診療報酬改定の基本方針、救急など重点課題に−厚労省がたたき台
厚生労働相の諮問機関である社会保障審議会医療保険部会(部会長=糠谷真平・独立行政法人国民生活センター顧問)が11月16日、政権交代後初めて開かれ、厚労省側は来年度に実施する診療報酬改定の基本方針の骨子案を提示した。重点課題として、「救急、産科、小児、外科等の医療の再建」と「病院勤務医の負担軽減策の充実」の2点を掲げた。有床診療所も含めた地域連携による救急受け入れを推進するほか、急性期後の患者を受け入れる後方病床や、在宅療養の機能強化を図る内容。手術の適正評価にも言及している。
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一方、看護師や薬剤師など医師以外の医療従事者だけでなく、看護補助者といった医療以外のスタッフの役割も評価し、勤務医の負担軽減につなげる。
昨年度の前回報酬改定で掲げた「緊急課題」から、産科や小児科、勤務医の負担軽減を引き継ぐ一方、外科や救急医療に配慮する方向も示した。
厚労省は、25日に開く次の部会で取りまとめ案を提示し、基本方針の策定を目指す。
骨子案では、7月と8月に開いた2回の部会での意見を整理している。
重点課題のほか、▽充実が求められる領域を適切に評価する▽患者からみて分かりやすく納得でき、安心・安全で、生活の質にも配慮した医療を実現する▽医療と介護の機能分化と連携の推進等を通じて、質が高く効率的な医療を実現する▽効率化の余地があると思われる領域を適正化する―の4つの視点も列挙した。
具体的には、充実が求められる領域として「精神科入院医療」「歯科医療」「イノベーションの評価」を掲げる一方、「後発医薬品の使用促進」と「医薬品、医療材料、検査に関する市場実勢価格の反映」により、医療費の適正化を図る方向を示唆した。
このほか、がんや認知症医療、新型インフルエンザなど感染症と肝炎対策の診療報酬上の位置付けについても議論を促している。
医療、介護の機能分化と連携推進の具体策には、回復期リハビリテーションの機能強化を挙げている。さらに、効率的な急性期入院医療や歯科を含む在宅医療、医療・介護職種間の連携を推進する方向を掲げた。
患者にとっての分かりやすさや患者の生活の質への配慮として、医療の透明化の推進や重症化予防を挙げている。
更新:2009/11/16 22:17 キャリアブレイン
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