かんたん薬膳やさしい漢方
春のストレス対策!
春のストレスは「肝」がポイント
暑さで寝苦しい夜が増える夏。この季節、血液を循環させるポンプの役割を担い、こころとしての働きをする「心(しん)」が大切とされています。「心」がうまく働かないと、寝つきが悪い、夜中に目が覚めて眠れない、いやな夢を見るなど、ぐっすり眠ることができなくなります。薬膳や漢方で「心」をいたわって、気持ちのいい快適な眠りを手に入れましょう!
薬膳は中医学の考えかたをもとに、季節や体調にあわせてつくられる料理です。
今回は、心地よい眠りのために「心」を助けるかんたんレシピを紹介します。
 
くらげとセロリの和えもの

材料(4人分)
●豚ももかたまり肉……320g ●にがうり……1/2本
●赤・黄パプリカ……各1/4個 ●竜眼肉……2粒(細かく刻む)
A 酒・塩・こしょう……各少々 溶き卵……1/2個分 片栗粉・油……各大さじ1
B 酒・砂糖……各小さじ1 しょうゆ……大さじ1と1/2
  オイスターソース……小さじ2 スープ……小さじ1
  こしょう……少々 水溶き片栗粉……小さじ1 ごま油……少々

作りかた
❶豚もも肉は小指くらいの大きさに切ってボウルに入れ、Aをからめ、片栗粉、油の順に加えて混ぜる。
❷にがうりとパプリカは1と同じくらいの大きさに切り、にがうりは塩少々(分量外)をふって軽くもむ。
❸フライパンに油を熱し、1を炒める。火が通ったら2と竜眼肉を加えて炒め、Bで調味する。ごま油をふる。

※ライチに似た中国のフルーツ。乾燥したものが中華食材店でお買い求めいただけます。
薬剤師
菊地佐知恵さん
ミキ調剤薬局
池方さん
苦みのある食べものは、「心」の働きを助け、睡眠のリズムを整えてくれます。にがうり、ピーマンを食事に取り入れてみてはいかがでしょう。竜眼肉というフルーツも、胃腸を整えたり、こころを穏やかにする働きがあるといわれています。
 
薬剤師A: 苦いものが苦手だが、竜眼肉の甘味で苦瓜の苦さが軽減していて美味しくいただけました。見た目にもパプリカを入れることで、色鮮やかで食欲をそそりました。
薬剤師B: 竜眼肉が料理に入るイメージが無かったのですが、苦味のある瓜との組み合わせで違和感無く食べられました。
栄養士A: 彩りが美しく、食欲をそそりました。食材の下処理をしっかり行い、火力の強いコンロで作られた試食品と家庭で作るものとの違いがどの程度あるのかちょっと不安です。竜眼肉の存在感がもう少しあっても良かったかもしれません。
栄養士B: 竜眼肉のインパクトが弱い気がしましたが、甘味が豚肉の調味、とろみにあっていると思いました。苦瓜の繊維にそった方向の切り方や火の通り方で歯ざわりがよく柔らかな豚肉との対比が良かったです。下味付けにきちんと手間を掛けると、冷めても歯ざわりや風味が損なわれないのだなと思いました。
加味逍遙散
加味帰脾湯は心を穏やかにし、心地良い眠りをもたらします。また胃腸に効くので栄養をしっかり取り込むことができるようになり、疲れにくい体にして、貧血も改善します。
図

薬食同源・医食同源(やくしょくどうげん・いしょくどうげん)
食べものはすべて薬であり、毎日の食事をおいしくバランス良くとることで、病気を予防したり治したりするという考えかたです。今回紹介した加味帰脾湯(かみきひとう)には、しょうがやなつめ、上の薬膳レシピにも使われている竜眼肉などが入っています。こうした身近な食べものが漢方薬として使われているのです。

五行説 左の図は、東洋医学に深く関わる、自然にあわせた考え方、暮らし方を図式化したものです。「五行説」と言って、木・火・土・金・水の5つの元素が万物をつくり、それぞれに季節・体・味・色があてはめられ、相互に影響しあってバランスを保つと考えられています。
薬膳漢方ちょこっと対談
ミキ薬局薬剤師
菊地: おいしい!にがうりのシャキシャキがいいですね。
星: 苦さもちょうど良いですね。夏は苦みがポイントだから、ぴったりだなぁと。
白木: はい。にがうりは夏の長い沖縄でよく食べられていますしね。
菊地: なるほど。きっと昔の人は自然のことをよく見て、食で健康になっていたんでしょうね。
白木: そうですね。ちなみに、苦いものは甘めの夏野菜とあわせると食べやすいですよ。
星: パプリカがあってますもんね。旬のものは、いろいろバランスがとりやすいんですね。
白木悦樹
春のストレス対策!タイプ別漢方薬のすすめ
漢方薬は、日ごろ口にしている食べものも使われている身近なものです。
ひとりひとりの体型や体調、症状の原因にあわせて処方され、体全体のバランスを整えます。
あなたにあった漢方薬をチェックしてみましょう。
あなたのストレスタイプをチェック
より快適な睡眠を手に入れられるかもしれません。当てはまる項目をチェックしてみましょう。
薄荷ですっきりジャスミン茶
薬膳ドリンクで快適睡眠!
ほっくりゆり根とやさしい甘さで
リラックスを。
材料(4人分)と作りかた
❶ゆり根80gをフードプロセッサーにかける。牛乳480ml、紹興酒大さじ1と合わせて鍋に入れ、弱火でこげつかないように混ぜながら温める。
❷なつめあん大さじ1と1/2ずつ入れたグラスに、1を等分に注ぐ。
※袋詰めのものなどが中華食材店でお買い求めいただけます。
ない場合は、❶と刻んだなつめを一緒に温めて。
薬剤師
星智子さん
ミキ薬局田端店
池方さん
飲みものは暑い日でもホットかぬるいものがおすすめ。ゆり根やなつめはストレスをやわらげ、胃腸の働きを良くしてリラックスさせます。なつめはおやつにそのまま食べてもおいしいですよ。
 
薬剤師A: 暖かいうちに飲むと美味しそう。三時のおやつに飲みたくなる一品です。
薬剤師B: なつめあんがミルクとマッチして甘くて美味しかったです。
栄養士A: 非常に飲みやすい印象でした。あんを自分で溶かす楽しみもあると思います。ゆり根のざらざら感がポイントかも。
栄養士B: ゆり根は、もう少しとろみが出るものなのかと思っていたのでシャリシャリした感じが意外な食感でよかったと思います。リラックスできる風味だと思いました。
 
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