経済協力開発機構(OECD)は18日、日本の経済政策について初めて包括的な提言を発表した。「成長戦略」や「雇用」など9分野に言及。鳩山政権が導入を目指す「子ども手当」については「目的と対象を再検討すべきだ」とし、手当の一律支給よりも「待機児童」の解消に力を注ぐべきだとの考えを示した。
発表にあわせアンヘル・グリア事務総長が18日、東京都内で講演。25〜54歳の日本女性の就労率がOECD諸国の中で下位にあることを指摘し、「少子化が進む日本では、労働力確保のため女性の人材活用が重要になる。少子化対策と女性の社会進出を促す一挙両得の政策が必要だ」と指摘した。そのうえで、子ども手当よりも、幼稚園や保育園に入れない児童をなくす策を重視すべきだと述べた。
子ども手当は鳩山政権の目玉政策の一つで、中学生までの子どもを持つ家庭に1人当たり月2万6千円(10年度は半額)を支給する計画。ただ、所得制限の必要があるかをめぐり、18日に鳩山由紀夫首相と藤井裕久財務相の見解のズレが表面化した。
OECDの提言では、他に「電力・ガスの自由化」「独占禁止法違反に対する罰則強化」「非正規労働者の訓練制度の強化」「法人税率の引き下げ」などが盛り込まれた。