2009年10月22日

ある馬主と秘書の会話

ある立派なビルの一室にて、、、。

ある馬主 「おい。」
秘書 「はい、何でございましょうか。」
ある馬主 「あの馬は、もう限界だな。」
秘書 「そうでございますね。」
ある馬主 「そろそろ処分を考えんといかんな。」
秘書 「それでは、いつものように、、、。」
ある馬主 「お前に任す。私は、これから会議に出かけねばならんのでな。」
秘書 「かしこまりました。」

馬主、部屋を出て行く、、、。

秘書 「おいおいおい、、、。おい!どないせえっちゅうねん!いつものようにやと?!ふざけるな、このヴォケッ!一度、動物預かったら、死ぬまで面倒みたらんかいや!お?!、、、。とは、言えんしなぁ、、、。」
秘書、深いため息をつく。
秘書 「しょせん、あのおっさんの言うとおりにしかできへん俺も似たようなもんやなぁ、、、。」

誰もいない静まり返った部屋で秘書はうなだれた。
と、その時。
何者かが、ポンと秘書の肩をたたいた。
ギクッとして、振り返る秘書。
そこには、一人の男がいた。

男 「あなたにその気持ちがあるのなら、私の牧場で、その馬を面倒みますよ。」
秘書 「え?あんたの牧場?」
男 「ええ。もちろん、預託料はいただきますが。1ヶ月3万円でお願いします。」
秘書 「ほんま?ほんまに預かってくれるの?」
男 「はい。」
秘書 「あの仔、死なんでええの?」
男 「はい。」
秘書 「幸せな余生送れるの?」
男 「はい。」
秘書 「ああ、生まれてきてよかったなぁ、て思うてくれるの?」
男 「はい。」
秘書 「ほんまに、ほんまに、、、。ほんま?!」
男 「ほんとうです。生き物ですもの、彼は。大切に大切に面倒みますよ。心配しないで。」
秘書は男に抱きすがった。
秘書 「ありがとう、、、。ほんま、ありがとう!お願いします!」


実は、この男の人は実在の人物。
九州にそういう牧場があるのだそうだ。
1年間に生まれるサラブレッドは約8000頭。その内、生き残るのは1割にも満たない。
ずっと、競馬をやってきた私がこんな事を言うのは、チャンチャラおかしいが、1頭でも多くのサラブレッドが、たとえ競争馬として成功できなくても、馬本来の生活を出来る事を望む。
posted by ハッピーマン at 19:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
信州にもありますよ〜。
ワールドクリークもメジロデュレンもそこにいて余生を送ってます。

競走馬は結果がすべてかもしれないけれど、悲しい現実がありますよね。
種馬になったとしても成功しなかったら廃馬。ターフを引退した馬は探すなって言葉は本当ですとその牧場の専務さんが話してくださいました。
競走馬は競馬のカードだと言う人もいますが、その牧場へ行ってからそう言ってくださいといいたくなってしまう。
Posted by CaX(ca5*2) at 2009年11月04日 17:20
すいません。コメントくれたの、全く気がつきませんでした(笑)。

そうですか。信州にもあるんですね。
私は、この牧場をNHKの番組で見たんですが、なんせ、馬が牧場で普通に生活してるんですよ。のんびり。本当にフツーに。
そして、これが当たり前なのだと思いました。

一頭でも多く、競走馬が余生をのんびり送れる事を願います。
Posted by happyman at 2009年11月14日 18:44
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