「WBC世界フライ級タイトルマッチ」(29日、さいたまスーパーアリーナ)
王者・内藤大助(宮田)が17日、都内の宮田ジムで公開スパーリングを行い、視察に訪れた亀田サイドによる“丸裸”を容認した。相手陣営のビデオカメラが回る中、内藤は手の内を隠すことなく2ラウンドのスパーリングを披露し、V6を宣言。18日にスパーリングを公開する亀田側も視察を了承しており、互いに手の内を包み隠すことのない異例の“公開”スパーリングとなる。
◇ ◇
何一つ隠すつもりはなかった。リング上の内藤は、仮想興毅として用意されたサウスポーのパートナーに、惜しげもなく左右のパンチを披露した。コーナーポスト付近で、亀田陣営のビデオカメラが回っていたことは知っていた。だが、“逃げる”ことなく自分のボクシングを貫いた。
亀田ジムから午前、宮田博行会長に連絡が入り、視察とビデオカメラの撮影を許可した。世界戦において、相手サイドが公開スパーリングを視察することはあるものの、ビデオ撮影は通常なら拒否する。宮田会長は「今さら撮られても同じだから」と一笑に付した。
亀田側も、内藤陣営にスパーリングをすべて公開する。18日に亀田ジムで行われるスパーリングを、宮田会長が視察。訪れた亀田ジムの島聡トレーナーは「こちらも何も隠すようなことはありませんから」と“門戸開放”を明言した。
丸裸にされても、内藤には絶対の自信がある。今回の試合に向け、長野、北海道、千葉で3度の走り込み合宿を敢行。ジムワークなしの徹底的な走り込みで下半身を鍛えた。10月中旬から始めたスパーリングは200ラウンド近くにまで達し、過去最高の充実を見せている。
内藤は「試合まで2週間を切って、減量の疲労も空腹感もない。怖いぐらい順調。今回はとにかくスタミナを強化してきた。相手が亀田興毅だから、特別ということはない。世界戦では毎回同じ気持ちだから」と平常心を強調。宮田会長も「日本ボクシング界の将来がかかっているので、最高の打ち合いを見せてほしい」と期待を寄せた。