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元宝塚歌劇団花組トップスターで女優の大浦みずき(本名・阪田なつめ)さんが肺がんのため14日午前7時、都内の病院で亡くなった。53歳だった。大浦さんは胸膜炎を理由に、今年に入り、舞台を休演していた。タカラヅカの一時代を築いた名ダンサーの急逝に、関係者もショックを隠せない。
大浦さんは胸膜炎を理由に、今年1~3月の東京・シアタークリエ公演「スーザンを探して」、5月の同所公演「この森で、天使はバスを降りた」を休演。関係者によると、入退院を繰り返しながら療養し、来年1月の舞台「なつめの夜の夢」(東京・赤坂レッドシアター)に朗読の声で出演予定だった。
童謡「サッちゃん」「おなかのへるうた」などの作詞者で芥川賞作家の阪田寛夫さん(05年没、享年79歳)の次女で、1956年東京都生まれ。74年に宝塚に入団し、初舞台。同期には元月組トップの剣幸、元雪組娘役トップの遥くららがいる。ダンスの名手としてならし、88~91年まで花組男役トップを務めた。本名の「なつめ」の愛称でファンに親しまれ、そのカリスマ的な人気は、宝塚の下級生が大挙して「どんなけいこをしているんだろう」と、隠れて練習をのぞくほどだった。
退団後も92年に宝塚の米ニューヨーク公演で現役生以外で初のメーンを張り「レ・ミゼラブル」「三文オペラ」など多くの舞台に出演。エッセイストとしても活躍した。
宝塚歌劇団の演出家・岡田敬二氏(68)はこの日、訃報(ふほう)を耳にし「本当にまだ若いのに…。ウソであればいいのだが」と信じられない様子。「お父さんも知っていたので、入団時から注目していました。ボクの出世作『ジュテーム』の初恋の場面や、トップお披露目の『キス・ミー・ケイト』を演出したのが忘れられません」と名トップスターを悼んだ。
葬儀は近親者のみで密葬で行い、12月2日に東京・新宿区の千日谷会堂でお別れの会を開く。喪主は姉・内藤啓子さん。
(2009年11月16日10時58分 スポーツ報知)