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【社会】

幻冬舎元局長 逮捕へ 横領容疑 9億円超引き出す

2009年11月18日 夕刊

 中堅出版社「幻冬舎」(東京都渋谷区)の資金を着服した疑いが強まったとして、警視庁捜査二課は十八日、業務上横領の疑いで、同社の元管理局長(44)の取り調べを始めた。容疑が固まり次第、逮捕する方針。元管理局長は社内調査に対し、八年間にわたり総額約九億二千万円を着服したことを認めているという。

 捜査関係者によると、元管理局長は今年一〜三月、会社の銀行口座から無断で、複数回にわたり計約千五百万円を引き出し、着服した疑いがある。

 幻冬舎などによると、元管理局長は、会社のキャッシュカードを日常的に持ち出せる立場で、預金の引き出し後、会社の会計システムに架空の売掛金を計上するなどして発覚を免れていた。

 着服は一回につき七十万〜三百五十万円で、二〇〇一年八月〜今年三月、約五百五十回にわたり引き出されていたという。

 幻冬舎関係者などによると、元管理局長は一九九六年に入社。経理部の課長、監査役などを経て、管理局長となった。今年三月に社内調査で不正が発覚し、懲戒解雇された。

 元管理局長は社内調査に不正を認め「競馬に使った」と説明しているという。元管理局長は今月十四日、本紙の取材に「私の方からは何も申し上げることはありません。ノーコメントということでお願いします」と話した。

 

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