2009年11月18日 21時14分更新
農地の転用許可をめぐりわいろを受け取ったとして逮捕された市議会議員が委員を務める岡山市東区の農業委員会が18日開かれ、委員会の会長が「委員が逮捕されたことを深くお詫び申し上げます」と陳謝しました。
岡山市東区の農業委員を務める市議会議員の成本俊一容疑者は、不動産会社が行った農地の転用申請をめぐって許可が出るよう便宜を図った見返りに200万円を受け取ったとして、収賄の疑いで逮捕されています。
18日東区役所で開かれた農業委員会では、議事に先立って榊原一明会長が「委員が逮捕され、多くの関係者にご迷惑をかけたことを会長として深くお詫び申し上げます」と陳謝しました。
その上で榊原会長は、「委員は襟を正して、農業者の代表としてこれまで以上に農業の振興と農地の適正な管理に務めてほしい」と述べ、委員に対して綱紀粛正を求めました。
委員会の後、榊原会長は「委員が逮捕されたと聞いた時は非常に驚いた。当面は捜査の進展を見守りたいが、委員会としても農地の転用については許可後も監視していくなどの対策を取る必要があると思う」と話していました。
岡山市によりますと農地を別の用途に転用することをめぐっては、資材置き場や駐車場などとして申請された土地がわずかな期間で宅地に変更されるなど異なる目的で利用するケースがここ数年増えてきているということです。
しかし農地法では罰則規定がないことからこの問題は去年、市議会でも指摘されていました。
このため岡山市では、来年2月に制度を改正することにしています。
改正案には不動産業者が農地を借りて転用することが多いことから借りた農地を転用する場合は転用後3年以内に農地として復元して土地を戻すことや、3年以上利用する場合は、その前に新たに許可を求めること、さらに違反があった場合には転用許可の取り消しなどの処分を行うことが盛り込まれています。
今回の事件を受け岡山市に4つある農業委員会では制度が改正される2月までの間、土地が本来とは異なる目的で使われていないかパトロールを強化して対応していくとしています。