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【大相撲】

魁皇幕内800勝 「怪力対決」把瑠都沈めた

2009年11月18日 紙面から

把瑠都(左)を小手投げで下し、幕内通算800勝を挙げた魁皇=福岡国際センターで

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◇九州場所3日目

(17日・福岡国際センター)

 大関魁皇(37)=友綱部屋=は右小手投げで、関脇把瑠都との“怪力対決”を制し、幕内通算勝ち星800勝(史上3人目)を挙げた。両横綱はともに譲らず3連勝としたが、3大関が敗れた。朝青龍(29)=高砂部屋=は豪風を、白鵬は安美錦をともに寄り切った。大関陣では、かど番の千代大海が小結稀勢の里に押し出され、琴光喜は小結豪栄道の右下手投げに屈して初黒星。日馬富士は時天空に引き落とされて2敗目。3連勝は朝青龍、白鵬、琴欧洲に平幕の嘉風と高見盛(33)=東関部屋=の5人。

 魁皇はリンゴを握りつぶすといわれる怪力の持ち主。その右腕がエストニアの“怪人”把瑠都の左腕を巻いて力いっぱいなぎ倒した。197センチ、184キロの巨体がたまらず土俵中央に沈んだ。

 思い切った立ち合いで勝負をかけた魁皇。それが右への変化になり、それがズバリ的中したのだ。「先場所差しにいこうとして駄目だった。だから何かしなくてはいけないと思っていた」。それがとっさに横に動いた。もっともその結果は「自分でもああなるとは思わなかった。でも思い切りいったことをよしとしなくては…」と言う。

 この日の勝利で区切りの幕内800勝に達した。歴代3位。93年夏場所が新入幕だったが、地元の九州場所で到達した。2位・北の湖の804勝へ4勝、1位の千代の富士(現九重親方)の807勝まで7勝。手の届くところまできた。しかし、魁皇は「そんなものは関係ない」とあっさり言い放ったが、世間の評価はまさしく勲章ものだ。4位・大鵬、5位・武蔵丸、6位・貴乃花はいずれも横綱経験者。大関としては特筆ものだ。九重親方は「今場所中に自分の記録を抜き去るつもりでやってほしい」とエールを送った。

 魁皇は、報道陣に800勝の感想を聞かれたが、これも「まったくないですね」と言った。長くやっていれば到達する数字とでも言いたげだ。腰、両ひざ、腕、足首と痛めてないところを探すのがむつかしいくらい満身創痍(そうい)なのだ。それを毎日のマッサージのケアと節制に努めてきた。「まだ3日目、終わったわけでない。明日の相撲を考えなくてはいけない」。魁皇の相撲人生に終わりはない。 (近藤昭和)

 

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