＜イエメン誘拐＞「日本人男性は解放」…治安当局者語る

　【カイロ和田浩明】イエメン政府の治安当局者は１７日夕、毎日新聞の取材に対し、同国で武装勢力に誘拐されていた日本人男性会社員（６３）が「２時間前に解放された。問題は終わった」と語った。在イエメン大使館は「そのような情報を得ており、最終確認を行っている。まだ、本人とは連絡が取れていない」と話している。地元紙「イエメン・オブザーバー」（電子版）は、男性は無事で、治安当局者に付き添われて首都へ向かっていると報じた。

　男性は１５日、日本が援助するサヌア州北部アルハブ地区での小中学校建設現場へ向かう途中、同地区内で車に乗り込んできた武装グループに誘拐された。

　交渉関係者によると、犯行グループは、治安当局に長期間拘束されている２０代前半の男性親族の釈放か、速やかな裁判をイエメン政府に求めていた。犯行グループは「日本人が標的ではなく、（人質は）外国人なら誰でもよかった」と話しているという。

　イエメン内務省幹部らによると、交渉は事件が起きたサヌア州北部アルハブ地区で行われた。一帯は治安部隊に包囲されていた。解放後、政府側が拘束中の男性の法的処置を進める方向で交渉が行われたとみられる。

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