来年復帰のはずが…元宝塚トップ大浦みずきさん逝く
死去した大浦みずきさん(共同)
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元宝塚歌劇団花組のトップスターで、91年の退団後は女優として活躍した大浦みずき(おおうら・みずき、本名阪田なつめ=さかた・なつめ)さんが肺がんのため14日午前7時、都内の病院で死去した。53歳。東京都出身。近親者だけで密葬を営み、12月2日午後2時から東京・新宿区の千日谷会堂で「お別れの会」を開く。喪主は姉の内藤啓子(ないとう・けいこ)さん。
女優のほか歌手、エッセイストとしても幅広く活躍した大浦さんが約1年に及ぶ闘病の末、静かに息を引き取った。
関係者によれば、大浦さんは1974年の宝塚入団前から心臓疾患を抱え、体のケアには人一倍気を使っていた。退団後も無理はせずに活動を続けてきたが、昨年暮れに体調を崩し、検査のため入院。肺を覆う膜の間に水がたまり炎症が起きる胸膜炎と診断された。
このため、出演を予定していたミュージカル「スーザンを探して」(1〜3月、東京・日比谷シアタークリエ)、舞台「この森で、天使はバスを降りた」(5月、日比谷シアタークリエ)を降板。治療と療養に専念してきた。
回復が見られたため、来年1月に赤坂レッドシアターで公演予定のダンスシアターGIGEI−TEN3「なつめの夜の夢」に声の出演も決めていたが、先月末から症状が悪化。肺がんも見つかりこれもかなわぬ夢となった。
大浦さんは74年に「虞美人」で初舞台。翌年、雪組に配属され、79年の星組組み替えを経て、83年に花組に移った。「宝塚のフレッド・アステア」と称されるほどのダンスの名手として知られた。87年には稽古中にひざの半月板を損傷して半年ほどの休演を余儀なくされたが、懸命のリハビリで復帰。88年から91年の退団までトップを務めた。
宝塚ファンの間では今でもカリスマ的存在。闘病の末の悲報にファンの悲しみも深い。
大浦 みずき(おおうら・みずき) 本名・阪田なつめ。1956年(昭31)8月29日、東京都出身。父は童謡「サッちゃん」の作詞家で芥川賞作家の故阪田寛夫さん。芸名は父親の友人で作家の庄野潤三氏が命名した。88年宝塚大劇場「キス・ミー・ケイト」でトップとなり、91年「ヴェネチアの紋章」を最後に退団した。主な著書に「夢・宝塚」「なつめでごじゃいます!」などがある。
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