11月7日付 偽装献金問題 首相はもっと説明を
答弁で首相は、偽装献金の原資について、鳩山家の資産管理会社「六幸商会」が管理する資金が流用されていた事実を認め、元会計担当者が口座から金を引き出すたびに流用を指示する書類に署名していたことを明らかにした。 首相はこれまでの記者会見で「わたしの知る限りはもう話してある」と述べ、説明を尽くしたとの考えを示していた。 共同通信社の世論調査では、偽装献金問題をめぐる首相の説明に68%が「納得できない」としていた。首相答弁は、国民の不信感を一層高めるものだ。 首相が署名した指示書には、口座から引き出される金額が書かれていたという。ところが首相は「いくらになるか計算していない」とし、総額は分からないと強調した。 首相はさらに、政治家本人が資金管理団体に対して1年間に献金できる上限額を1千万円とする、政治資金規正法の「量的制限」を認識していたことも認めた。であれば、多額の現金を必要とした元会計担当者に、献金ではなく貸し出しとして処理するよう指示するべきではなかったか。 偽装献金の原資に、首相の実母や親族、会社、労働組合などからの資金が含まれているかどうかも明確にはならなかった。 首相は「自己資金からの流用で、不正なものは含まれていない」と強調している。疑惑を晴らすためにも、首相はその根拠を早急に示す必要があろう。 問題が発覚した今年6月の首相の記者会見では、2005~08年分の政治資金収支報告書に、故人を含めて実際には献金していない約90人分の名前が使われ、総額約2177万円の虚偽記載があったとする調査結果が示された。 しかし、献金者名を記載する必要のない5万円以下の小口(匿名)献金についての詳細は、いまだ公表されていない。 匿名献金は04~08年分で計約1億8千万円に上り、内部調査に対して元会計担当者は「首相の個人資金を充てた」と説明したとされる。仮にそのほとんどが首相個人の資金であれば、政治資金規正法に違反する可能性が出てくる。 東京地検特捜部は、これら約2億円分について政治資金規正法違反容疑で捜査を進めている。 献金偽装は本当に元会計担当者の独断で行われたものなのか。カネの出所は首相個人の資金で間違いないのか。偽装献金に充てられた首相の個人資金は「量的制限」違反ではないのか。特捜部は、そうした疑問点の解明を急ぐ必要がある。 首相の資金管理をめぐっては、政治活動に利用していた個人事務所の賃料を、事務所費として政治資金収支報告書に記載していない問題も発覚している。偽装献金問題と併せて十分な説明を求めたい。
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