ホーム > 相撲 > 相撲最新紙面記事

白鵬“双葉山超え”年間最多勝へ弾み

 寄り切りで豪風(左)を下す白鵬=福岡国際センター
 寄り切りで豪風(左)を下す白鵬=福岡国際センター

 「大相撲九州場所2日目」(16日、福岡国際センター)

 横綱白鵬が豪風を落ち着いて寄り切り、2連勝。この白星で幕内通算勝率を・8025とし、双葉山の・8023をわずかに上回った。尊敬する“角聖”超えを果たし、昭和以降の横綱では大鵬に次ぐ歴代2位に浮上した。これを弾みに、年間最多勝記録の更新と、双葉山に並ぶ12度目の優勝を目指す。2場所連続優勝を狙う横綱朝青龍も、安美錦を退け連勝発進を決めた。

  ◇  ◇

 名実ともに“大横綱”の仲間入りだ。白鵬が泰然自若の相撲で、幕内筆頭を子ども扱いした。立ち合いで突き放されても落ち着いて様子をうかがい、一瞬のスキを逃さず両まわしを引く。その後は有無を言わせぬ盤石の寄り。豪風は何もできないまま土俵を割った。

 涼しい顔で支度部屋に引き揚げると「最初は差せなかったけど、流れでうまく取ったね」と自画自賛。2日続けて立ち合いでまわしに手がかからなかったが、「相手も研究しているからね。そういう(ことを気にする)のは、とうの昔に消えました」と笑ってみせた。

 際立つ強さを見せつけ連勝発進を決めた。これで幕内通算成績を382勝94敗とし、勝率は・8025。69連勝の不滅の大記録を持つ双葉山を「2毛」上回り、昭和以降の横綱では歴代2位の高勝率となった。常々「理想の大横綱」と口にするあこがれの“角聖”を超え、次に見据える大記録へ大きな弾みをつけた。

 今場所14勝すれば朝青龍が05年に記録した84勝を上回り、年間勝ち星の最多記録を更新する。場所前から「やってやろう」と意気込んでいたが、気掛かりなのはプレッシャーだ。今年は優勝決定戦で3連敗するなど、「ここ一番」での弱さが指摘されてきた。

 育ての親の熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)は「ニコニコしてるし、いつもより気楽にやっている」と笑い飛ばし、「今日は昼飯に自分でチャーハンを作ってた。オレにもごちそうしてくれたよ」とリラックスムードで場所に臨んでいることを明かした。心技体すべてが整った白鵬が、千秋楽まで笑顔のまま突っ走る。

(2009年11月16日)
Copyright(C) 2007 Daily Sports All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp