かんたん薬膳やさしい漢方
春のストレス対策!
春のストレスは「肝」がポイント
暑さで疲れやすくなったり、食欲がない、だるいなどの症状が出るのが夏バテです。夏バテの原因は、屋外と屋内との温度差や、水分や冷たいもののとりすぎで胃腸が弱ること。栄養がうまく吸収されずにエネルギー不足になったり、体内に余分な水がたまること(=「水毒」・すいどく)で、不調を引き起こしてしまうのです。この夏は、薬膳や漢方のパワーで、元気に過ごしましょう!
薬膳は中医学の考えかたをもとに、季節や体調にあわせてつくられる料理です。
今回は余分な水を体から出す水毒(すいどく)対策レシピを紹介します。
 
くらげとセロリの和えもの

材料(4人分)
冬瓜……400g 春雨(乾)……40g
とうもろこし……1/2本(ひげも使用)
干しえび……20g 中華スープ……2カップ
A:酒・塩……各少々 鶏油(チキンオイル)……大さじ1
揚げ油……適量

作りかた
❶冬瓜は食べやすい大きさに切り、軽く塩ゆでする。春雨は湯につけてもどす。とうもろこしは実を切り離す。ひげもとっておく。
❷スープで干しえびと冬瓜を煮込み、やわらかくなったら酒・塩で調味する。とうもろこしと春雨を加えて軽く火を通し、鶏油を加える。
❸揚げ油を180度に熱し、とうもろこしのひげを揚げる。
❹❷を器に盛り、❸を添える。

※鶏の脂をねぎ、しょうがと一緒に炒め、うかんでくる脂。また、お近くのスーパーでお買い求めいただけます。

薬剤師
中村絵美さん
ミキ調剤薬局
池方さん
疲れたときは甘いものが欲しくなりますよね。暑いときには冷たいアイスやジュースに手が伸びますが、夏バテ対策には、それよりも甘みのある夏野菜がおすすめ。余分な水分を体外に出しやすくして、暑さに強い体を作ります。
 
薬剤師A: えびの出汁が効いていて美味しかったです。コーンとひげの食感が良かったです。
薬剤師B: とろとろしていて食べやすかった。皮の食感も気にならず、とうもろこしのひげを揚げたものが香ばしくておいしかったのと、えびの香りが食欲をそそりました。
栄養士A: 冬瓜の皮を剥かないことで、単調な口当たりにならず他の食品との歯ざわりの違いなども楽しんで味わうことができました。
薬剤師C: みずみずしくて美味しかった。冬瓜ととうもろこしの食感の違いが楽しめました。
栄養士C: 冬瓜の透明感が夏らしく、見た目が非常に良いと思いました。干しえびの出汁が効いていて中華らしさを感じました。
加味逍遙散
五苓散は水の吸収や排出をスムーズにし、胃腸の調子を良くして、消化不良やだるさ、口の渇きをいやします。体がむくみやすい人におすすめ。
図

未病(みびょう)
体調は悪いのに病気と診断されない状態を「未病(みびょう)」と言います。だるい、食欲が出ないなどの夏バテも未病のひとつ。漢方では、未病であっても、ひとりひとりの"症状"に合わせて治療をします。本来人が持っている「健康になる力」を無理なく引き出すことを重視する漢方は、さまざまな病気の予防にも期待大。予防医学の分野でも注目されています。

五行説 左の図は、東洋医学に深く関わる、自然にあわせた考え方、暮らし方を図式化したものです。「五行説」と言って、木・火・土・金・水の5つの元素が万物をつくり、それぞれに季節・体・味・色があてはめられ、相互に影響しあってバランスを保つと考えられています。
薬膳漢方ちょこっと対談
ミキ薬局薬剤師 食育通信の薬膳レシピに使用した、なつめやクコシ、リュウガンニクなどの漢方食材の一部を、ミキ薬局にて販売しています。使い方や特長はお気軽にご質問ください。漢方・栄養相談もどうぞ。 白木悦樹
春のストレス対策!タイプ別漢方薬のすすめ
漢方薬は、日ごろ口にしている食べものも使われている身近なものです。
ひとりひとりの体型や体調、症状の原因にあわせて処方され、体全体のバランスを整えます。
あなたにあった漢方薬をチェックしてみましょう。
あなたのストレスタイプをチェック
当てはまる項目にチェック!
薄荷ですっきりジャスミン茶
お手軽薬膳で夏バテ対策!
自然の甘みが体にやさしい
材料(4人分)と作りかた
❶かぼちゃ80gは細かく切り、強火で10分ほど蒸し、ざるなどを使って皮ごと裏ごしをする。
❷甘酒2カップをあたため、1と半分にしたなつめ2個分を加える。水で好みの濃さにうすめ、刻んだ陳皮(チンピ:みかんの皮を干したもの)少々を加える。
薬剤師
小塚貴子さん
ミキ薬局田端店
池方さん
甘いものも適量であれば夏バテに効果的。かぼちゃの自然な甘みを生かした温かいデザートスープがおすすめです。甘酒も、江戸時代には、脾の働きを助ける夏バテ防止の栄養ドリンクとして楽しまれていたそうですよ。
 
薬剤師A: おかゆみたいでした。酸味はあまり気にならず、チンピがいいスパイスになっていました。飲んだら温かくなりました。
薬剤師B: チンピが効いていておいしかったです。酒粕が入っていてデザートに近く、飲むというより食べるという感じでした。
栄養士A: 酸味がさわやかで夏の飲み物に良いし、あえて温めて冷房などで冷えた時に飲んでも良いと思いました。かぼちゃがさらりとして彩りも良く食欲のない時にも良いと思いました。
薬剤師C: 酸味が強く、もっとかぼちゃの甘みが感じられればと思いました。
栄養士B: 「飲む点滴」と言われほど栄養価の高い甘酒は、食欲がなくあまり食べられないときなどに向いているので、熱い季節にピッタシだと思いました。
 
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