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田英夫さん死去:反戦と平和、思い一貫

 社会民主連合(社民連)代表を務めた前参院議員の田英夫氏が13日、亡くなった。中道路線の結集に動き、保守政党の新自由クラブなどとも連携するなど縦横無尽に政界を生き抜いた。政権交代を経て田氏ゆかりの後輩議員は議長や閣僚として活躍している。かつての同僚議員からは、その死を惜しむ声が広がった。

 田氏は71年に旧社会党から参院選に出馬して当選。マルクス・レーニン主義にしばられた党内最大派閥の社会主義協会と対立、77年に離党し、翌年社民連を結成した。社民連結党時、行動をともにした江田五月参院議長は、毎日新聞の取材に対し「平和、人権、核廃絶などの問題について火の玉になって頑張る人だった」と振り返った。

 菅直人副総理兼国家戦略担当相は80年の衆院選で初当選し、その後、社民連に加わった。首相官邸で菅氏は記者団に「反戦、平和に一貫した思いのある政治家だった。政権交代を大変喜んでおられたようだ」と述懐。横路孝弘衆院議長は毎日新聞に「田さんが社民連でまいた思いが、政権交代という結果として息づいている」と語った。

 自衛隊の海外派遣など、政府の安全保障政策が変わるなか、田氏は97年、旧社会党の流れを引く社民党に復党。社民党の福島瑞穂党首は、「98年に私が参院選に立候補する際、田さんから平和の問題で一緒にやってほしいと言われた。国会では、『みんなは戦争を知らないから、自分の体験をきちんと発言する』と言われていた」と惜しんだ。

 復党当時の社民党党首だった土井たか子・元衆院議長は「特攻隊員の数少ない生き残りとして、平和への希求は人一倍強く、平和憲法を語り続けることをすべての行動規範にしていた。党が小さくなった時、戻ってきてくださったことは本当に心強く、うれしかった。良き同志を失いさびしい限りです」との談話を発表した。【白戸圭一】

毎日新聞 2009年11月18日 東京朝刊

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