あらすじ
白い巨塔(再)#15『判決』
法廷ではよし江(かたせ梨乃)の尋問が始まった。国平弁護士(及川光博)は、金銭問題など感情面を刺激する冷酷な質問を重ね、よし江を心理的に追い込んでいく。よし江はその挑発に乗り「主人に謝って欲しいだけだ」と激昂してしまう。
その夜、扇屋で財前派の打ち合わせが開かれた。又一(西田敏行)と岩田(曾我廼家文童)は、国平の手腕に感激し、裁判の行方を楽天的に展望する。だが、財前(唐沢寿明)は「里見君が不利な証言をすれば、そんな有利など覆される」と冷静に分析する。慌てて「自分が説得にいく」と言い出す又一を制し、財前は「僕がやりますよ」と冷酷に言い放つ。
里見(江口洋介)のもとへ急患が運び込まれた。開業医をたらい回しされた腹痛の激しい女子高生・美香であった。そのまま入院した美香は後腹膜腫瘍であった。内科治療では完治は難しく、難度の高い外科手術が必要である。両親も手術を望み、里見は財前の顔を思い浮かべた。そんな折、家にいる三知代(水野真紀)に電話が掛かっていた。鵜飼(伊武雅刀)の妻・典江(野川由美子)からである。典江は「里見さんも研究ができなくなると大変ですねえ」と裁判を牽制しながら「明日食事でも」と持ちかけてくるのだった。
里見は財前に美香の手術を要請に行った。財前は冷静に対応する。「危険を伴う難手術だ。家族は理解しているのか」と前向きな態度である。財前はじっと考え「わかった」と言う。ほっとする里見に財前が付け加えた。「金井君にやらせるよ」。「君が切ってくれるんじゃないのか」と動揺する里見。財前は「あいにく今は裁判のことで頭がいっぱいだ。難しいオペを引き受ける余裕はない」と突っぱねる。里見は「15歳の命が掛かってるんだぞ」とすがるように責める。財前は「だからだ。裁判に負ければ大学を辞めなきゃならなくなる。そんな精神状態で手術したらミスを起こさんとも限らん。患者のために敢えてメスを握らんのだ」と里見の証人出廷と手術を取引の材料にしているのは明らかだった。だが、里見に言い返す材料はない…。
財前と里見が証言する第3回証人尋問の日がやってきた。裁判所に向かう車中の財前に、すでに傍聴のため裁判所に着いたケイ子(黒木瞳)から電話が入った。「この前あなたのお母さんに会ったの。心配していたことを伝えたくて」。財前は「勝ったら会ってくれるか」と訊いた。ケイ子は「その時考える」とかわし電話を切るのだった。
里見も裁判所に向かおうと支度をしていた。と、三知代が「行くの?」と背中で尋ねる。怪訝な里見に三知代は続けた。「あなたが行くなら、私も出て行きます。私はそんな立派な夫なんか、いらない。家族を一番に考えてくれる人と一緒にいたいの。あなたは何もわかってないわ」。見詰め合う二人。里見は…。
大奥 華の乱(再)#4『疫病神』
京から招聘された才色兼備の常磐井の局改め右衛門佐(高岡早紀)は、大奥を激震させた。女中たちは雅な京菓子をほおばりながら、右衛門佐の噂話で持ちきりである。一方で桂昌院(江波杏子)は音羽(余貴美子)を前に、右衛門佐を招いた信子(藤原紀香)の真意を訝っていた。そこへ右衛門佐が菓子を手土産にご挨拶のため訪ねてきた。恭しく挨拶し、柳島妙見堂にお参りした際、桂昌院が寄進した参道の敷石に感服した話などを持ち出して機嫌をとる右衛門佐。思わず上機嫌になる桂昌院、しかし、その隙のない振る舞いに、ますます猜疑心を募らせるのであった。また、お伝の方(小池栄子)は、右衛門佐が自分だけに挨拶に来ないことに、ひがみと劣等感を深くする。
桂昌院は、綱吉(谷原章介)や安子(内山理名)らがいる前で、右衛門佐の話を持ち出した。綱吉の出方を見ようとの策である。お伝の方は自分にだけ挨拶のなかった件を綱吉に言いつけるが、安子が「ご側室様にご遠慮して距離をお取りになるのは、むしろ奥ゆかしさの現れかと」と助け舟を出し、信子を安心させる。綱吉は、ただ右衛門佐とやらの美しさを見てみたいと思うだけであった。
右衛門佐は廊下を歩きながら安子にふと漏らした。「信子様は、私を桂昌院様、お伝の方様と張り合うための道具にしようとしておられる。なれど大奥は、おなごがこの世を動かすことができる唯一の場所」と言ってのけたのだ。物陰からその言葉を聞いていたのは音羽であった。音羽からその話を聞いた桂昌院は「大奥総取締の座を狙うておるのか。この桂昌院が認めぬ限り、大奥総取締などあり得ぬわ」と不快感をあらわにした。同席していた柳沢(北村一輝)は、「確か、ご側室は総取締にはなれぬ…そういう取り決めが」と知恵を授ける。桂昌院はその言葉の意味をすぐに理解し「上様をけしかけてみるかの」とほくそ笑むのだった。
右衛門佐は、大奥で和歌や源氏物語の講義を始めた。女中たちはそれに夢中になった。教養のないお伝の方は、対抗意識を燃やし、必死になってにわか勉強を始める。そんな折、やくざ者の兄が無心しにやって来た。お伝の方は、悲しくも我が身の生い立ちを呪わざるを得なかった。
右衛門佐による源氏物語の講義の日。なんとお伝の方も参加している。講義中、外の廊下を通り掛った綱吉は美しい朗読の声に足を止め、襖の隙間から中を覗く。見目麗しい右衛門佐にたちまち釘付けとなった。覗き見しているところを中の女中たちに気付かれ、引っ込みのつかない綱吉は講義部屋に入るしかない。右衛門佐は綱吉に畏まって挨拶するが、綱吉は「苦しゅうない。朗読に感じ入った。講義を続けよ」と奥に座り込むのだった。
右衛門佐は、ある問いを出題した。お伝の方が名乗り出て、源氏の解釈をスラスラと答えた。一同感心した様子で、右衛門佐もまずはほめるのだが、実は正しい解釈ではないと指摘する。満座の席で恥をかかされたお伝の方の顔色は変わり、隠し持った解釈本の写しを丸める手が悔しさに打ち震えるのだった。その時、綱吉が正答を口にした。右衛門佐は綱吉を大きく持ち上げた。これをきっかけに、綱吉も桂昌院にそそのかされるまま、右衛門佐を側室に迎えるべく動き出す。
その動きを聞いた安子は、「御台様付きの御上臈を側室にしたのでは、御台様に対して申し訳が…」と思い留まるように綱吉に懇願するが、綱吉は「差し出がましい」と激怒する。一方、柳沢は、これで染子(貫地谷しほり)のもとに綱吉が訪れないであろうと、安堵の思いで染子の肩を抱きしめるのだった。
桂昌院は信子に右衛門佐を側室に差し出すよう申し入れた。信子は断るが、なんと、右衛門佐本人が「桂昌院様、ひいては上様の御意とあらば、御台様の御意も同じと心得ます。私に否やがございましょうか」と言い放った。愕然とする信子と安子に、右衛門佐は考えあってのことと伝えるのだった。
ある日、右衛門佐と綱吉は二人きりで城内のあずまやに入った。裏には信子と安子が隠れて聞き耳を立てている。
右衛門佐は「論語に『難きを先にし獲るを後にす』とあります。上様の側室にしていただくことは、私にとっての幸せ。ならばそれは後回しにせねば」と、巧みにじらす。綱吉はばかにするな、と怒りを露わにし始めた。右衛門佐はすかさず綱吉の手を取って自分の胸に当て「肌にかかる情けは一時のこと。政の道でも陰となって上様をお支えし、他のいかなるご側室をも凌ぐ勢いで、上様と結ばれていたい」と訴えるのだった。綱吉も右衛門佐の野心を見抜き、「申してみよ。何が望みじゃ」と右衛門佐の才覚に降参せざるを得なかった。右衛門佐は微笑んだ。
翌日、大奥大広間で綱吉は宣言した。「今日より右衛門佐に大奥総取締の任を申し渡す」。どよめく一同。右衛門佐は野望に向けての第一歩を踏み出したのだった。
安子はお伝の方に呼び出され、突然湯殿に押し込まれた。お伝の方は何かに憑かれたような様子である。「右衛門佐や御台と示し合わせて、徳松を追い落とし、その腹の子を世継ぎにしようと考えておろう! この疫病神!」と安子に迫る。勢いに気圧され、後退さった安子は水風呂に落ちてしまう。お伝の方はそれを見ると湯殿に閂をかけ出て行ってしまった。水から上がった安子は腹を押さえて苦しみ始めるのだった。
ブスの瞳に恋してる(再)#3 『(秘)合コン大作戦!!』
おさむ(稲垣吾郎)に恋をしてしまった美幸(村上知子)。恋に臆病でアプローチできずにいる美幸のためにルームメートの翔子(MEGUMI)と弥生(滝沢沙織)は美幸の恋愛成就に向けて大作戦会議を決行。次々に提案される作戦を慣れないながらも懸命に実行する美幸だが、美幸を「オモシロ」の対象としてしか見ていないおさむはその気持ちにまったく気付く気配すらない。
そんなおさむに斎藤(相島一之)から、関東中央テレビで開催するイベント『家族で行こう!ハチハチフェスタ!』の中で行う世界的に有名なファッションデザイナー、ザビエル・ガブリエルのファッションショー構成の依頼がきた。ザビエルの存在すら知らなかったおさむは躊躇するも、主婦や子供も楽しめるショーにしたいという話を聞いて引き受けることに。すでにモデルとして出演が決まっている彼女の友美(蛯原友里)も大喜びだ。自分らしい楽しいショーにしようと張り切って構成を考えたおさむだが、第一回のプレゼンでは先方に「オモシロ」が理解されず厳しいダメ出しを受けてしまう。一時は落ち込んでいたおさむだが、プロデューサーの上島(松重豊)の励ましもあり再び新しい案を考え始める。
一方、美幸は勇気を振り絞りおさむを食事に誘うが、つい「友達に頼まれた」と言い訳をしてしまい3対3の合コンスタイルになってしまった。美幸をおさむとくっつけようと画策する翔子と弥生に対し、男性側は美幸に自分たちの番組に出演してもらうための交渉チャンスと考えた竹田(大森南朋)と松本(忍成修吾)が参加した。途中から翔子と弥生の計らいで2人きりになったおさむと美幸だが、街を歩いていたおさむに突然ショーの名案が浮かぶ。俄然張り切るおさむは、あまりファッションショーには興味がないという美幸に「最後にサプライズを用意するから期待してて!」とショーに誘い、美幸をその場に残して帰ってしまう。とはいえ、ショーに誘われたことを素直に喜ぶ美幸。同じ頃、翔子は竹田からおさむには彼女がいることを聞いてしまう。
ショーの開催日。上京してきた絵里(大沢あかね)と両親(渡辺哲、高橋ひとみ)と共に会場へ向かう美幸だが、舞台裏ではおさむが窮地に立たされていた。