高知県南国市の後免(ごめん)町商店街に先月完成した「やなせたかしロード」で、「ばいきんまん」(高さ1.4メートル)の石像の左側の角(約30センチ)が15日未明、折られているのが見つかった。管理する「ごめん町まちづくり委員会」が被害届を出し、県警南国署が器物損壊事件とみて調べている。石像はやなせさんが少年時代を過ごした商店街の活性化のため設置されたアンパンマンのキャラクター石像7体のうちの一つで、先月3日にやなせさんが同席してお披露目されたばかりだった。
同署や近所の住民の話によると、15日午前4時半ごろ、「ガーン、ガーン」という音が響き、近所の住民が「コラー」と怒鳴ると、重そうな物を抱えて逃げる後ろ姿が見えた。調べてみると角がなくなっていたという。
住民の通報で駆け付けた署員が近くの駐車場で折られた角が落ちているのを発見。石像の脇に車止め用のコンクリートブロック(約10キロ)が落ちており、同署はブロックでたたき折った後に持ち去ろうとしたとみている。
やなせさんは「こういう荒れた心の人がいるのは残念です。郷土の人間として大変恥ずかしく思います。自分にも多分責任があるのでおわびいたします。ばいきんまん受難の像として見てください」とのコメントを寄せた。【黄在龍】
毎日新聞 2009年11月16日 20時04分(最終更新 11月16日 20時48分)