脱北者支援した朝鮮族ら200人、北朝鮮が拉致(上)
過去10年間に、脱北者を支援してきた朝鮮族ら中国人多数が、北朝鮮に拉致されていたことが16日までに分かった。中国公安当局は約200人が拉致されたと推定しているもようだ。しかし、中国政府は自国民が拉致されていた事実を確認しながらも、北朝鮮に公式な問題提起を行っていない。
脱北者団体の北韓民主化委員会が最近、中国吉林省長白県政府と家族から入手した資料によると、長白県八道口保健所の運転手だった朝鮮族のイ・ソングァンさん(44)は1998年、高い地位にあった人物を含む北朝鮮住民の脱出を助けたという理由で北朝鮮に拉致された。中国の公安当局が拉致の経緯を調べた記録によると、拉致されたのは98年3月6日午後6時となっている。当時、イさんは八道口の鴨緑江岸で北朝鮮の警備兵と密貿易を行うため、接触しようとしていた。イさんの船にはたばこ10カートンに中国産の酒が積まれていた。
中国側に越境してきた北朝鮮の国境警備隊員4人は、いきなりイさんを暴行した後、袋詰めにして、北朝鮮の両江道金亨稷郡に連行したという。イさんは長白県在住の朝鮮族の友人に一度電話連絡したが、その後は消息が途絶えた。拉致直後、中国の公安当局は事件を捜査し、北朝鮮側に送還を求めた。しかし、イさんが両江道恵山市にある道保衛部の監獄にいるという事実を確認できただけで、送還は行われなかった。
08年4月には、朝鮮族のイ・ギチョンさん(42)も北朝鮮の国家安全保衛部に拉致された。中国延辺朝鮮族自治州の開山屯に住んでいたイさんは、10年間にわたり脱北者のブローカーを営んでいた。イさんは北朝鮮にいる知人と協力し、脱北者を中朝国境から延吉市まで案内していた。ある日、北朝鮮の知人がイさんに「品物が届いたので、豆満江に来るように」と電話で連絡してきた。すると、待ち伏せしていた保衛部要員6人がイさんを連れ去ったという。知人は既に保衛部に逮捕され、足の筋が断裂するけがを負っていた。知人は保衛部の指示を受け、イさんを誘い出すために電話をかけたことが分かっている。イさんの妻は40万人民元(約522万円)を支払えば、夫を救出できるといううわさを聞き、釈放を求めて努力したが失敗したため、中国公安当局に届け出た。
姜哲煥(カン・チョルファン)記者
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