直前インタビュー集(2) FINAL16/後編

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Sunday, 2009.04.19

 4月19日、福岡市内にあるJALリゾートシーホークホテル福岡にて4・21MAX出場選手の個別インタビューが行われた。第二弾では、世界トーナメントFINAL16に出場する、クラウス、自演乙、山本優弥、チビン、キシェンコ、リマ、ペトロシアン、アスケロフのコメントをお届けする!
アルバート・クラウス

――長島戦に向けて、どのような練習をしてきたのでしょうか。
クラウス 今までの経験で、相手に合わせるのではなく自分の長所を伸ばすことに重点を置いてきた。それで良い結果を残してきたから、ナガシマ用の特別な練習はしていないよ。プラスになるような練習をしてきたんだ。
――とくに研究はしていない?
クラウス 彼の試合は観ていない。トレーナーが試合を観て、そのアドバイスを練習のなかで活かしてきたんだ。
――長島選手が「アニメの勉強をして来い」とコメントしていましたが、勉強はしましたか?
クラウス ナガシマがどんなコスプレをしようが、試合に関係はない。勉強する気はまったくないね。
――「負けたらコスプレ」とも発言していました。その要求は呑みますか?
クラウス 負けるつもりはないし、負けないからね。そのコスチュームは自分で着てくれ。
――ちなみにこんなコスプレだそうです(コスプレのイラストを手渡す)。
クラウス 自分で着る分には楽しいだろうけど、オレには関係ない。だから破かせてもらう。枕の下で思い出にでもすればいい(ビリビリと引き裂く)。
――試合前にこういった要求をしたり、コスプレをする長島選手に関して、どう思いますか。
クラウス 真のファイターはこういう衣装を着るものじゃない。オレは好きになれないね。
――長島選手が用意したコスチュームに関しての感想をお願いします。
クラウス う〜ん…女性用の洋服だからね。男らしい自分には似合わないよ。ナガシマのように、男らしさを感じないようなヤツには似合うんじゃないかな。
――魔裟斗選手が年内での引退を発表しましたが、それに関してはいかがですか?
クラウス マサトとはずっと、また試合をしたいと思っていた。彼が引退するなら、世界王者になって12月に試合をするしかない。今年こそタイトルを奪取して、マサトと再戦したいね。
――やはり魔裟斗選手の最後の相手は自分が相応しいと思いますか。
クラウス マサトは自分が頂点に立っていると思っているし、オレも今年は頂点に立つつもりだ。オレとマサト、二人でMAXをスタートさせたようなものだからね。引退するなら、最後の相手は自分であるべきだと思っているよ。

長島☆自演乙☆雄一郎

――まずは衣装の説明をお願いします。
長島 『撲殺天使ドクロちゃん』のドクロちゃんです、始めまして。
――その武器は…。
長島 エスカリボルグという血まみれ万能バットです。相手を撲殺します。
――選んだ理由は…。
長島 強気になれるかなぁと。まあ、撲殺したいんで。
――練習はいかがでしたか?
長島 エスカリボルグが重くて、持ってポージングする練習はしてきました。それ以外では、ムエタイとボクシングの練習もそれなりにしてきました。
――ファンの間では、クラウス選手が相手だと今度こそヤバイと噂になっています。
長島 ROMっていたら格闘技板でそういう意見も多かったですね。でも、そういう意見は前から多かったですからね。それは健太戦のときから言われているんで、それを見返すために練習してきました。見返すのが楽しみですね。
――最近は本職も忙しいのでは?
長島 テレビや雑誌、デュエットなども呼ばれて、コスプレイヤーとしても鼻が高いですね。
――これ以上、うまく行ったらバイトは辞めますか?
長島 そうしたらバイトではなく趣味でやらせてもらいます。
――入場のコスプレは別なんですよね?
長島 もちろん。ブログでちょこちょこヒントを出してます。僕はそのアニメの主人公であり、妹がいるという設定です。赤坂の隣の駅、でなんとなく分かります。
――…えーと、分かりません。
長島 僕は分かるファンに対してヒントを出していますからね。まあ、興味のない方も僕を通じてアニメを観てください。
――クラウス選手も女装経験があると話していました。
長島 マジっすか、どのアニメですか!? 分からない? それじゃダメです。僕は萌えてる女の子じゃないと興味がないんでね。
――大晦日の予定はいかがですか?
長島 とりあえず『アニソン三昧』の復活を願ってやまないです。『Dynamite!!』のオファーが来てから考えます。とにかくwktkしてます。
――クラウス選手にコスプレの衣装を見せたら、引き裂かれました…。
長島 ああ!! ヨーコが…アイツ、なにしてるんすか!! …悲しいですね。僕の大好きなアニメキャラにこんなことをするなんて、憤りを感じます。フルボッコにしますよ。キャラが受けたことはリングで返します。

山本優弥

※公開練習を行っているため、インタビューなし

▼公開練習レポート
→ドン底からラッキーマンに! あるぞ優弥の大逆転

イム・チビン

――先日のASIA MAXを振り返って、いかがですか。
チビン 良い結果が出て満足しています。あの大会のために長い練習を積んできました。結果が残せて良かったですね。
――決勝のイ・スファン戦は大逆転勝利でしたね。
チビン ああいう状況になっても立ち上がれるようなマインド・トレーニングをしていたからです。
――ダメージがなかった?
チビン 痛みはあったけど、時間が経てば我慢できるものでした。
――マインド・トレーニングとは?
チビン ニューロ・マインド・トレーニングという練習があって、それを今年に入ってから取り入れました。試合中にダウンを奪われても、それ以外のときも前向きになれるような練習です。
――昨年の城戸(康裕)戦から学んだことはありますか。
チビン KOされてからガードの徹底を考えて、かなりアップグレードできたと思います。相手の選手の分析も行うようになりました。
――対戦する山本優弥選手はチビン選手のファンで、技を真似したこともあるそうです。
チビン ヤマモト選手とは7年前に試合をしています。そのときも若いけど素晴らしい選手だと思っていました。日本に来たときは、彼と良いイメージを持って挨拶していましたよ。言葉は通じませんけどね。
――チビン選手は日本人選手と日韓戦になることが多いですが、やはり気持ちは違いますか。
チビン 私としてはさほど違いはないですけど、周りの雰囲気は違いますね。ただ、リングに上がれば関係ありません。
――魔裟斗選手が年内で引退を表明しましたが、その件に関してはいかがですか?
チビン 個人的にはK-1の発展のためにも現役を続けてほしかったですね。でも、彼にも事情があるので、私がどうこう言う問題ではありません。
――山本選手に自分との差を見せたい?
チビン 決してヤマモト選手を低く評価していません。彼は闘志のある選手なので、学ぶべきことがある。私としては好きな弟分みたいなものですね。

アルトゥール・キシェンコ

――今年の世界トーナメントがスタートしますが、一昨年は3位、昨年は準優勝と残るポジションは一つだけです。
キシェンコ もちろんトップを目指しているから、1位を目指しているよ。
――今年でMAX世界トーナメント参戦3年目になります。慣れてきましたか?
キシェンコ 慣れてきただけではなく、なにが期待されているかも分かるようになってきたね。
――世界一になるには、なにが必要だと思いますか。
キシェンコ 分からないけど、同じように続けることじゃないかな。結論は今年の最後にハッキリ言うよ(微笑)。
――魔裟斗選手が年内での引退を表明し、世界トーナメントには参加しません。
キシェンコ 分からないけど、そうなるとサトーに日本人の期待は集まると思う。だけど、それ以外にも多くの日本人選手が参戦しているから、誰が勝ち上がるか、じっくり観察するよ。
――魔裟斗選手の引退に関してはいかがですか。
キシェンコ 頭の良い決断だったと思う。彼は30歳だよね。30歳で世界王者として去って行く、最も正しいやり方だね。マサトはあと1年くらいはやれたとは思う。でも、そうなると今年は世界王者になれなかったはずだ。
――それはなぜですか?
キシェンコ 王者になって、自分の目標を達成してモチベーションを失っている。それに年齢も大きなネックになるね。
――勝ち逃げとは感じませんか。
キシェンコ ボクはそうは思わない。彼の引退は正しいものだと思う。自分の願望で王者としてリングを去ることができる。普通はそうじゃない。年齢を重ねてケガも増えるし、負けも増える。そうして引退を余儀なくされる選手は多いよね。だからこそ、このタイミングで引退することに、十分な価値があるだろう。マサトは現役をまだ1、2年はできるだろうけど、その期間で王者ではなくなる。そして、格闘技の舞台から去らなければならなくなるだろうね。
――魔裟斗選手は大晦日、今年のMAX世界王者と対戦するという提案をしています。
キシェンコ いろいろ言う人はいるけど、現チャンピオンにマサトが勝ったら自分のクオリティを高めることになる。素晴らしい提案だね。
――おいしいとこ取りとは思いませんか。
キシェンコ たしかに彼はおいしいとこ取りの準備をしているけど、すでにマサトにはこの10年の疲れが蓄積しているはずなんだ。マサトは今、休みに入っている。そこから王者のクオリティを取り戻すのはとても難しい。今年の王者は、今に照準を合わせている、だからマサトにとっては不利だろうね。
――今年のMAX世界王者は、魔裟斗選手には負けないと。
キシェンコ そういう意味でも面白いよね。そういう状態のマサトが、王者と闘うということが。難しいことだけど、詳しくはマサトに訊いてくれないか。もちろんマサトは休んでいるけど、大晦日にピークを持って行くことはできると思う。でも、それは王者になったときのピークではない。最高のピークにいるのは、今年の世界王者なんだ。
――キシェンコ選手が世界王者になれば、絶対に負けないということですか。
キシェンコ 大きな口は叩きたくないけど、王者にはなりたい。王者になりたいし、そういう可能性があるのは嬉しいね。そうなればマサトとは3回目の対戦になるし、リベンジマッチになる。ぜひともやらせてほしいね。
――対戦相手となるリマ選手の印象はいかがですか。
キシェンコ 私よりも10歳くらい年上の選手だよね。これは私にとってプラスに働くと思う。
――リマ選手は噛み合うと発言していました。
キシェンコ それはどうでもいいな〜。ビデオで私の試合を観たんだと思うけど、リング状で対峙してないじゃないか。リマは前に出てきて、ケンカみたいなファイトを求めてくるんじゃないかな。私もそれを期待されているだろうけど、どう対処するかは試合を観てほしいね。

アルビアール・リマ

――日本で2度目のMAX出場となります。
リマ とてもリラックスしているし、参戦できて嬉しいよ。みんなに自分の試合を直接、見てもらえるのが嬉しい。試合前だけど緊張はないよ。
――世界トーナメントに参戦することに関してはいかがですか?
リマ もちろん試合の目的は違うけど、今回は勝てばトーナメントに繋がる。キシェンコはうまく噛み合うタイプだから、やりやすいと思っているよ。いい試合が期待できるね。
――キシェンコ選手は昨年、準優勝の強豪です。
リマ 結果としては準優勝していてタフな選手だけど、オレは敵が強くなればなるほど燃える。噛み合うタイプなので、自分としては嬉しいね。
――噛み合うのはパンチ、それとも蹴りですか?
リマ 間合いを詰めてくる選手なので、オレとは噛み合うと思うよ。
――前回よりも魅力を出せる相手だと。
リマ 試合の展開がどうなるかは分からないけど、いい試合ができて勝てれば魅力を引き出してくれたと言えると思う。だけど、今の段階では分からないな。
――今回のトーナメント出場メンバーを見て、どんな印象を受けますか。
リマ 顔ぶれを見ても、次に繋がって行くに相応しいトップレベルの選手ばかりだ。日本で試合をしていない初参戦の選手が多いけど、実力者ばかりなので素晴らしいイベントになるだろうね。オレも楽しみだよ。
――魔裟斗選手がトーナメントに出場していないのは残念ですか。
リマ マサトが出ないのは残念だが、世界王者になれば彼と闘える。その夢を実現したいね。マサトはMAXでも、世界レベルでもベストのファイターだ。そういった選手と闘うのは夢なんだよ。オレが世界王者になれば夢は実現できる。マサトの引退がMAXにどんな影響を与えるかは分からないけど、どんな競技にも変化は必要だ。MAXには、これから変化が起きるだろうね。
――カーボヴェルデ共和国で、格闘技はメジャーなのでしょうか。
リマ 国としてはサッカー人気がある。でも、最近は格闘技の人気も上がっているよ。オレが代表して出ることによって格闘技熱は上がると思うので、頑張りたいね。競技人口は少ないけど、頑張っている選手は何人かいる。これから良い選手が育ってくる国だと思うよ。
――格闘技人口はどれくらいなのでしょうか。
リマ 日本で試合をしている選手は少ないな。オレと…以前、マサトと対戦したノエル・ソアレスかな。人数は少ないけど、国を代表して出られるのは嬉しいね。

ジョルジオ・ペトロシアン

――日本でのK-1初参戦となりますが、今の心境はいかがですか?
ペトロシアン 初めて日本に来ることができて嬉しいよ。選手にとって日本で闘えるのは夢のようなものだ。日本に来たことがないのに、自分のファンがいてくれる。インターネットでボクの試合を観てファンになってくれたみんなに、ネット上だけではなく、実際に試合を見せることができるのが嬉しいね。
――MAXのレベルに関しては、どのような意見を持っていますか。
ペトロシアン すごくレベルが高い。強い選手が日本に集まっているんだと思う。
――そこで優勝する自信はありますね。
ペトロシアン 上り詰めたいと思っているよ。
――これまでの格闘技歴を教えていただけますか。
ペトロシアン 始めたキッカケは2000年、イタリアに行ったときなんだ。キックやムエタイをやっているジムにたまたま行って、それがすごく気に入ったんだよね。でも、それが13歳のときで、幼くて入れなかった。でも、半年後にトレーナーからオファーがあってキャリアがスタートしたんだよ。
――出身はどちらなのですか?
ペトロシアン ボクはアルメニアからの移民なんだ。
――戦績が55戦して1敗、この結果は驚異的です。
ペトロシアン 夢を追い続けて頑張ってきた結果、ここまで来れたんだと思うよ。
――相手の攻撃を受けないことで有名ですが、その要因は?
ペトロシアン ハハハ、トレーニングの仕方が良いんだと思う。体を使うよりも、頭を使って試合をしているからね。
――相手を徹底的に研究するタイプですか。
ペトロシアン ボクのあだ名である“ザ・ドクター”は、頭を使って闘うことから来ているんだ。
――ムエタイスタイルが特徴的ですが、タイ人のトレーナーのもとで練習を行ったのでしょうか。
ペトロシアン ムエタイ自体はタイに行ったこともなく、トレーナーに教えてもらったんだ。
――すでにアスケロフ選手のことも十分に研究済みですか。
ペトロシアン インターネットで試合を観たけど、あまり映像がなかったな。少し観ただけだね。
――イタリアで格闘技はメジャーなのでしょうか。
ペトロシアン 段々とポピュラーになっているよ。年に一回、ミラノの『オクタゴン』というトーナメントの試合があって、観衆が1万人くらい来るんだ。それをヨーロッパ中に生放送しているね。『オクタゴン』というのはラテン語で、8人の選手が同じ場所で闘うという意味なんだ。ボクはそこでアンディ・サワーを倒している。

ジャバル“チンギスハン”アスケロフ

――初参戦になりますが、MAXにどのようなイメージを持っていましたか?
アスケロフ 今回、日本では初めての試合になる。MAXという舞台には、世界のトップファイターが集めっている。ベストになりたければ、ここで試合をして実力を証明することが大事だよ。しっかりと自分の試合をして、どんなスキルを持っているかを知ってもらうチャンスだと思っている。
――では、格闘技歴を教えて下さい。
アスケロフ 格闘技を始めたのは8歳のときだ。父親がジムに連れて行ってくれたんだ。ボクシングやムエタイを経験してキックボクシングに落ち着いた。多分、父親も格闘家になりたいという夢があって、それを自分に託したんじゃないかな。オレはこれまでに200戦以上をこなしている。トップの選手とも試合をして勝っている。今回は、あらためて大きな舞台で実力を証明するチャンスだと思う。
――オフィシャルレコードでは64戦となっていますが、そのほかにも試合をしているのですか。
アスケロフ アマチュアでも150戦しているよ。プロでは60戦くらいか。だから200戦以上だ。
――国籍がUAEになっていますが、詳しく教えてもらえますか。
アスケロフ トレーニングはタイで行っている。オレは南ロシアで生まれていて、両親はロシア人なんだ。でも、ジムや友人を訪ねてUAEで時間を過ごすことも多いんだよ。故郷から近いこともあって、行き来する機会が多くてね。それで今回はUAEから出るということに決めたんだ。
――“チンギスハン”というニックネームに関しては?
アスケロフ 元々、マネージャーが提案したんだ。最終的に自分が決めたけどね。歴史的に有名な武将で、世界を征服した人物だよね。オレも格闘技界で世界を征服したいという思いがあったから、これに決めたんだ。
――試合はオランダがメインですか?
アスケロフ とくに決まっていない。タイをベースにしているし、オランダやオーストラリアでも試合をしている。世界中で試合をしているんだ。まあ、住んでいるのはタイだけどね。
――戦績には総合格闘技の試合も含まれていますが、今も試合を行っているのですか?
アスケロフ 5、6戦はしていると思うよ。メインではないけど、オファーがあってタイミングが合えば全然、出るよ。
――どんなイベントで総合格闘技の試合を行っているのですか?
アスケロフ ロシアで『パンクレイション』という団体だ。初めての試合は13歳のときだったね。ジュニアアマチュアのトーナメントに初参戦して、優勝したんだ。
――総合を始めた理由は?
アスケロフ ロシアはレスリングが盛んで、ストリートファイトに近いルールだからオレにもできると思った。たまたまオファーをもらったんで出たんだ。トーナメントではキックボクサーだけど、絞め技で勝った試合もあったよ。
――寝技の練習をしたことはあったのですか。
アスケロフ 試合が決まったときは経験がなかった。それから練習をして、なんとかものにすることができたんだ。
――日本にはDREAMの舞台もありますよ。
アスケロフ オファーが来た試合は、ルールに関係なく出たいと思っている。もちろんDREAMからオファーがあれば問題ないよ。とりあえず次のターゲットはK-1だけどね。

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