室内で練習を終えた岡田(内野手)を、岡田(監督)が呼び止めた。こんなややこしい状況を打破するためのマル秘プラン。岡田監督が伝えたのは、改名指令だった。
「オカダ、オカダとわかりにくいやん。サッカーにも(岡田監督が)おるしな。(登録名を)募集したらエエ。ニックネームをつけるのがうまい人もおるやろ」
今季、出場43試合で7本塁打を放った新星と指揮官が、同じ名字ではわかりづらい。何より、履正社高時代につけられた『浪速のゴジラ』の愛称が岡田監督は気に入らなかった。
「『浪速の』って、スケールが小さ過ぎるやろ。昔、天下茶屋のバースいうのもおったな」。確かに大阪市西成区出身で『天下茶屋のバース』と呼ばれた元阪神の外野手、山下和輝(41)も大成しなかった。
そこで思いついたのが、師と仰ぐ故・仰木監督の手法。パンチ=佐藤和弘(44)=や現マリナーズのイチロー=鈴木一朗(36)=のように、ユニークな名前で売り出そうというのだ。
「ナントカ岡田いうのが呼びやすいな。アフロ頭にさせて、アフロ岡田とかどうや。ムーディー岡田もエエな。カタカナだけの名前は、助っ人みたいやからアカンぞ」
ノリノリの監督に押されて、球団も公募へ着手。近日中に球団ホームページで募集し、集まった候補名から本人が選ぶ。採用者には岡田の直筆サイン入りバットが贈られることも決まった。
「今はゴジって言われることが多いですけど、呼びやすくていいものがあればいいですね」
指揮官のごり押しに岡田も快諾した。新登録名でブレーク! ただ、あやかるなら改名した年に戦力外となったパンチより、やはりイチローがいい!?(周伝進之亮)