【コペンハーゲン=山口智久】小沢鋭仁環境相は16日、途上国の地球温暖化対策支援のため、日本が12年までの3年間に総額90億ドル(約8千億円)を拠出する方針を明らかにした。「鳩山イニシアチブ」の一環。途上国支援の具体策は、13年以降の国際枠組み(ポスト京都議定書)の合意を左右する焦点となっている。
12月の国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)に向けた閣僚級準備会合で、小沢氏が表明した。
日本は08年から5年間で途上国支援策として総額100億ドル規模の「クールアース・パートナーシップ」を表明していた。すでに90カ国以上への円借款や無償資金協力による支援を展開。小沢氏が打ち出した約90億ドルのうち80億ドル近くはこの支援策でまだ実行していない分とみられるが、鳩山由紀夫首相が9月の国連気候変動サミットで表明した新規の援助額を上乗せして衣替えした。
京都議定書の約束期間が切れる12年までの途上国支援に必要な額について、国連気候変動枠組み条約のデブア事務局長は世界で100億ドルと言及。欧州連合(EU)は世界で年50億〜70億ユーロ(75億〜100億ドル)必要だとしているが、まだEUの拠出額については明示していない。
インドのラメシュ環境相は朝日新聞の取材に対し「日本の寛大さに敬服する。EUや米国も続いてほしい」と評価した。