現在、宇宙へ行くために使われているスペースシャトルやロケットは、打ち上げのために膨大な燃料が必要となり効率的ではありません。そして、大量の物質の輸送が行えないことも欠点です。また燃料に含まれる有毒物質による環境破壊も深刻な問題です。このような課題をクリアするために期待されているアイデアが、宇宙エレベータなのです。 宇宙エレベータは、地上から約36000km上空にある静止軌道まで延びたケーブルに沿って、人や物質を運ぶ装置のことをいいます。「軌道エレベータ」や「宇宙塔」といった名称でも呼ばれます。電力を使って宇宙に行くことを想定しているため、従来のロケットよりも遥かに低エネルギーで往復でき、リーズナブルに宇宙へ行く輸送手段として期待されています。しかし宇宙エレベータの建設を実現するためには、まだいくつかの課題を乗り越えなくてはなりません。その克服のため、科学者は挑戦を続けています。宇宙エレベータの形状についても、現在までに色々なタイプが考えられてきました。