HIGHLIGHTS |
Country:
日本
Company:
学校法人 東邦大学
Industry/Market:
教育
Application:
マルチメディア・ラウンジ・システム
Software:
Citrix MetaFrameTM
Solaris PC NetLink
Hardware:
サーバ/クライアント:
Sun EnterpriseTM 420R
Sun RayTM 150 Appliance
ストレージ:
Sun StorEgdeTM A1000
Sales partner:
株式会社浅沼商会
Integrator:
サン・マイクロシステムズ株式会社、プロフェッショナル・サービス |
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マルチメディア・ラウンジ。それは、新しいコミュニケーション・キャンパス。
社会生活とネットワークの接点となる新しいキャンパスという考えから構想されたマルチメディア・ラウンジ。リラックスした雰囲気で会話もできる斬新なデザインのその空間には、90台のSun Ray 150 Applianceが設置され、自由開放的で、専従の管理者を置かない運営を実現しています。
システム概要 ネットワーク社会へのインタフェース・ラウンジ
1925年の建学から75年をこえる歴史を持つ東邦大学は、自然に対する畏怖、生命の尊厳、人間の謙虚な心を原点に、医学、薬学、理学の3学部8学科が揃った自然科学系の総合大学として歩んできました。それぞれの専門性を深く究めながら、他分野ともネットワークできる複眼的な視点を持つことを、教育の基本スタンスとしています。
この同学がいま、2001年4月の正式運用に向けて準備を進めているのが、習志野キャンパスのマルチメディア・ラウンジです。この新しいラウンジの開設について、同大学理学部情報科学科の塚田真教授は次のように語ります。「いまやネットワークは決して特別なものではなく、私たちの生活の一部になりつつあります。そして、ネットワーク上のバーチャルな世界と我々が住むリアルな世界とを行き来する接点となるのが、学内の施設でいえば端末室でした。とはいえ、そこに没頭すればいいかというとそうではなく、やはり人間関係も重要であり、仲間同士のコミュニケーションも欠かすことはできません。そうした考えから求めたのが、ラウンジという形の中で、自然にネットワークにつながるための入り口となるクライアント機器が存在するというイメージを持った、新しいコンピュータ環境でした」。
この構想を実現するため、同大学ではWebページの閲覧やメールなどを目的としたインターネット利用のためのサーバとしてSun Enterprise 420Rを3台導入。ならびに、クライアントとしてSun Ray 150 Applianceを90台設置しました。また、そこには学生が持ち込んだノートパソコンを接続できる無線LANポートも20個用意され、自由な雰囲気でネットワークを利用しながら、リラックスした会話もできる、開放的なデザインのラウンジが完成しました。
Sun Enterpriseシステム導入の背景
クライアント管理の手間を排除し、自由開放的なラウンジを実現
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東邦大学
理学部情報科学科
塚田真教授
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グループでの課題授業やゼミなど、マルチメディア・ラウンジは教育目的
で利用することもできます。ただし、あくまでも基本は「自由で開放的なラウンジとして運営する」というスタンスから、同大学ではクライアントにはできる限り管理の手間をかけたくないと望んでいました。このことが、パソコンではなく、Sun Ray 150 Applianceを導入するに至った最大の理由でした。法人本部システム室の小野寺正輝氏は、次のように語ります。「ユーザへの浸透度という面でPCを無視することはできませんが、実際に導入することを考えると、1台ごとにメンテナンスしなければならないなど、管理は容易ではありません。いくら最初に環境を合わせておいても、運用しているうちに、どんどん設定が変えられてしまうのが実情だからです。これに対して、完全にサーバ・ベースで動作し、個々のクライアント管理に煩わされないSun Ray 150 Applianceの斬新な設計思想は非常に魅力でした。最初は賭けのような気持ちもありましたが、この選択は間違ってなかったと思っています」。
また、塚田教授は小野寺氏のこの言葉をつぎのように補足します。「現在
のPC主体の時代が、果たしていつまで続くのかという気がするのです。WebブラウザそのものがOSの役割を担い、アプリケーションはWebブラウザから呼び出して使うという時代が必ずやって来ると私は考えています。そのコンセプトを具体化しているのが、Sun Ray 150 Applianceだと思います」。
同大学では、ラウンジという雰囲気を大切にするうえでも、ハードディスクなどのメカニカルな部分を持たないSun Ray 150 Applianceの静寂性を、大きなアドバンテージとして受け止めています。
Sun Enterpriseシステム導入のメリット
システム全体の管理窓口をSolaris側に一元化
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東邦大学
法人本部システム室
小野寺正輝氏
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3台のSun Enterprise 420Rサーバに接続された90台のSun Ray 150 Applianceは、SolarisTMオペレーティング環境で動作しています。そのWebブラウザやメールの使い勝手は、一般的なPCと何ら変わりはありません。実際に試験運用中のマルチメディア・ラウンジにおいても、学生たちは戸惑うことなく操作しています。
今回構築したシステムには特筆すべきポイントがあります。Windows NTサーバとの連携です。これは「Webブラウザやメールだけでなく、Microsoft WordやExcelといった使い慣れたツールも利用して、レポート作成などを行ないたい」という学生たちの要望に応えるもので、「Solaris PC NetLink」ならびにCitrix社の「MetaFrame」を導入することによって実現しています。「Windowsそのものをアプリケーションとして位置付け、Sun Ray 150 Applianceからその画面を違和感なく呼び出して操作できる環境を整えました」と語る塚田教授。もちろん、こうした利用形態は他に例のないものです。
もっとも、ここに行き着くまでには、さまざまなハードルがありました。なかでも頭を悩ませたのは、Solaris側とWindows NT側で分散するアカウントなどの個人情報を、どうやって管理するかという問題です。この点について、小野寺氏は次のように語ります。
「Sunのプロフェッショナルサービス部門は、異機種環境における運用について、各種の提案と技術サポートを提供してくれました。そして、Windows NTサーバへの個人情報の登録ならびにWindows NT環境を含めたチューニング作業を、すべてSolaris PC NetLinkを通じてSun のサーバから行なうという解決を導くことができました」。すなわち、Windows NT環境にSunのシステムを導入することで、利用面でのさまざまな利便性を得ると同時に、異なるOS、ハードウェア・アーキテクチャが混在するネットワーク環境における煩雑なユーザ管理を、Sun Enterpriseサーバ側に一元化し簡素化するという、システム運用上の多大なメリットを得ることができたのです。
今後の展開
並行して整備が進むマルチメディア・スタジオ
同大学の習志野キャンパスでは、マルチメディア・ラウンジと並行して、もう1つ「マルチメディアスタジオ」と呼ばれる施設の整備も急ピッチで進められています。マルチメディアスタジオには3つの大型スクリーンが設置され、パソコン画面やビデオ映像、書斎カメラの画像を自由に選択して投影することができるとともに、サラウンドスピーカーからは臨場感あふれる音響を流すことができます。また、100席ある机のうち60席に収納されているノートPCには、語学などの教育ソフトが用意されているほか、ビデオカメラを活用し、ここを基地とした遠隔授業や講演会も展開していく計画です。
IT革命が急速な展開をみせる中、多様な形でインターネットやマルチメディアを自由に使いこなすことができる、魅力的なキャンパス施設を提供していくことが責務であると同学は考えているのです。塚田教授は、将来を見据えて次ぎのように語ります。「遠からずすべての教室で、インターネットやマルチメディアを活用した授業が行なわれるようになるでしょう。具体的にどう実現していくのかは今後の課題ですが、Sun Ray 150 Applianceをモバイル化したような小型端末を学生たちが持ち歩き、いたるところに設置されたコンビニ的なサーバに接続して、必要な情報を得るといったスタイルも考えていきたいと思います」。
マルチメディア・ラウンジとマルチメディア・スタジオの2つの施設を起爆剤に、これまでの授業やキャンパス運営のあり方を刷新していく果敢なチャレンジが繰り広げられようとしています。
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