コメント
日本最西端の与那国島に行ったことがあります。自然が素晴らしい島で、すぐ前に台湾の山並みが見えました。島には警察官(駐在所)と海上保安官はいましたが、自衛隊は配置されていませんでした。実は東の石垣島にも自衛隊はいなく、さらに東の宮古島に空自の警戒隊(レーダー基地)があるだけです。
それで平地のような宮古島では空自が鉄塔を組んで警戒デーダーを運用していました。もし石垣島なら高い山があるので、警戒レーダーを設置すれば効率的と思いましたが、石垣島では中台軍事危機に巻き込まれる危険から東の宮古島に警戒隊を設置したそうです。(冷戦時代)
与那国島に配置されるのは陸自の沿岸監視隊(情報職種)で、数十人規模の部隊になるようです。まあ、情報収集といっても、島に自衛隊部隊が存在することで日本が離島を守るという象徴ですね。
今回、自衛隊の配置が検討されるのは、中台軍事危機に日本が巻き込まれる可能性が低くなったことがあります。今の中台の交流強化をみていると、もう中台戦争を想定する必要がなくなったからと思います。
隊員が与那国島に派遣されても厳しい訓練はなく、緊張が高まることもなく、存在することに意義がありですから、地元との人と仲良く交流し、豊かな自然を楽しめばいいのです。まあ、移動式の警戒レーダーぐらいは設置すると思いますが、それで台湾や中国が目くじらを立てることもないと思います。
与那国島に2〜3年勤務すれば、自衛隊の定年後は住みたくなると思います。地元のスナックやカラオケ店が開店するのが夜11時頃からでした。信じられますか。夕食後、一眠りして、夜中にスナックです。それから一眠りして仕事です。私のような酒好きにはたまりません。そうそう「ドナン」という地元の強い”泡もり”がありました。与那国の暑い日の夕方、これをロックで呑むともう天国です。東京で同じものを呑んでもうまくありませんでした。
台湾まで110キロですから、休日には台湾からセスナの様な小型機で迎えにきてもらい、2〜3日間を台湾で休暇を過ごし、また小型機で送ってもらう様な生活が楽しめるかもしれません。中台の情報機関が狙うような軍事秘密は与那国島にはありません。
与那国島に沿岸監視隊を配置して問題が起きなければ、まともな軍人ならば宮古島の空自の警戒隊を石垣島に移したいと思いますね。冷戦時代にアメリカも調査しましたが、東シナ海で石垣島の戦略性が高いのは注目すべき点が多々あります。まずは与那国島で様子を見ることだと思います。本命は石垣島です。
2009年7月2日
大卒の二等兵は大きな問題を内包しています。
届いたメール
神浦さん こんにちは。
先週6月27日付のコメントにあった中国人民解放軍の「下級兵士も含め大卒が中心の、高学歴路線」という材料ですが、この路線はやり方として巧く行くか行かないかで「両刃の剣」だと感じます。
私がかつて5年間身を置いた空自での事例になりますが、私の期から曹候の学歴制限撤廃、年齢上限の延長が断行されたのですが、その際、予想通り大卒が定員の4分の1を占め、地連(当時)を狂喜乱舞させ
たのですが、間も無く幾らかの問題が生じました。
航空はかなり開けっ広げで風通しの良い組織なのでそれほど重症化しませんでしたが、大卒の「兵隊さん」の中には自分よりずっと年下で高卒直後の18、9歳の同期生に対し、「おいこら!俺はお前より年上で高学歴だぞ!俺に敬語を使え馬鹿野郎!」
などと尊大な態度を取り周囲を唖然とさせる、年齢に比例した人格を持たない個体も混じっていたのです。
ましてや、儒学の伝統を持ち、長幼の序を重んじしかも「科挙の文化」を持ち日本以上の学歴社会の中国で、一人っ子政策の中親の期待を一身に集め学業に励んだ結果が
「大卒の二等兵」
となると、不満の鬱積で軍内部の治安にも不安材料をもたらしそうです。 運用、人事制度ほかよほど巧く彼らを使いこなさない限り、高学歴の列兵路線は根付かずに失敗します。
コメント
私のホームページは在日米軍だけでなく、中国や韓国軍も読んでいると聞いたことがあります。ですからこの頂いたメールは中国語に翻訳され、中国軍のかなり上層部まで閲覧されると思います。
しかし私は大卒でもダメな者はダメで、高卒でも優秀な者は優秀と思います。18歳(高卒)で二等兵と22歳(大卒)で二等兵が同じスタートラインで出発します。
しかし大卒には一般幹部候補生の受験資格があります。大卒であれば1士であっても幹部になれる道が開かれています。しかし一般幹部候補生の試験に合格しなければ、陸曹として勤務するしかありません。
学歴や年齢も自衛隊では入る門が違えば待遇も大きく違います。そこで威張るなり、学歴を自慢しても、はたから見ると滑稽です。自衛隊は自衛隊独自の昇任コースで階級を上げて行くしかありません。
昨年、第一師団の師団長(陸将)を退官した私の同期は、昼間は東京の部隊で3曹として勤務しながら夜間大学に通い、4年後に一般幹部候補生の試験を受けて合格した経歴です。私にはそんな同期生が何人もいます。戦車部隊のため北海道(札幌)の私大の夜間に通って一般幹部候補生になった者もいます。彼は自衛隊の戦史研究者として高く評価されています。(最近、「機甲戦の論理と歴史」(芙蓉書房出版刊)という本を書きました。彼とは2年生の時にベッドフレンド(2段ベッドの上下)でした)
問題は年齢や学歴ではなく、自衛隊のスタートラインからの努力だと思います。今の自衛隊は防大卒が優遇されすぎていることに問題がありそうです。防大は今の半分の人数でいいですね。それより一般大学(2部や通信制を含む)の割合を増やし、競争を激化させた方がいいですね。防大を何番で卒業したとか、CGSを何番で出たとか、それで自衛隊の人生が決まるなんて組織の硬化を招くだけです。
2009年6月30日
金正雲氏の中国詣でに情報戦の凄さをみた。
届いたメール
朝日新聞の「正雲氏極秘訪中」のスクープ記事と、さらに、金正男氏も同席と続く記事に、私は、記者が、その筋から情報をつかまされたという印象を受けました。
その後、中国の報道官が、007まで持ち出し強く否定し、また、週刊新潮の、『金正雲・胡錦濤会談』大虚報」という記事を見て、最初の印象を強く持っていました。
しかし、神浦さんのコメントを読み、また、見方を変えさせられました。人民武力相の亡命とか、金正男氏暗殺計画とか、さらには、金正日の影武者とか、様々な情報が流れる中、北朝鮮を巡って、まさに情報戦が行われているのかなと思ったところです。
コメント
先日、あるテレビ局の報道プロデューサーから「アメリカが北朝鮮の核実験を認めましたね」と話しかけられました。米CIAが「北朝鮮の2回目の核実験を確認した」と公表したからでした。そこで私は、「CIAのいうことは全く信用できません。どのように確認したか公表していません」と答え、「いつもCIAの言うことが正しければ、今頃は北朝鮮のICBMでアメリカ中がパニックを起こしています。CIAは危機を煽って、予算を取りたいだけです」と話しました。その点、アメリカの動きは容易に読めます。
すでに何度も書きましたが、北朝鮮は金正日が体調を悪化させて非常に読みやすい国になりました。労働党と人民軍とファミリー(保衛部を含む)の集団指導体制になり、金正日の個人的な感情が入りにくくなったからです。
今、一番読みにくいのは、中国の動きです。どこが”白髪三千丈”で、どこが”謀略”なのか曖昧な部分が多々あります。しかし少なくとも北朝鮮の殺生与奪権を中国が握っていることは間違いありません。また、中国は一貫して朝鮮半島の非核化を求めています。これだけは譲れない一線です。
しかし中国は北朝鮮が謀略でアメリカと渡り合うことは許している様です。そこが中国の謀略4000年の歴史なのです。北朝鮮は中国の手のひらに乗ったようなものです。いつでも握り潰せます。
私は今でも北朝鮮の二回目の核実験は「確かな証拠がない」と思い、半信半疑の状態です。しかし中国がそのことをまったく問題にしないことに違和感を持っています。中国は確かな証拠を持っていますね。
2009年6月29日
ホンジャラスのクーデターで考えました。
届いたメール
神浦さんこんにちは。
昨日付のロイター報で 「ホンジュラスで国軍クーデター成功。大統領を追放」
という情報を入手しました。アフリカ、中南米でクーデターといえばもう大したニュースにもならない「年中行事」の感がありますが一つ疑問があります。
何度もクーデターが繰り返されて国が荒廃しないのでしょうか。政体が全く変わるというのは人によってはかなり恐怖になるらしく日本でも太平洋戦争の敗戦時、戦闘機操縦士の坂井三郎や作曲家の西條八十は
「やばい!俺は絶対にA級戦犯にされる!」 と本気で恐怖に駆られ、硫酸で顔を焼き別人になりきって山村に潜伏、生き延びようと真剣に考えたといいます。
アフリカや中南米では国単位のクーデターでさえ、日本で言えば県や市で与野党が入れ替わったくらいの意味しか持たないのでしょうか。
コメント
私が30歳の頃に、自衛隊調査学校(現小平学校)の元校長(陸将補)だった人から、クーデターについてお話しを伺ったことがあります。
第2次大戦後から30年間ぐらいの各国のクーデター(成功・失敗)を統計で研究した女性が英国にいたそうです。その結果、クーデターが成功する条件に、政治体制の変化によって大多数の国民の生活に影響が少ないという項目がありました。(国民の教育水準、社会構成、産業構成、貿易比率、法治水準など)
すなわち国の政治機構や権力を一部の者が独占し、多くの国民はそのことから影響を受けていないという意味です。支配体制が激変しても、多くの国民の生活が影響を受けないという国です。この他にも、大国の支持があるといった条件も重要です。
ですから、日本はすでにクーデターが起こせる国ではありません。また韓国もクーデターが起こせる国ではなくなりました。もしクーデターを起こせば国民の反発は甚大になります。
今、最も関心があるのは、イランの革命防衛隊がクーデターを起こせるかという点です。最高指導者のハメネイ師を頂点とする聖職者体制を名ばかりの飾り物にして、実際の支配権力を革命防衛隊が握るというクーデターです。
私はイランに行ったことはありませんが、テヘランには衛星放送を受信するパラボラアンテナが乱立していると聞いたことがあります。都市部の教育水準は決して低くありません。また非政府系の人でも外国との繋がりも密接です。
ちょうどイランはクーデターが起こせる可能性が半々といったところでしょうか。
今日の夕刊(読売新聞)では28日に改革派約3000人と警官隊が衝突したそうです。25日以降は大規模な衝突が起きていませんから、昨日の衝突はかなり重要な意味を持つと思います。
2009年6月24日
銃弾の飛翔音でどの様な状況が考えられますか。
届いたメール
おしさしぶりです
数年前にイラクで化学兵器発見の報道で、その化学物質搭載砲弾は相当昔の物であるとデンマークの報道をお知らせした00です。
下記のイランでの流血デモのYouTubu動画について質問です。よろしければお答え願えると幸いです。
Killing more students
in Iran June 22 2009(please share)
http://www.youtube.com/watch?v=5x9TBuMn87s
銃撃を受けた若者を救護している動画ですが、やたらに、 ヒューン ジューン とか音が聞こえていますが、これは 銃弾の飛翔音でしょうか?
もしそうだとすれば、銃弾の飛翔音が回りの声などと比べてこのくらいの音量であれば、どのくらいの近さなのでしょうか?
着弾音のようなものも多数聞こえますが、これだけの玉数が飛び交う状態を、戦闘で言えば どのような状態と表現するのでしょうか?
その他の論評があればお教えください。
リンクがはずれていましたので、再度リンクを貼り直しました。
ちょっと公開にしてリンクを覗いてきます。それからお返事のメールを書きます。ちょっと時間がかかるかも知れません。
銃撃された人を見ました。
明らかに狙撃されています。右大腿部の付け根には太い動脈がありますから、そこを狙って撃っていますね。黒いベルトで止血していた部分です。携帯カメラで撮影しているのは建物の中だと思います。「ブス」「ブス」という弾の音は飛翔音ではなく、弾が壁に命中した音だと思います。戸外なら、そんな弾の音がする場所で平然と携帯カメラで撮影できません。
路上で狙撃された人を建物の入り口まで運び、さらに負傷者を建物の奥の方に運んでいるものと思います。頭部を撃たれた人は即死ではないでしょうか。かなり大きな損傷を受けています。
イランはついに大きな転換期を迎えたよです。時間はかかりますが、もはや革命防衛隊が暴力的な統治はできないと思います。
2009年6月23日
やはり北朝鮮にウラン原爆は無理です。
届いたメール
いつも楽しみに読ませて頂いています。
ウラン濃縮に関して、ご参考までに補足情報をお知らせします。
ウランにはいくつかの同位体があり、核分裂に利用できるU235は天然ウランでは約0.7%しか存在しません。残りのほぼすべてがU238です。ウラン濃縮とはウラン同位体の中でU235の割合を高める作業で、U235の割合が天然ウランより高いものを濃縮ウランと呼びます。濃縮作業の副産物としてU235の割合が小さいウランができますが、これが劣化ウランです。濃縮度は全ウラン中のU235の存在割合を重量%で表したもので、便宜上20%を境に低濃縮ウランと高濃縮ウランに分けています。ただし、一般的な軽水型原子力発電で用いる燃料は20%よりはるかに低い3〜5%程度の濃縮度です。また、核爆発を起こすには理論値でも最低70%、現実的には少なくとも90%程度の濃縮度が必要になります。
尚、濃縮していない天然ウランをそのまま燃料に使える原子炉もあり、カナダや旧ソ連の国で使われています。一方、軍事用の原子炉(艦船の動力炉)では燃料交換のサイクルを長くするため濃縮度の高い燃料を使うことが多く、最新鋭の潜水艦では濃縮度90%以上のウランを使って就役中に燃料交換の必要がないと言われています。
北朝鮮が自国で産出する天然ウランや、せいぜい軽水炉の燃料程度の濃縮度のウランしか保有していないのであれば、ウラン型の原子爆弾を作れるだけの高濃縮ウランを生産するには気の遠くなるような年月が必要だと思います。一方、プルトニウムはU238が中性子を吸収して生じるもので、軽水炉があれば抽出は比較的容易です。ただしプルトニウムで爆発的な連鎖核分裂反応を起こすのは非常に難易度が高いので、やはり簡単にできるとは思えません。
昨日からメールの受信が出来なくなり、今日、やっと復旧しました。
このような時に限って重要な情報が届いているものですね。このメールを読んだ時にそう思いました。
どうも私は核分裂でウラン238とか、ウラン235とか、よく分かりません。嫌いとか、苦手というわけではなく、きちんと勉強をしていないからだと思います。いつもその部分の名詞や数字が出ると、そのままとばし読みをしてきたからだと思います。(反省!)
これからは忘備録を作って、いつも出てくる名詞や数字をメモしたり、資料を張り付けて、緊急の事態に備える準備を怠らないようにするつもりです。(今はそのように考えています)
これからも基礎知識で結構ですから、解説や説明の補足をよろしくお願いします。多くの読者の方にもお役に立つと思います。
ありがとうございました。
2009年6月22日
海自の軍事資料の妙な対応が報じられています
どうもご無沙汰しております。00です。
先日の本はまだ書庫の山から見つかっていないので、見つかり次第お知らせします。
さて、今日は以下の記事について、単なる役所叩きなのか、意外と深い問題が隠されているのかわからないので、コメントいただければありがたいです。
記事引用ここから
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090621/crm0906210938001-n1.htm
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転貸禁止の軍事資料、海自が防衛商社から入手 NATOが抗議 2009.6.21 09:30(産経ニュースネット記事)
海上自衛隊が防衛商社から転貸されたDVD−ROM。「無許可使用、複製、転売、転貸を厳禁する」と明記されているNATO(北大西洋条約機構)が転売、転貸を禁じている軍事資料を海上自衛隊が転貸で防衛商社から入手していたことが20日、分かった。NATOは防衛省の担当者に不快感を表したもよう
だ。軍事資料を直接NATOから購入すれば1枚700ユーロ(約9万円)で済むが、海自は商社に91万3500円も払っていた。枚数は1、2枚で、
10〜5倍もの高値を払ったことになる。防衛商社に詳しい関係者は「防衛省汚職で省と商社の癒着が批判されたのに。相変わらずの商社頼みで転売への危機意
識も薄かったのでは」と話している。
この軍事資料はNATO加盟国など38カ国の補給資料をDVD−ROMにしたもの。NATOによると、NATOの軍事資料は非加盟国の日本の場合、昨年4月以降ならNATOの下部機関・NATO調達管理庁(NAMSA)を通して誰でも購入できる。
海上自衛隊補給本部はDVD−ROMの入手を計画。今年3月に一般競争入札を実施。応じたのは防衛データを多く扱う米国企業「インフォメーション・ハンド
リング・サービシズ(IHS)」の日本法人IHSジャパン(東京都渋谷区)1社のみで、応札価格は日本語の使用説明書を付け、一式消費税込み91万
3500円だった。
これを海自は1年契約で借り受けた。転貸ということになる。直接購入すれば説明書なしで1枚約9万円。枚数は海自は2枚、IHSジャパンは1枚と食い違うが、いずれもかなり割高になっている。
DVD−ROMはインターネットで購入が可能で、ネット上やDVD−ROM自体に「転売、転貸を厳禁する」と明記してある。
NAMSAは転貸情報をキャッチ。今年4月9〜10日、韓国で防衛省側と会合をもち、不快感を表したもようだ。防衛省側は「海自の判断でやったこと」として、防衛省全体として関与した事実はないと説明したとみられる。
IHSジャパンは「NAMSAに5年ほど前に確認したら、転売、転貸を禁じるとは言っていなかった。転貸したのは、『海自は政府機関なのでユーロ建ての支
払いができず、直接購入できない』とのことだった」と説明するが、他省庁の会計担当者は「ユーロ建てができないとは聞いたことがない」と話す。
海上自衛隊幕僚監部広報室は「転売、転貸についてはIHSジャパンに聞いてほしい。購入額が高すぎるといわれても答えようがない」としている。
IHSジャパンは平成14年設立。防衛省にデータベースを納入した実績があり、ホームページによると川崎重工や富士重工、トヨタ自動車、日本航空、全日空などとも取引がある。
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引用ここまで
本件の入札については資料が見つからなかったのですが、IHS ジャパンは米軍補給資料を今回と同様のスキームで、平成19、20 年に、公募一社入札による随契でそれぞれ
1,764 万円で契約納入しているようです。
金額の高さについては、いかに入札仕様を操作していようと公募であればまあしようがないと思いますし、付加サービス(翻訳・要約など)がわからないので不
当に高いのかどうかは判断できません。まあ良くある話かなと。転貸についても、資料が NFR になっているから形式上借上げにしただけでしょう。
判らないのは、
・これは一体スクープなのか?
・なぜ NATO が問題視しているのか?
(ライセンスの問題なら相手は IHS でしょうし、費用損害の問題でもないし、誰でも入手できる資料なら機密性もなし、なんで?)
・なんで会合を韓国で開いたのか?
・どういう経緯で産経に情報が流れたのか?
なーんか釈然としないのです。
というわけで、つまらない記事なら結構ですが、なにか状況があるようでしたら解説お願いします。
これからも神浦さんのご活躍を期待しております。
防衛省や自衛隊の調達は、防衛省職員や自衛隊員の再就職先(高官は天下り)に直結していますから、組織構造上から断ち切ることが難しいようです。
先日も空自の事務用品調達で談合を摘発されていましたが、これらはすべて自衛隊OBと現職で再就職先を見つけたい者との間で話しが着けられているようです。(これは「自衛隊2500日失望記」(須賀雅則氏著 光文社刊)に詳しく書かれています)
やはり防衛産業(商社を含む)と自衛隊(隊員、官僚、職員)と政治家(国防族)の組み合わせが腐敗の温床ですね。ある種の人たちに自衛隊は魅力ある金ズルのようです。
この記事のことは初めて知りました。いやな筋の導火線に火がついたような気がしました。もう「いい加減にしてくれよ」ですね。
2009年6月22日
中国が北朝鮮に困っている内情を感じませんか
神浦さん、福岡市在住の00です。
日本財団の笹川陽平氏が中国の国防部長と面談した内容をブログにアップしています。
「梁光烈・国防部長との面談」
http://blog.canpan.info/sasakawa/archive/1965
北朝鮮へのスタンスなど、なかなか中国のホンネが出ていると思われます。ご参考までに。
なるほどですね。確かに中国政府のホンネの部分を感じますね。
新聞でこの記事を読んだことを覚えていますが、新聞では自衛隊の3佐クラスを引率と書いてあったように覚えています。3佐クラスで堂々と質問する者がいると感心しましたが、あの空母の質問は秋山元防衛事務次官だったことを知りました。それなら理解できます。
これを読むと中国は北朝鮮に手をやいていますね。中国と北朝鮮は血で固めた盟友という時代は完全に終わっていますね。今でも中国が北朝鮮に強く出ないのは、両国の軍部同士の結びつきが強いからという説明は間違っています。
中国も最近はかなりわかりやすい国になりました。そろそろ自信を持ち始めているようです。
2009年6月14日
中国の潜水艦が米駆逐艦のソナーに接触
神浦さん。 すっかりご無沙汰していますが、サイトはいつも拝見しております。
リニューアル後も鋭い分析には圧倒されるばかりです。
さて、今日はこんなニュースがありましたね。 「米イージス艦のソナー、中国潜水艦と接触…フィリピン沖」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090613-OYT1T00414.htm?from=main4
海底でいかなるドラマが繰り広げられたのでしょうか。
素人アナリストには想像もつきません。 まさか米海軍がこんなポカをやるとも思えませんから、 チャイナ海軍に荒っぽい挨拶をしたと考えるべきでしょうか。
それとも、 えひめ丸事件のように不注意による事故でしょうか。 神浦さんの推理をお聞かせください。
この駆逐艦は横須賀基地所属のイージス艦「ジョン・S・マケイン」です。かつては旧ソ連軍との対空戦闘(陸上基地から飛来)を想定した米海軍のイージス艦は、最近は海上発射式トマホーク・ミサイルを使った地上目標攻撃や、曳航ソナー(全長数百メートルのものもある)を使った対潜作戦を強化するようになりました。
この事故はイージス艦の曳航ソナーに潜水艦がぶつかったように思いますが、本当は逆で、イージス艦が潜水艦に曳航ソナーを接触したというものです。その理由は、曳航ソナーとは水中マイクロホンを消防ホースの中に並べたようなものです。あくまで相手の音を聞いて方向や距離、深度や速度を探知する聴音システムです。その能力は400キロ先で潜航中の潜水艦を探知したことがあると聞いたことがあります。
ですからイージス艦には潜水艦の動きが探知できても、潜水艦にはイージス艦の曳航ソナーの存在を海中で探知できたか疑問です。まず、無理ですね。だから潜水艦が故意に、曳航ソナーに衝突させたくても出来ません。
それにしても中国海軍は南シナ海で潜水艦活動を活発化させているようです。まあ、中国の海南島に近いという位置からフィリピン周辺で米中海軍の”海中鬼ごっこ”をやる機会が増えているようです。日本も東シナ海で”海中鬼ごっこ”をやっています。総合的な対潜水艦戦では日米の技術が中国より圧倒的に優っているのが現状です。
2009年6月12日
猿の「子殺し」は野生の群れのようです
6月6日のある方のメールで、猿山のボス猿の子殺しの話題がありましたが、動物園の猿山を想像しましたらそうではなく野生の群れのようです。
ウェキペディアで、「子殺し」と検索しましたら、ハヌマンラングールという種類の猿の群れにこうした行動があるという記載がありまし
た。話はずれますが、ハト、犬、イルカ、馬など、今でもそうかも知れませんが、動物行動学も軍事に関連する領域があるのではないかとふと思ったところで
す。
記憶をたどり「ソ連軍は犬に爆薬を背をわせて敵戦車に体当たりさせた」という写真(P156、モスクワ攻防戦、サンケイ新聞出版社、1972)を見ましたが、戦争の犠牲になる動物も哀しいです。
コメント カンボジアであったポル・ポト派とベトナム軍(ヘン・サムリン派)との戦闘では、カンボジアの若い兵士が爆弾を背負い降伏したフリをさせて爆発させることがあったそうです。
この話を聞いたのはシェムリアップで地雷博物館(個人)を開いているアキラからです。アキラがベトナム軍で戦っている時、 若い兵士に爆薬を背負わせ、銃を捨てて降伏したフリをさせて、ポル・ポト派兵士が近づいてくるとベトナム人指揮官が
リモコンで爆発させたそうです。
一種の自爆攻撃のように思えますが、離れた場所からリモコンで爆発させるのが特徴です。おそらくアヘンなどの麻薬を使って自爆兵士の恐怖心を無くさせたのではないでしょうか。
変わった戦法では、退却する時にAK47自動小銃の弾倉を捨てて退却します。この弾倉の火薬(発射薬)には毒ガスが仕込まれており、ポル・ポト派兵士が弾倉を拾って撃つと、毒ガス発生で死んだそうです。敵味方が同じ銃を使っていたからこんなことができました。
本当に怖いのは人間かも知れません。
2009年6月6日
北の粛清と日本の政権交代
神浦さん こんにちは。
北で「長男ジョンナム側近の粛清が始まった」という情報は夕刊フジで見ましたが、考えたら共産国や封建国家の「粛清」で党内の政治地図が入れ替わる度に、粛清が繰り返されたら国内党内で人材が「枯渇」しないのでしょうか。
過去の歴史では、スターリン時代のソ連赤軍で戦間期に大粛清が行われ、民衆や兵士に人気がある、人望がある将軍が手当たり次第に粛清されたため、1941年に開戦した独ソ戦初期、赤軍は熟練した上級将校が皆失われており、特に空軍は一説には直後に半数が失われたと言われるほどの大被害を受けました。
それに比べて米のやり方は上手くて、対日戦勝後占領行政の過程で一旦は戦犯、公職追放となった特高警察や憲兵、中野学校などの諸勢力が後免訴されて続々復活し、日本におけるCIAの「下請け」「子会社」となって東西冷戦の中で縦横無尽に活躍しました。
どうも北の内政が見えてきません。今「三男の後見人」とされる 「チャン・ソンテク」(張成沢) は「一度は失脚したが、後復活した」とされているし、それだと極めてアナログで非情な猿山のように
「新しいボス猿が政権獲得すると、新しいボス猿は先代のボス猿 と雌猿の間に生まれた子猿を皆噛み殺す」 という文化はもう終わったのでしょうか。
実は北の内政は意外に封建思想からの脱却が進んでいて、丁度米の「政治主導」の行政機構のように「与野党が交代すると、ワシントンの中央省庁で課長級以上の役職が数千人単位で一斉に交代するが、ワシントンを去った者達もそのまま生きており、再度与野党が交代すると一斉に復帰する」
のようなフレキシブルな形に現代化されているのでしょうか。
「政権交代で実務者も一斉交代」というのは、日本の民主党も形をまとめつつあり、北の政変はその青写真のようで興味が尽きません。
えぇー、猿山のボスが交代すると、新しいボス猿は先代のボスとメス猿との間に生まれた小猿を食い殺すのですか。すごい世界ですね。でも本当ですか。そんな話しを初めて聞きました。
独裁国家で後継者を争う権力闘争は、独裁体制が元気になる新陳代謝かもしれません。粛清によって余分な「枝きり」を行うからです。でも嫌ですね。
民主党は官僚政治の打破を叫んでいますが、防衛政策だけをみると議員は防衛官僚にアゴで使われるだけですね。まあ、そうして成長するのでしょうが、逆に官僚独裁を強めるだけという危険もあります。
この夏は暑くなりそうです。
2009年6月5日
軍事危機を煽るだけの世論操作は危険です
6月4日付の「メールにお返事」の欄の「届いたメール」の指摘について、違和感を覚えて、ひと言発言させていただきます。
というのは、最近の政府要人や特定の国会議員、マスメディアが、北朝鮮の「脅威」を異様に強調し、あたかも明日にでもわが国と北朝鮮のあいだで一戦交え
ることになりかねないようなコメントをするのを見聞きして、「人の良い」国民をだぶらかすのもいい加減にしてくれと言いたくなります。
北朝鮮の今回の弾道ミサイル発射や核実験の精度や実力のほどはまだ、軍事的、科学的分析による「結論」は出ていないのではないでしょうか。
弾道ミサイルの3段目の切り離しには失敗したとする米政府系シンクタンクのグローバル・セキュリティのチャールズ・ビック博士や、核爆発はロシアの発表では20キロトンとなっていましたが、「4キロトン程度」とするドイツ・ハンブルグ大学のカリノウスキー教授の意見など、そのような冷徹な分析と見解にこ
そ耳を貸すべきだと思います(核実験であったかどうかは、神浦さんらが指摘しているように、放射性物質がとらえられていないだけに、その真偽のほどは今はわかりません)。
防衛省(当時の防衛庁)は2006年7月5日の北朝鮮の弾道ミサイル発射について、当初はあたかもたいへんな脅威かのように発表しておいて、テポドン2
は発射に失敗したことなどがわかると、「出す」「出す」と言っていた報告書を出さずに、当初の発表の反省の弁もしないまま今に至っています。今回の報告は
どうするのでしょうか。国民をあおりそそのかして、結局はカネのかかる弾道ミサイル防衛(MD)や高額な次期戦闘機などを買う話に結びつけて、防衛族の先生方の「役得」と防衛省の高級幹部の天下り先の拡充などにつなげるだけの話です(過去数十年の、このワンパターンぶりにへきへきしています)。いい加減、
こそくな思惑による「防衛論議」は止めて、まっとうな「防衛論議」をしていただきたいと思います。
それからロシアや中国などの脅威は「最悪のケースを想定して」という意見は問題だと思います。「最悪のケース」になれば、日本人どころか人類の終わりで
す。そのことは、わが日本人とすれば、核兵器が実戦使用された先の太平洋戦争・第二次大戦で体験済みではありませんか。そのような事態にならないように、
日本国憲法では先の大戦を総括して「戦争を起こさせないシステムづくりをしていこう」と誓ったのではありませんか。
孫子曰く、兵は国の大事なり、死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。戦争は国の重大事だが、国民がすべて死んでしまうかもしれない、国が滅びる
かもしれいない、どうなるかわからない、よって、戦争を避ける努力をせよ、と孫子は「兵法」の冒頭で唱えたのではありませんか。
ただ、北朝鮮の行為は(国内事情=金正日の息子への権力移譲=が主要因であるとしても)、国連安保理決議に違反しているのは明らかです。国際社会の約束事、決定事項を破るような国に対しては、国際社会が一致協力して毅然たる態度で臨まなければならないのは当たり前です。わが国には、その外交力が問われて
いると思います。
皮肉って言うわけではありませんが、今回のケースは、北朝鮮というより、北朝鮮(とのあいだの資源開発と交易)で儲けて(良い思いをしている首脳・高級
官僚の)いる中国が「ネック」になっているのではないでしょうか。中国のふところまで見抜いての、わが国の外交筋の奮闘に期待しているところです。
06年7月のテポドン2の発射では、防衛庁(当時)が公式な報告書を出さなかったことは今知りました。確か、「発射後約40秒で爆発した」のはアメリカの情報機関が公表したデータだと思います。それで今回は防衛省の報告書公表が早かったのですね。
しかし私は今回の報告書もいろいろな細工がしてあると考えています。その最大なものは、ミサイルの弾頭部に搭載された「光明星2号(人工衛星)」が発射直前から出していたはずの「金正日将軍を称える歌」(470メガヘルツ)の電波を自衛隊の情報部隊は傍受したと思います。美保基地(鳥取県)の電波傍受施設や海自のEP3機(岩国基地)です。それを聞き逃すほど自衛隊の電波情報部はいい加減な組織ではありません。また北朝鮮が打ち上げ成功を証明するために電波を出さない訳がありません。たとえ失敗しても、人工衛星打ち上げの口実にできるからです。
しかしあくまで人工衛星の打ち上げではなく、国連安保理決議に違反する長距離弾道ミサイルの発射とするため、アメリカと韓国と日本が話し合って電波受信のことは公表しないことにしたと思っています。軍事の世界ではそのような情報を操作することが許される世界なのです。そのための専門集団である心理戦部隊が軍隊には存在しています。
それから頂いたメールで「自衛隊は最悪の場合を想定して対処する」と言われた部分は、まさしく全面熱核戦争のことです。日本の国家予算の大部分を軍事費に投入しても日本の安全は得られないでしょうね。
でも、あのメールは「私はこのように見ている」と私(神浦)の主張の分析が書かれていたので、真面目なご指摘だと判断しました。私と考え方は違っても、あのような批判メールは大歓迎です。ただし困るのは、一方的に叱りつけるだけのメールです。なぜ私(神浦)が叱られているのかわかりませんから。
2009年6月6日
朝鮮戦争の間違いではありませんか
「第2次大戦が終結してからの日本周辺で、これほどの軍事危機が高まったことはない
」 との文章ですが、これは 「朝鮮戦争が終結してから」 の間違いではないでしょうか。 韓国軍が釜山に追い込まれた時は相当な危機だったと思うのですが。
私もそのことで考えました。しかし北朝鮮人民軍(当時)には対馬海峡を越えて日本に侵攻する能力はありませんでした。あくまで朝鮮半島全域の軍事支配が限界でした。いくら日本が太平洋戦争でボコボコにやられていても、ソ連(当時)が北海道に軍事侵攻しなかったのと同じ理由です。前にも書きましたが、日本から米駐留軍が朝鮮半島にすべて出撃したため、日本には日本軍(警察予備隊の創立前)を含めて軍事力ゼロの時があったのです。
その意味では、朝鮮戦争が日本の軍事危機という説は成り立たないと考えました。しかし第2次大戦ではアメリカ軍が沖縄などに軍事進出していたし、ソ連軍も北方領土まで進出していました。もし北朝鮮にノドン・ミサイルがなければ、日本に軍事的な圧力をかけることはないと思います。
そのような理由で、第2次大戦後という言葉を使いました。
2009年6月4日
神浦さん主張はミスリーディングではないですか
北朝鮮情勢の緊迫化について、神浦さんの、長年の主張は根幹の部分においてミスリーディングではなかったのでしょうか。
神浦さんの主張は一貫して、
・北朝鮮は韓国に対してBC兵器で脅迫している
・しかし、国自体が弱体化しており脅威ではない
・むしろ、いつ崩壊してもおかしくないので崩壊に備えるべきだ
・北朝鮮が暴発することはない、中国が生命線を握っているから
・核兵器は完成していない。核兵器を運搬する 手段も完成していない
・北朝鮮の核の脅威を煽る論調に惑わされてはいけない。軍事知識が必要だ です。
しかし、
・北朝鮮は日本に対してもBC兵器で脅迫している中国に対しても同様
・日本国内には、北朝鮮の工作員が多数いる。また、韓国人の反日感情も強い
・中国も北朝鮮へのコントロールを失っているか、失ったふりをして放置している
・核兵器の完成度は上がっていっている 。ミサイルの完成度も上がっていっている
・現に、暴発が予測できるレベルにきている
おこりつつある現象は、神浦さんが予想されていた、「北で政権崩壊が起こり、中国が進駐あるいは難民発生」という事態とは異なって います。
北が戦争リスクを犯してでも、核配備を進めるというのが、最悪ケースのはずです。
軍事というのは、最悪ケースを想定した上で、様々なな対策を立てるものと思います。しかし、 神浦さんの論は、そうではありませんでした。
中途半端な外交知識や政治的な希望が混入しているのではないでしょうか。
>このことによって、日本での北朝鮮研究者が世代交代をすることになる。
というのは、まず、ご自身の過去の言動をふり返った上で、なされるべきと考えます。
同様に、中国は脅威でない旨、繰り返しておられますが、中国・ロシアの脅威は、わが国の軍事上、最悪ケースを想定してなされるべき議論と思います。
北朝鮮が06年に行った地下核実験では、明らかに爆発力(数百トン規模)が低く、未熟核爆発であること認定されています。それ以外に北朝鮮の核兵器技術を評価できるものはありません。
今回(先月25日)の核実験は爆発規模が4倍程度と大きくなっていますが、空中で採取される放射性物質が確認されていません。(公表されていません)。ですから今の段階では、北朝鮮だけが核実験を行ったと主張し、各国で地下核爆発に似た地震波を感知したということです。
もうそろそろ空中から放射性物質が採取されなければ大きな問題が発生すると思います。北朝鮮が本当に地下核実験を行ったのかという疑問です。核爆発によって生じた自然界にない放射性物質が地上にしみ出て、さらに空中に浮遊して風下に流される。それを航空機や地上の観測施設で採取して分析するという確認方法です。
06年の時は核実験後1週間ぐらいで、米国、韓国が公式に発表しています。日本は空自のT−4練習機と、国内の大気観測施設で採取を試みしましたが、核実験に伴う放射性物質を確認できませんでした。
北朝鮮はご存じのように人工衛星の打ち上げに成功したと発表する国です。今回の核実験でどのような放射性物質も確認できないと、北朝鮮の「核実験成功」という話しも疑問符がつきます。今回は横穴式の地下核実験ですから、長い時間をかけてこっそりとトラックで大量の爆薬を運び込めば「核実験を装う」ことも不可能ではありません。
国連安保理で北朝鮮に新たな制裁を課すためには、確かに核実験が行われたという証明(証拠)が必要です。おそらく今週中には日米韓から、そのような放射性物質を確認したという報告が行われと思いますが、それが出されるまでは北朝鮮はまだ完全な核兵器保有国とは言えません。
弾道ミサイルも今までの実験結果で判断すべきです。
そのことに気がついていましたか。
追伸
それから私の主張の分析ですが、明らかに間違っている部分があります。
北朝鮮が日本や中国をBC兵器で脅迫していると発言したことはありません。私は北朝鮮のBC兵器が韓国軍・在韓米軍の攻撃(北進)を抑止していると説明しています。 日本や中国にとって脅威にならないとはいいませんが、韓国や在韓米軍が受けている脅威より遙かに低いと思います。
中国も北朝鮮へのコントルールを失った訳ではありません。中国は北朝鮮のことで腸(はらわた)が煮えくりかえっていると思いますが、これからもコントルールを維持しようと頑張っています。
核実験の評価については、前文で書きましたので省略します。ただし小型核弾頭の実験は行っていません。また、北朝鮮は今までに3回のテポドン発射(人工衛星打ち上げ)に失敗しています。ミサイルや核兵器の完成度が上がったとは思いません。
間違いや勘違いを前提にお話しをすることが出来ません。以上のことをご確認ください。2009年6月3日
舞水端里から東倉里に変更になった理由
いつもサイトの方を拝読しております。
先日の記事において、なぜ舞水端里ではなく東倉里なのか? についてコメントされていましたが、これの理由ですが、 何らかの理由で舞水端里の施設が使用できない可能性は無いでしょうか?
まず思いつくのは前回の打ち上げ時、ロケットエンジンの噴射ガスによって発射台が損傷した可能性です。 これは日本でもH2Aを打ち上げた際に発射台が真っ黒こげになった事があります。 例え、見かけ上は無事だとしても、
打ち上げ失敗が許されない以上、前回の発射から2ヶ月程度でこれを点検し、損傷箇所を確認、部品を調達して修理し、更に新しいロケットを打ち上げるのは困難に思われます。
もう1点は交通インフラの問題。 北朝鮮の国内はこの10年超に渡って交通インフラの整備がほとんど成されていないと聞きます。物流の大動脈である鉄道の状態も酷く、車両が安全に通行するため全線が
常時30km/hで営業している状態だそうです。
その様な危険な状態で、つい先日の核実験でM4〜5前後の地震を起せば、鉄道への被害が生じても不思議は無いと思います。
現に、前回の核実験では鉄道(トンネル?)に被害が生じたと、報道があったように記憶してます。もし鉄道が無事だとしても…国威に関わる戦略物資を運ぶのですから、
事前の点検作業は必須であり、ごく短期間での確認は不可能でしょう。
それから、これは現状ではあり得ないし、考えたくもないのですが、東倉里の方がソウルや軍事境界線に近いから…というのは無いでしょうか?
4月に打ち上げたロケットは人工衛星打ち上げとしては失敗でしたが、
ロケットエンジンの完成度をみるなら、一応の成果を上げていると思います。 4月の打ち上げでは1段目が650km飛んで秋田沖に落ちていますから、
このエンジンには少なくとも2段目以降を、500km以上運ぶ能力がある事になります。 重量にすると…テポドン2号の2段目はノドンミサイルと
推定されますから、ノドンの重量16tが参考になるでしょう。
これだけのペイロードがあれば、北朝鮮の開発した核爆弾がどれだけ重かろうが
韓国を相手にするだけなら実戦配備可能…という話になり、 それで従来はソウルに照準を合わせていた重砲やノドンミサイルが 不要になり、兵力を別の戦線に抽出する事も出来ますし、ノドンに限るなら
相当数を日本向けに振り替える事も出来ます。
以上です。 とはいえ最後のくだりは自分でもありえないと思いますが、最近の北朝鮮の異常さを考えると…う〜ん…
いかがでしょう?
このあたりの話しは、北朝鮮が崩壊して、その後談として明らかになると思います。その時、なーんだ、その程度の理由で東倉里に移したのかという話しになれば、この交通網や打ち上げ施設が破損して使えないからという理由が考えられます。実はそのような平凡な理由が最も可能性が高いのですが、いろいろと考えているうちに煮詰まって、意外な可能性を重視してしまうのですね。
ソ連邦が崩壊して、秘密軍事都市だったウラジオストックが外国人に公開されたとき、ウラジオを訪問して驚きました。極東ロシア軍(海軍)のあまりにも旧式な兵器(装備)が配備されていたからです。あれほど極東ソ連軍のことを勉強していたのに、目の前で錆びて朽ちた大量の潜水艦群を見た時の思いは「ショック」でした。ウラジオの林の中にあった自衛隊(北海道)の無線を傍受する施設は、アンテナに針金を使った信じられないほど貧弱な施設でした。
しかし航空機の一部、艦船の一部は、それなりの性能を維持していました。まさに崩壊前のソ連軍の装備は“一点豪華主義”というものでした。そのことも事実です。ですからソ連邦崩壊後では、ロシアは武器輸出だけは外貨を獲得できることができました。
北朝鮮が崩壊して、我々は意外な事実を知ることになると思います。来年の今頃は、日本から平壌に団体観光客が押し寄せているかも知れませんね。
2009年6月3日
北朝鮮の核武装化は、当初より中国が念頭にあった。
神浦さん、いつも拝読しております。
さて、「What's new」で「まさか、北朝鮮は中国も核兵器で牽制し始めたということなのか。」とお書きですが、北の指導者としては、当初より中国のことは念頭にあったと思います。
日本にとって、最大の潜在的脅威(政治的関係を無視して、物理的能力のみに着目した場合の脅威)が米国であるのと同様、北にとって中国は大きな潜在的脅威であることは事実でしょう。日本人は、目先の政治的関係にばかり注意を向けて、潜在的な脅威という観点から国防を考えることがないようですが、北を含め、
諸外国ではそういう観点からも国防や外交を考え、対策を取っていると思われます。
では、失礼致します。
以前にも書きましたが、北朝鮮が東京をノドンで核攻撃できることは、北朝鮮から北京にもノドンで核攻撃ができることを意味する。だから中国は北朝鮮の核武装化を決して許さないだろうと指摘しました。
中国としてみれば、今は中国の援助でやっと生き延びている北朝鮮が、これでは援助が足りないと中国を逆恨みして、中国を核兵器で脅す可能性もあるわけです。特に今は、北朝鮮が6カ国協議に復帰することを迫る中国に、イライラした気持ちを感じていることは間違いありません。
北朝鮮が急ぐ核武装国家と、中国の朝鮮半島の非核化構想はまったく逆方向です。その点では、北朝鮮の核武装では米朝関係よりも中朝関係がより緊張が増します。
中国がこのまま何もしないで、北朝鮮の核武装化を見ているような気がしません。
しかし、もう中国の高官が密かに平壌を訪問して、金正日と直接に会談して説得する段階は超しています。北朝鮮もそのような中国政府の訪朝を受け付けないでしょう。
中国は伝統的に毒殺や暗殺の歴史を持つ国です。そのような非常手段も選択肢のひとつになる可能性もあります。中国の大規模な軍事介入はあり得ないと思いますが、中国4000年の謀略や秘術を使う可能性は高いのではないでしょうか。
2009年6月2日
自衛隊の予備自衛官に動きがあるようです。
いつもBLOGを読ませて頂いています。
1)最近、WhatNewsの更新がなく、ガッカリするとともに神浦さんのお体でも悪いのだろうかと心配しております。いかがでしょうか?
2)最近、マスコミ等でははっきり報道されませんが、北朝鮮関係で臨戦状態の一歩手前のような雰囲気を感じています。
Internet情報で次の情報を見い出しました。いかがお考えでしょうか?
http://www.asyura2.com/09/wara9/msg/194.html
http://alcyone.seesaa.net/article/120511973.html
コメントあれ、What New は更新していますよ。トップページの左上を見てください。ご存じの様に5月中旬に、新しいデザインでリニューアルしました。分かりにくいですか。それから私はすごく元気です。
それから予備自衛官に集合命令(待機)ですか。新潟の駐屯地などに全国の部隊から装甲車などが集結中ですか。いよいよ自衛隊は北朝鮮の異変に備える体制を取り始めたのだと思います。このような動きは60年安保以来の出来事かもしれません。函館空港のミグ25戦闘機亡命事件の時は、北海道の一部の陸自部隊と、海自の艦船の一部が、函館空港の警戒とミグ25の破壊(空爆)に備えて出動しました。
自衛隊の中央情報本部は北朝鮮の無線交信を傍受していますから、通信内容はともかく、北朝鮮軍の無線交信量が異常に増えている可能性があります。そのような場合でも、自衛隊は警戒度をあげて対応します。
北朝鮮情勢に関連して予備自衛官が呼集されれば初めてのケースだと思います。いつでも駐屯地の部隊が出動しても、留守の駐屯地警備や後方支援などの任務を担うと思います。
2009年5月30日
ノドンの日本着弾は10〜15分以内
神浦さんこんにちは。
瑣末な話なのですが、昨日の「メールで情報と感想」のコメントにあったノドンミサイルが北朝鮮から発射されて日本に着弾するまでの時間が「40〜50分」というのは長過ぎませんか?
最大速度とかテポドン1号、銀河2号などとそれほど変わりが無け
れば、「10〜15分」くらいが正確だと思います。
北朝鮮から日本本土まで到達に40〜50分というと、弾道ミサイルでなくもっと低速の巡航ミサイルなどの数字ではないでしょうか。
メールでご指摘を受けて、私の大ドジに赤面です。40〜50分というのはロシアや中国がアメリカに向けたて発射した場合(あるいはアメリカから中露へ)のICBMの飛翔時間で、北朝鮮から日本に向かって発射した場合は、このホームページでは今まで17分前後と記述してきました。
さっそく訂正して、直しました。なんでこんな誤記をしたのかわかりません。これからも誤字や間違いのご指摘を宜しくお願いします。
2009年5月29日
北朝鮮が発射した5発のミサイルの目的?
神浦さん、いつも拝見しています。毎日の更新ご苦労様です。
北朝鮮のテポドン・ミサイル発射(4月5日)の時にも思いましたが、北朝鮮が核実験した際にも、神浦さんのホームページが事態の理解を深める上で非常に役にたちました。きっと私と同じ思いの人は多いと思います。ありがとうございます。
今日は質問してみたいことがあり、初めてメールをさせて頂きます。
それは北朝鮮が核実験(今回)をしたとき、合計5発の短距離ミサイルを発射したと報じられています。確か06年7月のテポドン2を発射した時も、北朝鮮は合計7発のミサイルを日本海に向けて発射したと報じられました。
なぜ北朝鮮は何発ものミサイルを発射するのでしょうか。このことに、どの様な意図があるとお考えですか。神浦さんのお考えをお聞かせください。
コメント確かに、北朝鮮は今回、5発の短距離ミサイルを発射したと韓国政府が発表しています。私が知る範囲では地対空ミサイル(射程130キロ程度)と、地対艦ミサイル(射程120キロ程度)と発表したと思います。
これは核実験の直後に、核実験場の方向から流れてくる大気を採取して、核実験によって大気に大量の放射性物質が放出されなかったかを観測する米軍や韓国軍や自衛隊(岩国基地)の航空機(WC135大気観測機など)や艦船を追い払うために発射したものと考えています。できるだけ大気を領空(領海)ぎりぎりまで接近して採取したいので、大気観測が目的(偵察)の航空機や艦船は北朝鮮に接近します。これに苛立った北朝鮮軍が威嚇のために発射したと推測しています。
06年のテポドン2の発射の時は、直後に発車したのはスカッド、ノドンの弾道ミサイルです。北朝鮮としては、テポドン2が長距離のICBMで、ノドンが中距離の弾道ミサイル、スカッドが短距離の弾道ミサイルで、それぞれテポドン2がアメリカ向け、ノドンが日本向け、スカッドが韓国向けと主張したかったのだと思います。しかしテポドン2は発射40秒後に空中爆発しました。
すなわち今回の短距離ミサイルは戦術(威嚇)のためのミサイル発射で、06年のミサイル発射は政治的な目的を誇示するために発射したと思います。
2009年5月28日
日本の核武装や先制基地攻撃を国民投票しませんか
この1〜2年ほどHPを見させて貰ってます。
一般素人の私と納得いくことも、意見が違う事も多々あるのですが、最近の北朝鮮を巡る政治家の言動をニュースで見聞きするにつれ、たまらずメールしました。
政治家は敵基地攻撃能力や早期警戒衛星の配備、そしてタマに聞かれる核武装など勇ましい事を言っているのですが、そんな事より北朝鮮まで届く性能で通常弾頭の弾道ミサイルの配備(軍事的に意味は無いと思うが、北朝鮮から攻撃を受けた後の報復攻撃としては日本にリスクがある敵基地攻撃能力よりは低いと思うので)
や個別的自衛権による核ミサイルの配備の是非を問う国民投票など(実際に核武装するかは別にして)の日本国内での議論や、実際に政府が行動出来るだけでも中
国を動かす外交カードになるのではないか?実際に予算がかかるハードを揃える前に出来る事があるんでは無いか?
と最近の北朝鮮情勢に関するニュース等を見た素人の意見です。
よく大量破壊兵器という言葉を聞かれると思います。その意味は、核兵器、生物・化学兵器、弾道ミサイルの3つの兵器を指す言葉です。むろん日本の自衛隊には配備していません。しかし過去の国会で政府答弁には、「自衛のためなら日本の核武装が禁じられている訳でない」という議事録が残っています。安倍元首相が副幹事長時代(?)にそのような発言をしてメディアを騒がせたことがあったと思います。
今は、日本のミサイル防衛(MD)でテポドン2が迎撃できないとわかって、それなら海上発射の巡航ミサイル(弾道ミサイルではありません)で北朝鮮のテポドン発射基地を先制攻撃するべきと自民党の国防族が主張し始めています。
しかしテポドンは発射台組み立て式で、発射までに数十日間の準備期間が必要ですが、ノドン・ミサイル(射程1300キロ)は移動式の発射台に搭載され、トンネルなどの地下陣地から出てきて数時間で発射可能です。そして20分以内(※)に日本に着弾します。日本が先制攻撃をしたくとも出来ないのです。そのかわり日本には報復力があります。北朝鮮のミサイル攻撃で被害を受ければ、その被害の数千倍、数万倍の武力で北朝鮮に報復攻撃します。
今のところ、報復の役割は米軍になっていますが、もし米軍が北朝鮮への報復をためらえば、日本は日米安保条約を破棄して、米軍には日本から出て行ってもらい、憲法改正して武力で北朝鮮に報復します。それが怖くて北朝鮮は日本にミサイル攻撃が出来ないというのが「抑止力」なのです。
もしあなたが言われるように、日本の“核武装”や“先制攻撃戦略”の是非を国民投票すると提案すれば、アメリカや中国は震え上がるでしょうね。日本ではアメリカに対する信頼感が低下して、中国に対する警戒心が高まったと理解するからです。日本は決して弱い国ではありません。ただし軍事的に強くならないように配慮している国です。そのことを中国やアメリカはよく知っています。
でも面白い発想ですね。日本が核武装や弾道ミサイルを持つことの是非を問う国民投票ですか。ちょっと日本人に軍事的な知識や感覚が育ってきたような感じを受けました。
※当初40〜50分で日本に着弾と記述しましたが、読者の方からのメールで誤記と気がつきました。5月30日に訂正しました。詳しくは5月30日のこの欄をご覧ください。
2009年5月27日
アフガンの武装勢力が白リン弾を使用
神浦さんご無沙汰しております。 まだ国内では報道されていないようですが、アフガン武装勢力が白リン弾を使用 しているというニュースが入ってきました。
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200905200007.html
その際確認された物にはロシア製迫撃砲に使用する物の他に、中国製のロケット 弾もあります。 中国製63式107mmWPロケット弾
http://www.sinodefence.com/army/mrl/type63.asp
白リン弾をIEDとして使用しているという指摘もあるようです。 今回発見された白リン弾、特にこの中国製ロケット弾は、発煙弾として用いられ るものではなく、当初から焼夷目的で製造されており、市街地で使用すれば明ら かに国際法に違反します。「あくまで煙幕として使用した」という意見は当ては まりません。 以上ご報告差し上げます。 それでは。
コメントお返事が遅れて申し訳ありません。北朝鮮の核実験でここへの掲載が遅れてしましました。
写真を見るとかなり大量の発煙がでていますね。私がガザの映像で見た白リン弾は、ほとんど発煙が出ていませんでした。いかにも発煙効果より焼夷効果を狙っていることがわかりました。
この写真は発煙弾ではありませんか。発煙効果を十分に期待できます。米軍陣地に発煙弾を撃ち込み、米兵の視界を奪って接近し、至近距離から手榴弾や自動小銃で制圧する方法です。私にはそのように見えます。如何ですか。
2009年5月23日
イランのセッジール2の複合固形燃料
神浦さん、
タイミングが遅れましたが、セッジール2の「複合固形燃料」は固体燃料の一種です。
最近は、「コンポジット系推進薬」と書かれることが多いようです。
専門書には酸化剤の結晶と粉末の燃料を合成ゴムなどで固めたものと書
かれていました。
他に燃料と酸化剤を混ぜて固形化した「ダブルベース系推進薬」があり
ますが、「コンポジット系推進薬」の方がいくつかの点で優れていると いわれます。
確か、日本のロケットもほとんどがコンポジット系だったと記憶します。
要するに、コンポジット系の方がよく燃えるのだろうと思います。
コメント5月21日のイランが中距離弾道ミサイルの発射実験に成功という件ですね。昔から、ロケット兵器の発射薬に固体燃料の「コンポジット推進薬」のことは知っていましたが、これが自衛隊でいう「混成発射薬」のことで、イランの「混合固形燃料」と同じということですね。すなわちイランは北朝鮮のノドン・ミサイルの模倣ではなく、固体燃料の中距離弾道ミサイルの開発に成功したということになります。
また「2段階式」というのは、推進エンジン部が2段式というわけでなく、ロケットエンジンの地上燃焼実験とミサイルに搭載した発射実験の2種類の実験を行ったという意味になります。固体燃料は点火後に一定の面積で燃焼させ、長時間、一定の推力を得ることによって、液体燃料では得られない発射準備時間をなくすことができます。
貴重な情報をありがとうございました。
2009年5月22日
ちょっと気になることがあります。
神浦さん、
ホームページリニューアルおめでとうございます。
オフ会で予告しておられましたが、すばらしいページになりましたね。
技術面についてはさておき、法的に少々気になった点を少し指摘させてください。
今回から What's New のページは「続きを読む」スタイルになりましたが、そのためトップページでは元記事のほぼ全文転載のオンパレードになっています。これは著作権法上の引用基準を満たしておらず、盗用に当たる恐れがあります。
旧スタイルでは全引用記事に必ず神浦さんのコメントがあり、こちらがメインと解されましたので問題はないと解されました。
できればトップページでの元記事引用は1パラグラフ程度に留めておいたほうが、著作権的にも、トップページの読みやすさからも良いのではないでしょうか。
あと、英語サイトについてですが、やはり英語サイトはトップページも含めて英語メニューにしておいたほうが良いでしょう。外国からアクセスする人に日本語フォントセットを強制する(そういう設定になっています)のは、印象的にもあまり良くないです。
もうひとつ、単純な旧式サイトは不正アクセスに耐性がある(できることが少ないので)のですが、高度なサイトになると機能が増えた分、セキュリティホール
も増えます。神浦さんはインターネットでも有名人ですので、愉快犯的からのアタックも多いでしょうし、昨今は特に中国右翼者からの高度なサイト攻撃は日常
茶飯事です。セキュリティには十分ご注意ください。
お手伝いできることがあればいつでも協力しますのでお声をかけてください。
これからもがんばってください。
お返事が遅れてすいません。18日にメールを頂き、さっそく19日からWhat Newの「記事の概要」は最小にするように心がけています。私も気にしていたのですが、その記事を書いた新聞記者の方の苦労を思うと、一行、一文字を、粗末に出来ないと考えて長くなってしまいました。また記事とは違う意味を伝えていけないという心配もありました。でも「記事の概要」の文字数を短くしたことで随分と読みやすくなりました。
また、本日から「概要」だけだった表記を「記事の概要」に変えました。さらに「続きを読む」を「コメントを読む」に変えました。如何でしょうか。英文の方もLA在住の方から同じような指摘を頂いています。今月中に直すように頑張ります。
また、時々の近況報告(日記のような雑感)を載せて欲しいというご意見もありました。毎日は書けませんが、それも増やしたいと考えています。それから私のところに時々「新刊本」が送られてきます。仲の良い友人が「書評」をHPに載せてくれといいます。要は宣伝です。このことも何とか対応できないか考えています。
セキュリティについては、私はまったく知識がありませんから、今回のホームページのデザインを担当して下さった人(会社)に任せています。そのあたりの対策について説明を受けましたが、まず心配ないと思いました。
これからも専門的な立場で、いろいろアドバイスをお願いします。
2009年5月18日
さわやかでシンプルなレイアウトで読みやすい
神浦さん、こんにちは!
もう5年ちかく、J-rcomの情報にお世話になっております。いつも世界情勢が荒れて不安になると、かけ込み寺のようにこちらにお邪魔してクールダウン
させて頂いております。今アクセスしたら、あれっ!違うところにお邪魔しちゃったのかしら?とキョロキョロしてしまいました。さわやかでシンプルなレイア
ウトで、読みやすいですね。お忙しい日々とは思いますが、これからも更新、よろしくお願い致します & ありがとうございます。
ありがとうございます。先週、5月13日からこの様にリニューアルしました。まだ緊張して更新する時間が今までの倍以上かかっています。金曜日(15日)にやっとメールが読めるようになりました。その間、皆さんからお祝いのメールを頂いていましたが、15日にそのメールを読みました。ありがとうございます。
今回のリニューアルはこのホームページを通じて知り合い、6年以上もお世話になっている方の協力でできました。以前のデザインで10年間ほど更新をしましたから、今度の新デザインでこれから10年ほど頑張るつもりです。何でも今回の新デザインは画像(動画)情報を取り入れるように考えてあるそうです。慣れてくれば、私が撮影した映像や、皆さんからの動画情報を掲載できるようにあると思います。
できれば、東京新聞と日本経済新聞の記事を載せることができ、また毎日の What New ! も1日2件〜3件のコメントを掲載できると良いですね。これはあくまで希望ですが、そのような発展型を想定(一応)しています。でも私一人の力ではとうてい無理です。
2009年5月18日
なぜ、イスラエル軍が行った「白リン弾」攻撃が「過失」なのですか。
<国連がイスラエル非難 「ガザ施設攻撃、意図的」 「白リン弾」攻撃は「重大な過失」と一蹴>
という記事に関してですが、ここのコメントの以下の部分への質問です。
====
しかしガザ地区にイスラエル軍が行った攻撃は詳細な情報(地図など)を使って行われたことは容易に想像できる。その地図には国連施設などの記入が必ずな
されていたはずだ。にもかかわらず、無人偵察機の赤外線(画像)情報だけで、他の情報と照会しなかったのはイスラエル軍の重要な過失である。
====
と書かれているのですが、これを過失とした根拠は何でしょう。「意図的に狙ったとしか考えられない」というようなガザのフリージャーナリストの報告も少なくなかったように思うのですが。
これを過失と判断した根拠を教えてもらえると幸いです。
「意図的に狙ったとしか考えられない」というのは、それなりに根拠のある意見のように思えたのですが。
今月の国連の報告書の件ですね、この白リン弾攻撃については、私もイスラエル軍の意図的な「白リン弾」攻撃だと思います。しかし国連報告書がイスラエル軍の「重大な過失」と書いているので、もしイスラエル軍の過失なら作戦地図との照合をサボったと書きましたが、軍事常識では作戦地図と照合しないで砲撃を行うことなど考えられません。まして砲撃地点のガザ地区は人口密集地で、国連などの国際援助施設が各所にあります。イスラエル軍の意図的な「白リン弾」攻撃以外に考えられません。
再度、文章を読み直しましたが、違和感を持つほどは感じませんでした。もう一度、読み直して見ます。そして違和感を持ったら直ちに訂正します。訂正した場合はその理由を記入して誤解を与えたことを謝罪します。
2009年5月15日
宗谷海峡トンネルという構想について。
先日空中発射式のロケットについて質問差し上げた者です。
さて、最近にわかに日露間の交渉が活発化しているようです。そこで、ふと以前耳にした「宗谷海峡トンネル」という物が思い出されたので質問させていただきます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%97%E8%B0%B7%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB
このトンネルは日露間をサハリンを経由して鉄道で結び、日本の物流網を陸路でユーラシア大陸と結び付けようとするものです。船を使うよりもかなり短時間で欧州と日本を結び、将来構想としてはベーリング海峡を繋いで北米とも陸路で連絡しようとする物だそうです。
技術や資金面では青函トンネルほど難しいものでもないようですし、経済的な観点からは実現する可能性は十分あると思います。
ただ、反面日本は強大なロシア陸軍と地続きで対峙する事になり、場合によっては日本の安全保障環境を一変させるリスクもあると感じます。
実現の為の条件としては、北方領土問題の解決(セットでサハリンの帰属の確認)、日露平和条約の締結、極東ロシア軍と北海道の自衛隊の大幅な軍縮及び緊張緩和等が必要と感じられますがいかがでしょうか。
また、そうした合意を近い将来日露間で締結する事が可能かどうか、ご意見をお伺いできれば幸いと存じます。
ご存じのようにホームページをリニューアルしました。そのため新しいシステムに四苦八苦しています。このメールは数日前に頂きましたが、お返事を書けない状態が続いていました。今、やっと書けるようになったと思います。(これから更新してみます)
宗谷トンネルの件ですが、対馬トンネルを含めて政治的・軍事的な問題が大きすぎて資金や技術にメドがついても着工するとは思えません。イギリスとフランスを結んだドーバー海峡のトンネルとは比べものにならないぐらい政治・軍事の問題が存在しています。
しかし構想は素晴らしいので、将来は必ず実現すると思います。その時は日本と中国と韓国が共通の通貨を使い、パスポートなしで国境を通過できる時代かも知れません。すなわち東アジア共同連合(EAU)が誕生している可能性です。その場合でも、ロシアとの関係(宗谷トンネル)が最大の課題になると思います。
日本人は道路や鉄路が整備されて当然と考えますが、国や地域によっては道路や鉄路よりも空路が先に整備される国があります。ロシアのシベリアや沿海州などはその典型ではないでしょうか。
もし対馬トンネルが出来れば、日本の農業は壊滅するかも知れません。中国から数日で安い野菜や穀物が日本各地の市場に届きます。日本の農業でビニールハウスを造り、冬季に燃料を燃やして暖かくして、季節に関係なく野菜や果物を作るよりも、中国の暖かい地方で作った農産物が格安で届くからです。
軍事的にもトンネルで直結されると深刻です。そこから侵略を受けるばかりか、テロでトンネルを爆破される脅威が生まれてきます。日本の貿易路で国際トンネルに依存する割合を下げないと、国際トンネルが日本の弱点になる可能性が高くなります。海路など他の輸送手段を充実させておくことが絶対の条件です。
対馬トンネルを造るよりも、まずは釜山や清津(北朝鮮)やウラジオ(ロシア)と西日本や日本海の港の間に大型の高速コンテナ船を就航させ、シベリア鉄道や朝鮮半島の鉄道を連結して整備すれば、日本の港湾がヨーロッパや中央アジアなどと鉄路で結ばれます。夢のような話しです。むろん北朝鮮という閉鎖的な国家が消滅していると前提です。
2009年5月7日
日本の次期主力戦闘機(FX)と軽空母の建造について。
神浦さんこんにちは いつも拝見しています
神浦さんに質問ですが自衛隊の次期主力戦闘機はF22だと言っている人がいます。それは本当なのですか?
もし違うのであれば次期主力戦闘機を教えてください
お願いします。
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神浦さん 初めて連絡します。教えて頂きたいことがありFAXしました。
@先ずは、空自の次期主力戦闘機についていです。「日本としてはF22を導入したいが、米のゲーツ国防長官は、禁輸条項を理由に輸出は困難」との考えを示した。(5月2日 朝日新聞)との記事がありました。F22が無理だとすると新F15SEが最有力でしょうか。
A「豪海空軍大増強。豪は防衛白書を発表し、中国に対抗するため、巡航ミサイル搭載潜水艦を12隻体制に倍増し、F35戦闘機を100機程度導入する等の軍備増強計画を明らかにした」(5月4日 朝日新聞)という記事がありました。
兵器を抑止力と考えた場合、日本にも巡航ミサイル搭載潜水艦を持ったり、英国や伊国の持っているような軽空母を配備するべきと思いますが如何お考えでしょうか。また軽空母については、全通甲板の護衛艦が建造されたので、近い将来配備されるような気がします。如何でしょうか。
コメント空自のF4戦闘機の後継にあたる次期主力戦闘機(FX)ですが、日本は最初からF22戦闘機を想定していました。しかしアメリカ政府がステルスなどの軍事秘密が漏れることを警戒して輸出禁止にしてしまいました。さらにゲーツ国防長官がF22の生産打ち切りを発表しました。アメリカにはまだ高性能のF22戦闘機を必要とする脅威がないという判断です。ますます日本がF22をFXにすることが難しくなったきました。
そこで日本はF22と同様に第5世代のF35戦闘機を最有力候補にしているようです。日本のFXが採用後に20年以上も使われることを考えると、何としても第5世代戦闘機が欲しいからです。幸い、F35は多国共同開発された戦闘機で、最初から輸出することを前提に開発されています。しかしアメリカ軍でさえもF35戦闘機を配備するのはこれからで、日本がFXでF35を導入するにはまだまだ時間がかかります。
そこでそれまでの繋ぎで、現有のF15戦闘機を改造(F−15改)して使う案が出てきました。しかし改造といっても、改造費は1機が80億円程度かかるといわれています。それならF15戦闘機のサイレントイーグル(SE)として開発し、ステルス性能を向上した機体は如何ですかとボーイング社が提案してきたわけです。ここで重要なのはF15の改装を担当する三菱重工がF15SEの採用をどう考えるかです。私は三菱重工はF15SEの購入に反対すると思います。
しかし、アメリカはF15SEを友好国に対してF35を輸入するまでの繋ぎとして欲しいという気持ちが込められています。
日本はF15SEを導入するか、あくまでF15改でやるかは決まっていません。しかし、今となってFXの本命はF35だと思って間違いないと思います。日本のFXでF22が決まることは、中国やロシアで第5世代の戦闘機が開発されるといった大きな戦略環境の変化がなければあり得ません。
海自の軽空母の建造についてですが、ヘリ搭載の新型護衛艦「ひゅうが」はすでに軽空母です。ヘリ搭載の軽空母と考えるべきです。日本版のヘリ搭載型の軽空母で、特徴は対潜作戦や対空戦闘能力を強化しています。
巡航ミサイル搭載の潜水艦ですが、すでに米海軍で射程100キロ程度の潜水艦発射(潜航中に魚雷発射管から発射)対艦ミサイル・ハプーンが開発されています。しかし、潜航中の潜水艦が100キロ先の敵艦をソナーで探知できるか疑問です。さらに長射程の巡航ミサイルとなると空や陸との連携が問題になります。日本は憲法との問題もあって潜水艦搭載の巡航ミサイルを配備するのは難しいと思います。しかし先ほども言いました様に、戦略環境の変化があれば配備が検討されると思います。今のところ潜水艦搭載ばかりか、巡航ミサイルの開発・配備は早すぎると考えます。