特別賞の川井。ボールを使いフィジカルトレーニングする
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今季のドラゴンズにおける最大のサプライズ。それは何と言っても昨年まで4年間でわずか1勝だった川井の大躍進だろう。4月末に先発ローテーションに加わると、7月末までにあれよあれよと11個の白星を重ね、チームの開幕からの連勝記録を樹立した。
特別賞に選ばれたミラクル左腕は「素直にうれしい」と受賞の喜びを言った後でこう続けた。「賞を取ったことで終わらないよう、来年も頑張ります」。8月6日の阪神戦(ナゴヤドーム)で初黒星を喫して以降、ついに1つも勝てなかった反省が、こう言わせている。
ただし、11連勝はミラクルでもマジックでもなく、川井自身が成し遂げたもの。しかもその中には川井なりのキーワードが埋め込まれている。「目の前のことを一つひとつ、真剣にやっていくこと」だ。投球だけではない。打席に立っても、スイングも全力ならば、ゴロを打って一塁へ走るのも全力。その積み重ねが大記録になった。
秋季練習では、自分に合った投球フォームの模索が続いている。やはり今季の歩みと同様、一つひとつを積み上げることで「いい結果につながれば」と目を輝かせる。この左腕が来年はどんなサプライズを起こしてくれるのか。楽しみだ。
<川井雄太(かわい・ゆうだい)> 1980(昭和55)年6月17日、長野県北佐久郡望月町(現佐久市)生まれの29歳。178センチ、72キロ、左投げ左打ち。上田西高では甲子園に縁なし。大東大では2年時にチームが首都大学リーグで2部落ち。社会人の日本通運からドラフト4巡目で中日に05年入団。4年目の昨季にプロ初勝利。今季から登録名を「進」から「雄太」に変更。今季年俸1100万円(推定)。
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