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核密約に矛盾した国会答弁、米が懸念 米公文書で判明

2009年11月2日1時58分

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 日米の核持ち込み密約をめぐり、大平正芳外相とライシャワー駐日米大使(いずれも当時)の63年の会談で解釈を確認した翌年にも米側は日本側に再確認を図っていたことが分かった。大平氏らが密約に矛盾する国会答弁をしたことを懸念したためだ。

 国際問題研究者の新原昭治氏がこの事実を示す米公文書を米国立公文書館で発見、1日に発表した。

 密約は、核兵器を搭載した米艦船の日本寄港・通過は日米間の事前協議が必要な核の「持ち込み」に当たらないとする内容。大平氏の問題の答弁は64年2月に行われ、同年3月9日の駐日米大使館から国務省への文書で、野党議員が大平氏に「第7艦隊の艦船が核兵器を積んでいれば事前協議が必要、と(答弁で)事実上認めさせた」と報告している。

 文書によると、3月5日に懸念した大使が朝食会でこの問題を指摘。大平氏の発言は不明だが、答弁内容は問題にはならないとして気に留めていなかったという。文書は「現時点でこれ以上の行動は必要ない」と結論づけており、米側は日本政府が密約を受け入れた上で、答弁では立場を使い分けている、と判断したことがうかがえる。

 今回同時に見つかった64年9月の文書によると、同年7月の内閣改造で大平氏が退任した後、新閣僚らから密約内容に反する発言が相次ぎ、米政府が「明らかに密約と矛盾する」と日本政府内の引き継ぎを問題視。ライシャワー大使が当時の池田勇人首相ら高官と接触を図った。(鶴岡正寛、倉重奈苗)

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