中国が「裏監獄」で重大な人権侵害と、国際人権団体が告発

北京（ＣＮＮ）　米ニューヨークに本部を置く国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは１２日、中国各地に違法な「裏監獄」が設置され、正当な司法手続きを受けることなく多くの人々が拘束され、暴力など重大な人権侵害が行われているとの報告書を発表した。

ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、裏監獄は政府当局がホテルや病院、介護施設などに設置し、地方から窮状を訴えて都市部にやってきた人々を拘束して、脅迫したり暴行したりしているという。拘束された中には１８歳未満の子供も含まれていたという。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、裏監獄で拘束されたことのある３８人から聞き取り調査を実施。１５歳の人物は、障害者の父親に代わって北京に陳情にやってきたが、介護施設の中に拘束されてひどい暴力を受けたと告白している。

中国の人権侵害関する現状について、ヒューマン・ライツ・ウォッチはオバマ大統領に対し、１２日から始まったアジア歴訪で、中国に問題を投げかけるよう求めている。

一方、中国政府は同日、中国国内にそういった施設はまったく存在しないと否定。何を証拠にこの報告書が出されたのか理解できないと反論している。