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裁判員「よい経験」98%、高い充実感浮き彫り アンケート

11月17日18時6分配信 産経新聞

 今年5月にスタートした裁判員制度で最高裁は17日、9月末までに開かれた裁判に参加した裁判員らに対するアンケート結果を公表した。それによると、約98%の裁判員が務めた感想を「よい経験と感じた」と回答。最高裁は「充実感を持って参加してもらえた」と分析している。

 アンケート結果は、この日行われた制度についての有識者懇談会で示された。対象となったのは8月に第1号が開かれた東京地裁をはじめ、9月30日までに計11地裁で行われた14件の裁判に参加した裁判員79人。アンケートは補充裁判員や選ばれなかった候補者に対しても実施された。

 それによると、裁判員79人の男女比はおよそ半数ずつ。年齢は50代が18人と最も多く、60代、30代の16人、40代の13人と続いた。全体の半数が会社員など、勤めに出ており、専業主婦・主夫は11人。学生はゼロだった。

 また、15人が育児をしていると回答。介護をしている裁判員も5人いた。

 裁判員に選ばれる前の気持ちを尋ねた質問には、「積極的にやってみたい」「やってみたい」と答えた裁判員は計約24%。「あまりやりたくなかった」「やりたくなかった」を合わせた計約57%を大きく下回り、消極的な姿勢が目立っていた。

 しかし、実際に経験した後では、「非常によい経験と感じた」「よい経験と感じた」が計約98%に上り、充実感や達成感を感じていることが分かった。

 審理の分かりやすさについても、約75%が「理解しやすかった」と答え、「理解しにくかった」の約4%を上回った。

 さらに、被告が有罪か無罪か、刑の重さなどを議論する「評議」についても、9割近くが「話しやすい雰囲気」と答えるなど、実際に体験した裁判員は、制度を前向きにとらえていることが浮き彫りとなった。

 最高裁は「おおむね順調なスタートをきれたと考えている」と話しており、今年12月末までのアンケートを分析して、平成22年3月末までに最終報告書を取りまとめる予定だ。

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最終更新:11月17日18時6分

産経新聞

 

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