脱北者支援した朝鮮族ら200人、北朝鮮が拉致(下)

 中朝国境で20年間にわたり国境貿易を行ってきた朝鮮族は「北朝鮮に拉致された人は、日本と韓国にだけいると思われているが、最も深刻な拉致行為は中国で起きている」と指摘した。

 現地消息筋によると、中国公安当局は約200人の中国人が北朝鮮に拉致されたと推定しているもようだ。

 90年代後半に入り、脱北者が急増すると、北朝鮮保衛部は北朝鮮住民の脱出を支援する朝鮮族に標的を定めたという。幹部出身のある脱北者は「保衛部は中国の朝鮮族による反北朝鮮活動を防ぐための手段として、拉致という手段を活用してきた」と証言した。

 しかし、中国が政府レベルで拉致被害者の送還を要求したり、抗議を行ったりしたケースはほとんどないという。ある朝鮮族住民は「拉致された人のほとんどが朝鮮族だからではないかと疑いたくなる」と語った。また、別の朝鮮族住民は「中国政府が、自国民の拉致を人権問題として扱うことより、血盟関係という北朝鮮との特殊な関係を優先させているためだ」と指摘した。同住民は「中国公安当局が家族らの届け出を受け、北朝鮮に抗議するケースもあるが、北朝鮮当局は『知らない』としらを切ることが多いため、対処のしようがない」とも話した。

姜哲煥(カン・チョルファン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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