第7話
「も・・・もう、やめて・・・お願い・・・」
美香は過激な調教で身体を動かすことができなくなっていた。
「そうね、今日はもう疲れたでしょうからこれくらいにしておくわ」
捕らえて逃がさないという余裕からか、綾音はそう言うと以外にあっさりと引き下がった。
「奴隷は一日の調教が終わった時にお礼を言わなければいけないのよ」
美香は朦朧としたまま、綾音の奴隷が言うべき台詞を聞いていた。
「『調教していただいてありがとうございます。』と言いなさい」
「・・・調教していただいて・・・ありがとうございます・・・・」
もう、何も考えられない美香は、綾音に教えられたままの台詞を口にする。
美香は言い終わると力つきて気を失ってしまった。
すると、綾音は美香の汗や愛液で汚れた躰を濡れた布で丁寧にふき取った。
そして、由香とお揃いのメイド服を着せるとベッドに運んだ。
「久しぶりの姉妹の再会を堪能してくださいね。では、また明日までごきげんよう」
そう言うと、綾音は服を身に着けると鉄製の扉を閉めると表側から鍵を掛けてしまい、姉妹を閉じこめてしまった。
美香は、そのままベッドで倒れていたがしばらくして意識が回復すると妹がすぐ近くにいることを確認して安堵する。
妹もまた、気を失って倒れていた。
「由香?」
美香が呼びかけると、妹はすぐ目を覚ました。
「探したわよ」
「お姉ちゃん、ごめんね・・・」
そう言うと、同じ顔をした二人の少女はしばらく見つめ合ったままでいたが、ゆっくりと近寄るとお互いに抱き合う。
それは先ほどとは違い淫靡な包容ではなかった。
美香はそのまま、お互いの体温を感じていたいと思ったが話をするため妹を離した。
「でも、由香が無事でよかったわ。隙を見て、ここから逃げるわよ」
美香が妹の手を握って訴えかける。
「だめ、もう逃げられないの。この屋敷には、あちこちに警備の機械があるからすぐに見つかってしまうのよ。私も助けてもらってからすぐにあの子の本性を知って逃げようとしたけれど、すぐに見つかってしまったの」
由香は寂しげに首を振って答えた。
「でも、あんなのの言いなりになって、いやらしいことされたら私たちダメになっちゃうよ!?いいの?」
「最初はそう思ったわ。でも、そんなことどうでも良くなってきたの・・・」
「そんなのおかしいわ、どうしちゃったの由香?」
「お姉ちゃんも調教されれば判るようなるわ。ここへ来てしまったらもう二度と普通の生活には戻れない。綾音様の奴隷になれて嬉しくなるように躾けられちゃうの」
「奴隷になって嬉しいわけないじゃない・・・」
「ううん、今までのお姉ちゃんではいられなくなっちゃうの。お姉ちゃんは、綾音様の奴隷になるのよ」
由香の恐ろしい説明が続けられた。
「お姉ちゃんも私と同じように、恥ずかしい目にあわされても感じるマゾなっちゃうよ。でもね、堕ちていって惨めな奴隷になるって凄く気持ちいいよ。どんな辛い命令にだって従いたくなるの。普通だったら絶対味わえない素晴らしい世界が待っているの。ねぇ、お姉ちゃんも一緒に奴隷になって、ここでずっと暮らしましょうよ」
一週間の間に美香の知っている妹はすっかり変わってしまっていた。
妹は綾音によって奴隷に堕とされ、さらにそれを悦ぶように躾けられてしまっていた。
そのことに愕然となり、美香は適当な言葉が浮かんでこない。
「・・・絶対・・・おかしいわ・・・きっと・・・ここから出ていけば元に戻れるはず・・・」
「そうかもね。でも、今日ははじめてだから疲れちゃったんじゃない?もう、寝ましょうよ」
「・・・うん・・・」
しかたなく、美香は言われるままベッドに横になる。そうすると、すぐに睡魔に襲われてしまう。
「ふたりでこうやって寝るのって久しぶりだね・・・・」
美香の長い髪に指を絡ませながら、由香は微笑んだ。
姉妹は寄り添って眠りについた。
美香は目を閉じると、明日のことは考えないようにした。
- 7 -
|