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女優・冒険家
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| 和泉雅子さん |
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| いずみ まさこ |
1947年東京銀座に生まれる。10才で劇団若草所属。13才で日活に入社。
精華学園卒。
多くの映画に出演。
63年浦山監督「非行少女」で15歳の不良少女を力演して演技力を認められ、 同年第3回モスクワ映画祭金賞受賞。以後青春スターとして活躍。
テレビ東京の仕事で南極に行き、極地の魅力に惹かれ、84年から毎年北極の旅を続け、 89年北極点到達(日本女性初)。
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| 努力を褒めてあげたいね!
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個性を伸ばしてあげたいね
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マコちゃんは今も銀座のど真ん中に住んでいる。相変わらずクリクリと愛くるしい瞳を輝かせ張り切って仕事をしている。吉永小百合さんたちと同年代、青春スターだったマコちゃんが、やがて「地球のてっぺんに立ってみたい」と夢を追いかけ北極まで行ってしまうなんて、いったい誰が想像しただろう。
「北極へ行ったことは、運命なんだと思います。すでに決まっていたことではないかと。私がたとえどこの娘で何をしていようが、きっと行っていたでしょうね」と、和泉さんはニコニコする。女優という仕事を持ちながら、氷点下40度−50度にもなる氷の世界へ行って見たいと思うことはできても、実行となると話は別。一回目の北極点挑戦(1985年)はあと148キロの地点で断念。「目の前に大きな氷の割れ目ができぽっかりと海が現れしかもその割れ目が、我々を囲んでしまい、ちょうど、大きな氷の離れ小島に取り残されたような状態になって一歩も動けなかったのです」。絶望で心がぺしゃんこになって36時間泣き続けた。でも、「生きてさえいれば、命さえあれば北極点は待っていてくれる。あの北極点は一生涯、地球のてっぺんから逃げない。死んでしまったら二度と挑戦なんてできない」と再挑戦を誓った。
二回目の挑戦は1989年、1月28日に成田を出発。5月10日午前6時30分、北極点、地球のてっぺん北緯90度へ到達。「あんなに見たかった地球のてっぺんの景色を見ることができたんです。62日間かけて北極点に立ったわけです」。全財産を使ってしまったが、心の中にはでっかい宝物が残った。「北極の大自然から素晴らしいものを教えていただいた。それはこの世の中にはお金で買えないものがあるということ。命の尊さ、心、優しい思いやり、親切、友情、謙虚さ、感謝の心」。「自然には勝てません。一歩引いて、いかがなんでしょうと、お伺いするような気持ちが必要」。氷と空だけの世界、都会で暮らす私たちの想像を絶する世界への旅から、和泉さんは、本当に得がたいものを受け取った。
「食べる遠征隊」とも言われたマコ隊の隊長は昔「好き嫌いなし」と書くことが恥ずかしかったという。「食は本当に大切です。私はいつもスタッフのお弁当を作りますし、ダシも毎日自分でとります。外食はあまり得意ではないんです」と打ち明ける。「こうしたらいい」と新しいことを工夫発明することが大好きで、「ほら、いかに掻き揚げを散らさないようにするかなんて考えて、オーヴンペーパーを使って揚げる方法を見出したり、小学校時代も、大理石の床の拭き方を編み出したり!」と実に楽しそうだ。
そんなマコちゃんには、このごろ銀座で見かけて気になることがある。「3歳くらいの子どもがヴィトンのポシェットを下げてたり、高級レストランでお誕生会を開いたりして、ひっくり返ります。自分で稼げるようになってからのことでいい。それに親が自ら料理をしたりケーキを焼いてお祝いするのが一番」と、大切な「心」の所在を問う。
「学校休むって昔は大変だったんです。学校をサボれるというのがすごい魅力で、両親に『やるなら一生やるか』と詰問され、『やるやる』なんて必死に答えて13歳のときに日活に入りました。両親は厳しくて嘘つくとすぐ見抜くんです。でもきちんとしていれば褒めてくれました。仕事にはいつも手作りのお弁当とお茶を用意して付き添ってくれました」。一学期に3日しか登校できないこともあった。「でもね、職員室で参考書使って追試を受けたり、分からないと、今出ている映画のストーリーを書いたりしてなんとか卒業できました。子どものいいところを見つけて伸ばしてくれるような先生が多かったですねえ。」
「勉強ができない子には、絶対に他の才能があるんです。スポーツだったり、芸術の才能だったり、要はその子の個性を伸ばしてあげることなんです。!そして大切なのは先生自身が個性を持ち、それを校長が潰さないこと!」と真剣な眼差しに。
さて、遠征隊長としてのコツは、「まず中立の立場で見ること。うまくいったときは、みんなのおかげ。うまくいかないときは、隊長のせい。隊員は根が明るい人がいい」。北極の太陽と、マイナス30度くらいの気候が大好きという和泉さん。夢の実現については「いかに自分の目標や夢に向かって頑張ったか。たとえば、その学校に入れなくても、そこに向かって頑張った努力を褒めてあげることが大切」。「誰もが自分の夢に向かい、楽しく健康的で真面目に暮らしていけると素晴らしい」と爽やか。「マコちゃんとオーロラを見る旅」は毎年続いている。
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