「日本人８人が死亡」釜山消防本部が発表

　韓国南部・釜山市中区の室内射撃場で１４日発生した火災で、同市の中部警察署は１５日、射撃場の休憩室に置かれたソファ付近が火元との見方を示した。「爆発音が聞こえた」との日本人観光客らの証言もあり、休憩室内で爆発が起き、一気に燃え広がった可能性が高い。

　同市消防本部は１５日、日本人８人が死亡したと判断されると発表。現場に居合わせたとみられる日本人観光客の家族は同日午後、福岡からの高速船で釜山入りし、遺体が安置されている同市近郊の釜山大病院や火災現場などを訪れた。

　警察当局は、科学捜査専門チームを投入、現場検証や関係者の事情聴取を行い火災の原因究明を急ぐとともに、身元の確認作業に全力を挙げている。損傷の激しい遺体は家族の協力を得てＤＮＡ鑑定で最終的に身元を確定する方針。

　聯合ニュースによると、射撃場の管理人は中部警察署の事情聴取に対し、現場にブタンが入ったとみられるガスバーナーがあったと説明。弾薬の詰め替え作業などの際に火薬が散乱する可能性もあり、消防当局者は「断定はできないが、火薬の爆発か、引火性物質が原因と疑われる」と語った。

　中部警察署の調べでは、銃を撃つ射撃スペースと休憩室を隔てる壁の休憩室側が激しく焼けていた。付近にはテレビが置かれていたとみられ、射撃スペースの内部は燃え方が弱かったという。同署は、放火の可能性は低いとみている。

　射撃場には監視カメラが設置されており、同署は１５日、映像を公開。安否の確認されていない人を含め日本人男性７人がガイドに先導されて入店し、一部が射撃スペースに入る様子も写っていた。火災発生時の模様は記録されていなかった。（共同）

　［2009年11月16日0時50分］