岡山放送局

2009年11月18日 21時14分更新

北木島に灰干し工場完成


笠岡市の笠岡諸島にある北木島に、近くでとれた魚を火山灰で包んで「灰干し」と呼ばれる干物を作る工場が完成しました。

干物工場は、高齢化と過疎化が進む北木島で新たな特産品を開発し、島に活気を呼び戻そうと住民たちが設立した会社が作ったもので、18日、工場で完成を祝う式典が行われました。

灰干しはとれたばかりの魚を火山灰で包んで作る干物で灰が水分を吸い取る一方で、魚の臭いを抑え、うまみが閉じ込められているのが特徴です。

会社では、東京の三宅島から火山灰が固まった石を調達し、北木島で盛んな石材加工の技術を活用して灰を作ったということです。

原料となる瀬戸内海でとれた魚は鮮魚としては消費者の魚離れなどから値段が下がりやすいですが、灰干しにすることで数倍の値段で売ることが出来るということです。

式典に参加した人たちは、工場の見学を行ったあと、キスやタチウオを使って作った干物を試食していました。

事業を進めた鳴本浩二さんは、「販路を拡大して、収益の上がる事業に育て、島の活性化につなげたい」と話していました。

工場での灰干しの生産は19日から始まってさっそく笠岡市内に出荷され、会社では今後は関西地方をはじめ全国に販路を広げていきたいとしています。