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「仕分け」前半終了、無駄遣い大胆カット

11月18日1時59分配信 読売新聞

「仕分け」前半終了、無駄遣い大胆カット
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読売新聞
 行政刷新会議(議長・鳩山首相)の「事業仕分け」は17日、前半5日間の日程を終え、官僚OBの天下り法人への支出を容赦なくカットするなど、税金の無駄遣いに大胆に切り込んだ。

 ただ、科学技術や教育、福祉分野などで、経済効率性を重視した判定結果に違和感を抱く声も上がり、対象事業の選定や判断基準に課題を残した。

 ◆アピール◆

 「3億円も、どういう事務にかかるのか。どうしても理解できない」

 高齢者の在宅福祉事業などへ助成している厚生労働省所管の独立行政法人福祉医療機構。仕分け人は17日、3億円の人件費に「相当な無駄がある」と批判した。同機構や取引先の公益法人は同省の天下り先だとして、2787億円の基金全額を国へ返納するよう求めた。

 5日間の作業では、天下り法人にかかわる事業の多くが「廃止」と判定された。「天下りは何人?」「効果は?」……。矢継ぎ早に質問を浴びせかける仕分け人が、説明に窮する官僚を圧倒し、次々と「廃止」の判定を下していく様子は、インターネットで生中継され、国民から一定の支持を得た。自民党の谷川秀善参院幹事長は17日の記者会見で「国民から見て新鮮で面白い。なんで自民党の時にああいうことをしなかったのか」と悔しがった。

 ◆限界◆

 一方、「事業仕分け」の限界も見えてきた。

 17日の第3グループ。財務省の主計官が宇宙航空研究開発機構の人工衛星打ち上げについて「水星探査が国民に利益をもたらすのか」と述べると、仕分け人で科学者の松井孝典・東大名誉教授は「人類共通の利益になる」と反論した。

 山井和則厚労政務官はニートへの支援対策「若者自立塾」が廃止と判定されたことに憤慨し、16日も「生活保護対策などを費用対効果で議論する点に違和感を感じる」と不満を語った。

 判定基準があいまいだとの指摘も出ている。厚労省の「年金に関する広報等に必要な経費」は17日、9人の仕分け人のうち3人が「廃止」、6人が「予算削減」と判定したが、取りまとめ役の尾立源幸参院議員は「廃止」と決定。驚いた社会保険庁の職員が質問しようとすると「結果についての質問は受け付けない」と打ち切った。17日の第3グループでは、日本原子力研究開発機構が実施する高速増殖炉「もんじゅ」の研究開発などが取り上げられたが、「エネルギー政策全体の位置づけは経済産業省にある」という議論になり、「事業の見直し」と判定したものの「結論を出すのは困難」とされた。仕分けチーム統括役の枝野幸男・民主党元政調会長も「(事業仕分けの対象としては)失敗かと思う」と語っており、対象選定にも課題が残ったようだ。

最終更新:11月18日1時59分

読売新聞

 

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